国内

自衛隊員は衣食住でも優遇 おかわり自由でふりかけが必須

主な自衛官の手当

 いざとなれば自らの生命を危険に晒して、日本の防衛に当たる自衛隊員たち。しかし、我が国の防人たち23万人の日常を我々はあまりに知らないのではないか。組織内における出世やカネ、家庭生活における悩み。そしてそれらを乗り越えていくモチベーション……。国防を考える時、まず現実の自衛隊を直視したい。

 * * *
 自衛官と言えば、衣食住の面倒見がいいとよく聞く。ところが、『学校で教えない日本陸軍と自衛隊』など自衛隊関連の著書を多く持ち、愛娘も防衛大卒の幹部自衛官という荒木肇氏は、最近は少し事情が異なると言う。

「予算の削減で、戦闘服も2年間で3着支給だったものが、2着に減らされたようです。当然、それでは足りませんから、自費で購入しますが、迷彩服なら上下で4万円。しかも階級章や、演習で顔に塗るペイント代は自腹なんです」

 とはいえ、制服は夏服、冬服だけでなく、ワイシャツやネクタイ、ベルトも貸与される。貸与なので、新品が支給されるとそれまでの服は隊に返却する。回収された制服はクリーニングに出され、新入隊員に再支給される。

 では衣食住の食はどうか?

 海自と空自では専門の給養隊員が、陸自では駐屯地にいる部隊から集められた隊員が交替で調理をしており、3食付きが基本。訓練の厳しさに応じて「増加食」があるほか、航空機や潜水艦の乗組員には「加給食」があり、給料だけでなく食でも優遇されている。

 食事は訓練で体を使うためカロリーが重視され、成人男子の1日の摂取カロリーの1・3倍になるよう計算されている。ご飯のみおかわり自由なので、ふりかけが必須だという。

 住まいはどうか?

 自衛官の場合、幹部なら基地の外に住めるが、曹長以下は原則、基地内の営舎(寮)住まい。プライベートは無きに等しいが、この場合、住居費はかからない。営舎から出る条件は、【1】結婚している、【2】独身だが2曹で年齢が30歳以上、【3】独身だが1曹以上。

 結婚している場合は、基地の外の官舎に住むことになるが、駐車場付きで1か月1万円台と格安。

 だが、海上自衛官の夫を持ち、マンガ『突撃! 自衛官妻』の著者・日辻彩氏はこう言う。
 
「安いのはいいですが、築30年の官舎で戸の立て付けも悪く、すきま風が吹き込むので、冬は凍えるほど寒いんです。そして、引っ越すとなると、畳や襖などの修繕費を実費でとられるんです」
 
 官舎が空いていない場合は、住宅補助費をもらって、民間物件に住めるが、それ以外は、官舎住まいか、実費での生活を選ぶほかない。

 
※SAPIO2010年12月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
人の出入りが多く流行っていたという火災があったサウナ店
《夫婦が閉じ込められ…》月額39万円の高級サウナ店での火災でサウナーたちに広がる不安 彼らはなぜ\\\\\\\"避難シミュレーション\\\\\\\"を議論するのか
NEWSポストセブン
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
世間を驚かせたメイプル超合金のカズレーザー(41才)と二階堂ふみ(31才)の電撃“推し婚”
【2025年・有名人の結婚&離婚を総決算】何かと平和な「人気男性タレントと一般女性の結婚」、離婚決断が女性からの支持につながった加藤ローサ
女性セブン
米倉涼子
《米倉涼子の自宅マンション前に異変》大手メディアが集結で一体何が…薬物疑惑報道後に更新が止まったファンクラブは継続中
火事が発生したのは今月15日(右:同社HPより)
《いつかこの子がドレスを着るまで生きたい》サウナ閉じ込め、夫婦は覆いかぶさるように…専門家が指摘する月額39万円サウナの“論外な構造”と推奨する自衛手段【赤坂サウナ2人死亡】
NEWSポストセブン
自らを「頂きおじさん」と名乗っていた小野洋平容疑者(右:時事通信フォト。今回の事件とは無関係)
《“一夫多妻男”が10代女性を『イヌ』と呼び監禁》「バールでドアをこじ開けたような跡が…」”頂きおじさん”小野洋平容疑者の「恐怖の部屋」、約100人を盗撮し5000万円売り上げ
NEWSポストセブン
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン
来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン