国際情報

韓国芸能人より少ない金正日慰問金に同胞から「恥ずかしい」

 東京都千代田区富士見にある本部の土地建物がいよいよ競売にかけられようとしているなど、朝鮮総連が瓦解しつつある中、在日朝鮮人の間では、金正日に対する崇拝も急速にしぼんできている。ジャーナリストの野村旗守氏が報告する。

 * * *
「朝鮮総連のドン」として在日朝鮮人社会に君臨し、日本政界や治安当局からも一目置かれていた許宗萬責任副議長に、もはや昔日の面影はない。元総連中央関係者はこう話す。

「近頃の総連では、衆人環視の中で面と向かって許宗萬に喧嘩をふっかける若い猛者もいるという。ひと昔前には絶対にあり得なかったことだ。北朝鮮本国に対する熱もすっかり冷めている。3月の終わり、総連中央では『将軍様からの(震災)慰問金に感謝する在日同胞中央大会』が開かれたが、一体何に感謝しろというのか。

 金正日が日本赤十字に送ってきた10万ドル(約800万円)なんていうのは、韓国の芸能人1人にも及ばない。『恥ずかしいからやめてくれ』と同胞たちは口を揃えている。同胞被災者に送ってきたという50万ドル(約4000万円)が本当だったとしても、果たして被災者の元に届くかどうかもわからない。『また中央の幹部連中が借金の穴埋めにでも使ってしまうだろう』なんていう観測がもっぱらだ」

 朝鮮総連としては、中央会館死守の最後の望みを、再三にわたって駆使してきた政界工作に賭けるしかないようだ。最近では、朝鮮総連の日本政界を担当する部署である国際局(許宗萬責任副議長もここの出身であり、数多くの政治家を手玉にとってきたと言われる)の幹部たちが永田町の議員会館を足繁く訪れている姿が複数の関係者によって目撃されている。

 いずれにせよ、現在の総連には大胆な政界工作を仕掛ける材料もなければ、資金もない。中央本部では会館競売の強制執行を見通し、すでに文京区にある朝鮮出版会館ビルのワンフロアを空けて本部機能の移転の準備を進めているというが、最高裁判決がくだれば現在爆発寸前まできている許宗萬執行部に対する憤激が一気に表出し、組織解体に向けて拍車をかけるだろうことは想像に難くない。

※SAPIO 2011年6月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン