小学館が公表した「調査報告書」より抜粋
6月3日、小学館が公式サイトで公表した漫画『セクシー田中さん』の原作者である漫画家・芦原妃名子さんが急逝した事案に関する「調査報告書」。調査は弁護士3名を含めた「特別調査委員会」によって行われ、報告書は86ページにわたる（【芦原妃名子さんの「こだわり」は日テレへどう伝えられていたか】から続く）。
2023年6月の日本テレビと小学館の契約の段階で、焦点となったドラマ終盤のオリジナル部分9～10話についてはどのようなやりとりがされていたのだろうか。今回発表された報告書では、以下のように記されている。
〈6 月8 日、10 月期で決定して契約に進む段階になり、芦原氏の意向を聞き、社員B は9 日、日本テレビ社員X 氏に電話で改めて、ドラマのオリジナル部分は芦原氏が詳細プロットを書き、これを受けて脚本家が起こした脚本を了承しない場合は脚本を自ら書く方法を提案し、脚本家に失礼にならないよう了承を取ることを求めた。これに対して日本テレビ社員X 氏は、芦原氏に書いてもらうことはありがたいと賛同し、脚本家にもうまく話しておくと回答した〉（調査報告書より。以下〈 〉内は同。人物名のアルファベット表記は調査報告書のママ）
ただし、日本テレビ社員のX氏は調査委員会のヒアリングに対し、「芦原先生の承諾を得られないときは、芦原先生に脚本も書いてもらうこともある」と言われた記憶はないと否定しているものの、詳細プロットを書く話を聞き、感謝したことは認めているという。
日本テレビ社員のY氏は、小学館社員Aに6月10日、ショートメールを送っていた。そこでは、「契約書の件承知しました。●●（日本テレビ社員X 氏。原文は実名）より●●さん（社員B。原文は実名）から契約にあたっての9、10 話のロングプロットの話など聞きまして、こちらとしては合意で契約すすめたいというのは●●（日本テレビ社員X 氏。原文では実名）に戻させていただきました」と記されており、前述の方針で進めていくことに同意する旨の連絡があったとされている。
