オンラインカジノの広告・宣伝も違法に(警察庁保安課公式Xより)
捜査は「売人」に当たる人たちへ
この数年で一気に社会問題化したオンカジへ規制のため、国会では「改正ギャンブル等依存症対策基本法」が6月18日成立し、賭博行為だけでなく、広告や宣伝も禁止となった。そして、外国を拠点とするオンラインカジノのサイトに接続できないよう、ブロッキングを検討しているという。大手の三菱UFJ銀行は、オンカジ関連の入金が確認された場合には「口座を停止する措置」を取ると顧客に通知をすでに始めている。当局側は「本気」なのだ。
「プロ野球・西武ライオンズも、最近になってオンカジ関与選手を実名で公表しており、さらに捜査が進められている。常習者や高額利用者の実名摘発が今後相次ぐかもしれません」(大手紙社会部記者)
有名人の利用者、次に常習者の摘発に着手とくれば、もちろんオンラインカジノの「胴元」にも捜査の手が及ぶはずだが、目下、捜査関係者が重大な関心を寄せているとみられるのが、薬物事案であれば「売人」に当たるような人物たちの存在だ。社会部記者が続ける。
「当然、日本国内から参加することは違法なオンラインギャンブルですから、胴元であるオンカジの運営会社もターゲットになります。しかし、海外に拠点があったりして摘発は困難。したがって、当局の狙いは、オンカジを紹介していたインフルエンサーに移行しつつある。彼らは、薬物の売人のように、一般人に違法なオンカジを紹介し、胴元や運営から”報酬”をもらっているのです」(大手紙社会部記者)
警察はすでに「明鏡止水」というハンドルネームを用い、総額280億円以上をオンラインカジノにつぎ込んでいた男を逮捕している。男は、マイナス収支を取り戻すべく、オンラインカジノをSNS上で他のユーザーに「紹介」し手数料を受け取っていたと言われている。こうした「インフルエンサー」の存在が、オンカジに手を出すユーザーを次々に生み出している、という指摘もある。
「捜査当局は、SNS上でオンカジの宣伝をしているようなインフルエンサーに捜査の焦点を移しているようです。インフルエンサー本人がオンカジをしている、といった書き込みなどもくまなくチェックし、仮に本人がオンカジに手を出していなくても、オンカジの紹介で金銭を受けとるなどしていれば、徹底的に調べられるはず。報酬系統を突き上げれば、胴元が判明する可能性もある。オンカジ関連の広告を出稿していたラジオなどの一部メディアについても、説明責任が追及されるはずです」(大手紙社会部記者)
一部のインフルエンサーの中には、すでに自ら警察当局に「相談」をしているインフルエンサーもいるというが、もはや「合法だと思っていた」という言い訳は通用しない。