ライフ

パリ五輪が浮き彫りにしたネットの愚 その「中毒度」をチェックしよう

準々決勝で敗れた永山。大きな論争を呼ぶ一戦となった(ABACA PRESS/時事通信フォト)

準々決勝で敗れた永山。大きな論争を呼ぶ一戦となった(ABACA PRESS/時事通信フォト)

 行動様式の変化がメンタルに与える影響は小さくない。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。

 * * *

 パリ五輪も、いよいよ終盤。日本選手の活躍に声援や拍手を送ったり、惜敗に悔しい思いをしたりなど、寝不足が続いた人も多かったのではないでしょうか。その競技を見るのはほぼ初めてというニワカファンもドンと受け止めて、素晴らしい技や戦いっぷりで感動させてくれるのが、オリンピックの魅力であり懐の深さです。

 今回のパリ五輪では、ネットやSNS上での選手に対する誹謗中傷が話題になりました。具体例を挙げるのは控えますが、一生懸命に全力で戦った選手に対して、何もしていない側が安全圏から言葉の刃を突きさすのは、あまりにも残念で情けない光景です。

 これまで選手側は、ほぼ言われっぱなしでした。しかし今回は、日本オリンピック委員会(JOC)が緊急声明を出したり、関係者やチームメイトが仲間を守る投稿をしたりなど、これまでにはなかった動きも見られます。

 もちろん、ごくごく一部の人がやっていることではありますが、選手に対する誹謗中傷がネット上にあふれたことは、あらためて「ネットの怖さ」や「ネットの愚かさ」を浮き彫りにしました。「人間の怖さ」や「人間の愚かさ」と言い換えてもいいでしょう。ネットを使っている限り、誰もが落とし穴にはまる可能性があります。

「ネット中毒度チェック」で自分の中に潜む危険性を自覚しよう

 ふと気が付いたら、自分もネットのコメント欄やSNSに誹謗中傷を書き込んでいた――なんてことになったら、目も当てられません。お天道様にもご先祖様にも顔向けできないし、家族や友人知人に「じつは、こんなことしちゃって」と話すのは絶対に嫌です。ほとんどの場合、本人はダメなことをしている自覚がなさそうなのも怖いところ。

 転ばぬ先の杖というか、自分の中に潜んでいる危険性の把握というか、そのあたりを目指して「ネット中毒度チェック(別名;ネットに振り回されている度チェック)」を作ってみました。次の5つの項目のうち、自分に当てはまるものはいくつありますか。

その1〈「オリンピック選手に対する誹謗中傷」のニュースを見て、「傷つくぐらいならネットなんか見なければいいのに」と思った〉

その2〈不倫がバレた芸能人などに関して、自分の価値判断ではなく「世間がどう反応しそうか」を基準に意見を決めている気がする〉

その3〈自分は加担しないにせよ、誰かがバッシングされたり炎上したりしている様子を見るのは楽しいし、留飲を下げることもある〉

その4〈相手に面と向かっては言えないことをネットに書き込んだことがある。もしくは、実名なら言えないことを匿名で書き込んだことがある〉

その5〈1~4のようなことは今では当たり前すぎて、ネット中毒かどうかを判断する基準にはならないのではないか……と感じた〉

関連記事

トピックス

12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《真美子さんのバースデー》大谷翔平の “気を遣わせないプレゼント” 新妻の「実用的なものがいい」リクエストに…昨年は“1000億円超のサプライズ”
NEWSポストセブン