ライフ

医学博士 携帯のカメラで食べたもの撮影すると痩せると指摘

 忘年会、新年会が続くこの時期、暴飲暴食に走って肥満へ突き進むケースは多い。肥満は健康上のリスクを大いに高める。健康管理が必須である現代のビジネスマンにとって、「太らない」ことは非常に重要だ。『脳をダマせばこんなにやせる』(小学館)で最新メソッドを提唱し、ヘルスケア界に大反響を巻き起こしている医学博士の米山公啓氏がその独自理論と実践法を明かす。

 * * *
 食べ過ぎを防止するには、食事中に「満腹」という情報が脳から発せられればよい。基本は脳の視床下部にある満腹中枢を刺激することである。満腹中枢が刺激されるまでには通常、食事を始めてから20分ほどかかると言われている。
 
 その意味で、「ゆっくり食べる」ということは理に適っている。だが、問題はどうやったらゆっくり食べられるのか、ということだ。

 ビジネスマンにお勧めなのは勉強しながら食べることだ。英語、簿記、不動産鑑定士、何でも良い。自分が仕事上必要としているスキルを身につけるために問題集を解きながら食事をする。

 大切なのはペンを使うこと。そうすることで強制的に一旦、箸を置くことになる。これで食事のペースは一気にスローダウンする。ビジネスマンとしての能力も向上し、一石二鳥である。

  ただしペンを持たずに暗記するだけの英単語帳などは効果がないので要注意だ。

 また、料理の食べる順番を変えるだけでも、摂取カロリーを大幅に減らすことができる。食事の中で、最もカロリーが高いのは炭水化物である。日本人は食事の際、米があることが当たり前になっているが、この米を一番最後に食べるようにする。つまり先におかずから食べるのだ。満腹になって食べなかった最後の1品が魚・肉などのタンパク質か、炭水化物かではカロリーも自ずとかわってくる。
 
 ちなみに、米は硬めに炊いた方が、噛む回数も増えるため、食べるペースがゆっくりになる。また、消化に時間がかかるので空腹になりにくい。液体に近ければ近いほど、体内に吸収されやすく、血糖値が急上昇する。続いて脳がその血糖値を下げようと反応し、大量のインスリン分泌を促す。その結果、血糖値は急降下し、そのことで摂食中枢が刺激されてしまい、すぐに空腹を感じてしまうのだ。

 さらに、「脳に認識させる」ことで食事量を抑えることができる。方法は簡単だ。デジカメで食事を撮影するだけ。最近の携帯電話には大抵カメラが付いているからそれを利用すればかさばらないし、食事時でも携帯電話は肌身離さず持っているだろう。
 
 撮影すると何がいいのか。当たり前だが、撮影した写真を画面で見ていくと、自分がどれだけ食べたかがわかる。昨晩は暴飲暴食してしまったとか、今日の昼は丼ものを大盛りで食べてしまったとか、自分自身に再認識させることができる。

「そんなことしなくても何を食べたかぐらい覚えている」と言う人も多いだろう。だが、侮ってはいけない。人間は食事に関しては非常に都合良く自分の記憶を操作する。ある意味、無意識に脳をダマして、「そんなに食べていないからまだ食べても大丈夫」という結論を導きやすいのだ。しかもやっかいなことに、自身をダマしているという自覚はほとんどない。

 実際、この方法を用いたところ、自分がいかに食べ過ぎだったかに気づき、予想以上に食事の量が減ったという人が多い。半信半疑の人も、携帯電話のカメラを使うなら初期投資はゼロなのだから試してみるといい。

※SAPIO2011年1月6日号

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン