小学館が公表した「調査報告書」より抜粋
正確・迅速に脚本家に伝わっていなかった
〈社員B は、日本テレビ社員X 氏の要請に従って10 日13 時22 分、日本テレビ社員Y 氏にあてたメールで、「脚本家の方との向き合いもあると思いますので、なかなか心苦しいのですが」との懸念を示しつつ「その先のドラマオリジナル展開に関しては、芦原先生の方から、脚本もしくは詳細プロットの体裁でご提案させて頂けませんでしょうか」と、提案し、その際、交渉への配慮として許諾条件という程ではないとしながらも、「はっきりとした要望として」検討することを求めた〉
〈日本テレビ社員Y 氏は、間髪を入れずに14 時に「結果進めさせて頂くとのことで承知しました。9話あたりからのドラマオリジナル展開に関して芦原先生の方から、脚本もしくは詳細プロットの体裁でご提案して頂く点も承知しました。芦原先生の原作の世界観もあると思いますので具体的に頂けるほうが良いと思います」との回答をメールで返して、社員B の提案を承諾した〉
ただし、こうしたやりとりも正確かつ迅速には脚本家に伝わっていなかった様子が、報告書からは見て取れる。
〈日本テレビ社員Y 氏によると、6 月11 日の正午から行われた台本会議にて、監督やプロデューサーら他のメンバーもいる中で、日本テレビ社員Y 氏から本件脚本家に、芦原氏にプロットを書いていただける旨を伝え、しかし本件脚本家によると、同氏が、芦原氏において詳細プロットを書くことを日本テレビ社員Y 氏から打診されたのは7 月11 日以降であるという〉
この点、報告書の「考察」でも、「本事案では(中略)原作者の意見が、摩擦を回避できる程度に十分に、脚本家に伝わらなかったことが問題である」と記されていた。