コラム

「SUUMO住みたい街ランキング2024」大宮が吉祥寺を抑え初の2位に! 遊び・買い物環境だけじゃない、教育・交通利便性も大進化していた

(撮影/榎並 紀行)

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表。今回は、”住みたい街といえば”の代名詞的な存在だった吉祥寺をおさえ2位になった埼玉県「大宮」にフォーカスし、街の魅力を探ります。

駅周辺の商業施設に1000以上の店舗が集まる

吉祥寺を抑え、初の2位に輝いた大宮。埼玉県勢としても過去最高順位となりました。特に評価されているポイントは、買い物環境、遊ぶ環境の充実ぶり。「街の魅力(住みたい理由)」として、最も多くのポイントを集めたのも「文化・娯楽施設が充実している(映画館、劇場、美術館、博物館など)」(62.3%)で、以下「ショッピングモールやデパートなどの大規模施設がある」(61.5%)、「街に賑わいがある」(57.8%)と続きます。

大宮駅内・駅周辺だけでも「ルミネ1・2」「エキュート大宮」「大宮アルシェ」「そごう大宮店」「高島屋大宮店」「大宮マルイ」「大宮西口DOMショッピングセンター」があるという買い物天国ぶり。さらに、大宮の隣駅、さいたま新都心駅に直結する「コクーンシティ」を含めた8つの商業施設の総店舗数は1000店を超えます。

買い物だけでなく、駅から直径2km圏に「飲食街(南銀座・北銀座)」、「ライブスポット(さいたまスーパーアリーナ)」、「公園(大宮公園・大宮第二公園)」、「神社(氷川神社)」など、さまざまな要素が凝縮。
古着屋ストリートとして知られる「一の宮通り」や、ケヤキ並木が美しい「氷川参道」など、個性豊かな通りも魅力的です。

また、実はサウナ・スパも質量ともに充実していて、「おふろcafé utatane」や「美楽温泉 SPA HERBS」などの人気施設に加え、2023年4月には大宮駅徒歩4分の場所に個室サウナとワーキングスペース、カフェが融合した「ととのい+」もオープンしました。

そして、大宮といえばやはり「東日本の玄関口」と称される、鉄道交通の利便性の高さが光ります。新幹線だけでも6路線が乗り入れ、通勤、通学だけでなく、旅行・出張にも便利なアクセス環境。2024年3月には北陸新幹線の金沢~敦賀駅間が開業し、大宮駅から福井駅や敦賀駅まで乗り換えなしで移動できるようになりました。

「中学生以下の子どもを持つファミリー」に選ばれ続ける大宮

大宮は埼玉県の県庁所在地である「さいたま市」に属していますが、さいたま市の大きな特徴の一つが「ファミリー層から選ばれている」ことです。じつは、さいたま市は0歳~14歳の転入超過数(転入数から転出数を引いた数)が全国最多。2015年から2023年まで9年連続で1位と、14歳以下の人口増加が続いています。これはつまり、「中学生以下の子どもを持つファミリー」が数多く転入していることの現れです。

子育て世帯の増加に伴い、さいたま市も受け入れ対策を講じてきました。まず、高まる保育需要に対応するため、ここ数年は特に保育施設の整備に注力。平成29年(2017年)の304施設から令和5年(2023年)は513施設と、7年間で1.7倍以上に。定員数も1万9388人から3万788人に増加しています。こうした施設の拡充に加え、保育コンシェルジュなどの相談支援にも力を入れた結果、2022年から待機児童数0人を実現しました。

子育て世帯にとっては、さいたま市の教育環境も魅力。義務教育レベルでは、特に英語教育の充実ぶりで知られています。さいたま市独自の英語教育「グローバル・スタディ」は、全ての市立小・中学校で、9年間一貫したカリキュラムのもと英語を教えるというもの。これにより、中学3年生時点で英検3級相当の学力を有している子どもの割合が全国1位の86.6%に(※文部科学省「令和4年度 英語教育実施状況調査」より)上るなど、目覚ましい成果が生まれています。

東京から埼玉へ移転する企業が増加中

近年では、さいたま市のビジネス環境にも大きな注目が集まっています。ここ10年間(2013年~2022年)の企業の転入超過数は、神奈川県に次ぐ全国2位。特に、東京都から埼玉県に移転する企業が多く見られます(※帝国データバンク発表「埼玉県・本社移転企業調査」(2013年~2022年)より)。

多くの企業にとって、大宮の交通利便性は大きなメリット。また、さいたまエリア(埼玉県中心部)は東京23区に比べてオフィス賃料も手頃です。
加えて人材採用の面でも、さいたま市には大きな利点が。市による将来推計人口は2035年まで増え続け、2050年時点でも現在と同程度の人口水準を維持できる見通しです。

これらの魅力に加え、近年は大宮駅周辺で再開発が進み、大型のオフィスビルが増加中。駅近に快適なオフィス環境が整備されることで、ますます企業移転が加速すると見込まれます。

駅の近くで進む大型再開発にも期待

大宮駅周辺の再開発は企業のオフィス需要を満たすだけでなく、街にさらなる活気を呼びます。たとえば、駅東口では2022年4月に、市民ホール、集会場、商業施設、クリニック、オフィスなどから成る「大宮門街(おおみやかどまち)」が誕生しました。大宮駅前に新たな人の流れを生み、そのにぎわいを氷川参道へと結ぶ。そんな、駅と街をつなぐ結節点としての役割も担っています。

大宮門街に隣接するエリアでは、新たな再開発事業「大宮駅東口大門町3丁目中地区第一種市街地再開発事業」が、2023年12月に都市計画決定。100mの高層ビルに高規格のオフィス、店舗、銀行、緑溢れるオープンスペースなどを整備する計画で、一帯の風景が大きく変わりそうです。

一方、駅西口では2023年5月に「大宮ソラミチKOZ」、2024年3月27日に「アドグレイス大宮」という民間大型複合ビルが誕生。今後も、ソニックシティビルの北側のエリア約5.6haについて、機運の高まったところから段階的に整備を進めていくまちづくりの方針を定めています。2024年7月にはその第一弾として、住宅、オフィス、店舗から成る「大宮サクラスクエア」が誕生予定。これを皮切りに、これから数年にわたって開発ラッシュが続く発展性や、それに伴う期待感も、大宮に人気が集まる大きな理由の一つといえそうです。

大宮が初めてTOP10入りしたのは2018年。2022年には初めてTOP3に、そして今回は初の2位と、少しずつ着実に順位を上げています。

東京都心部と同等以上の交通・生活利便性がありながら、遊びや文化、自然、ビジネス環境にも恵まれ、なおかつ住宅コストも手頃で、再開発による今後の発展まで見込める大宮。知名度ではなく、住み心地や街の魅力、将来性に対する純粋な評価が、この順位に現れているといえそうです。

●関連サイト
SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

(SUUMOジャーナル 編集部)

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