金正日一覧

【金正日】に関するニュースを集めたページです。

住民の間では新型コロナウイルスの感染拡大や防疫措置などによる不満が高まっていたという
金正日生誕行事に続き金日成生誕行事も 疲弊する北朝鮮兵士に募る不満
 北朝鮮の朝鮮人民軍兵士らはこれまで冬季軍事訓練とともに、2月16日の金正日総書記の生誕80周年記念の祝賀行事などを終えたばかりで、心身とも極度に疲労しているという。しかし3月に入ってからも、4月15日の金日成主席の生誕110周年記念日の準備に追われており、「我々が必要なのはしっかりとした食事と休養だ」との不満の声が軍内で強まっていることが明らかになった。 首都平壌では軍や党幹部の居住区のマンションの壁に「金正恩、お前のせいで国民が餓死している」などと書かれた落書きが見つかっており、軍指導部内では一部軍将兵らの暴発に警戒が高まっているという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。 金正恩氏の祖父である金日成主席(1912-1994)の誕生日は「太陽節」として知られ、連休となっている。正恩氏の父の金正日総書記(1942-2011)は2月16日生まれで「光明星節」の記念日となっており、両者の誕生日にはいずれも大型の慶祝行事が行われるのが恒例だ。 今年1月には「光明星節」には正恩氏や金日成主席、金正日朝鮮労働党総書記の活動を振り返る写真展が開幕したほか、各地で市民が参加しての慶祝行事が行われた。 平壌の情報筋によると、今年110回目の「太陽節」ではとくに朝鮮人民軍主体の行事が多数計画されており、各部隊で講演会、発表会、出版物の展示、ドキュメンタリー映画の学習会などが行われ、「先人の偉大さと不滅の業績を認識することを目的としている」という。 各部隊の事情によって時期は多少異なるが、2月末から「太陽節」まで『金日成将軍の偉大な姿』、『偉大な歩み』、『先軍革命の逸話』などの各種偶像化図書が各部隊に配布され、連日学習会などが開催されている。 しかし、同筋は「兵士たちはこの新しい思想教育計画に不満を募らせている。兵士たちは年明けから休みなしの訓練で疲れているなか、光明星節のさまざまな行事に参加しなければならなかった。さらに、これから太陽節の慶祝行事の準備をしなければならない」と指摘した。 そのうえで、同筋は「このため、彼らは『いま、自分たちが切実に必要としているのは、革命史の新しいカタログでも、先代指導者の偉大さについての教育でもない。栄養たっぷりの食事と長い休息がほしい』と訴えている」としている。
2022.03.09 07:00
NEWSポストセブン
2月16日に仲睦まじい姿を見せた金正恩夫妻(写真/朝鮮通信=時事)
金正恩氏に“第4子”誕生情報 後継者問題はどう動くのか
 金正恩・北朝鮮国務委員長の“子供”をめぐって大騒ぎになっている。2月16日、金委員長が李雪主夫人と光明星節(故・金正日総書記の誕生日)記念公演を観覧。李夫人が約1年1か月ぶりに公の場に姿を見せた。 これについて韓国・国家情報院(国情院)のシンクタンクである国家安保戦略研究院(戦略研)が「出産で姿を見せていなかった」という見解を示したのだ。 この情報に韓国メディアは騒然。後に韓国統一部の李仁栄長官は「出産は把握していない」「姿を見せなかったのは新型コロナのためではないか」と出産説を否定し、戦略研も「内部資料が職員のミスで記者に配付された。戦略研の公式見解ではない」と釈明した。 情報の真偽は不明だが、明らかになったのは韓国の情報機関が「金正恩の後継問題」に注視している事実だ。在韓ジャーナリストが言う。「正恩には10歳くらいの長男を筆頭に3人の子供がいると言われている。いずれ長男が“金王朝”の継承者になると見られているが、断言はできない。正恩自身が三男で、長男・正男や次男・正哲を差し置いて後継者の座に座ったわけです。その後、正男は正恩の指示で暗殺されている。 もし正恩の子供が新たに誕生すれば、将来の火種になる可能性は十分ある。韓国が調査に躍起になるのは当然です」 一方、別の見方もある。北朝鮮情勢に詳しいデイリーNKジャパン編集長の高英起氏が言う。「金正日総書記は多くの女性を寵愛した。正男と正恩も異母兄弟で、それが激しい後継者争いにつながりました。しかし正恩に“側室”がいるという話は聞こえてこない。李夫人がたとえ長男の他に男の子を生んだとしても諍いにはならないのではないか。実際、正恩の実兄の正哲は政治から距離を置き、ギターを弾くなど音楽に傾倒する日々を送っているようです。 それより問題は、正恩の健康問題でしょう。昨年には心臓のカテーテル手術を受けており、健康不安説は根強い。長男が成人するまでに万が一のことがあれば体制は危うくなりかねない」 金正恩委員長が“子作り”をできる健康状態なのか──それも国情院の関心事なのかもしれない。※週刊ポスト2021年3月12日号
2021.03.03 11:00
週刊ポスト
住民の間では新型コロナウイルスの感染拡大や防疫措置などによる不満が高まっていたという
電力不足に喘ぐ北朝鮮、金父子銅像だけに煌々と照明 住民不満
 北朝鮮では例年になく厳しい寒波が襲うなか、多くの市民は深刻な石油や石炭などのエネルギー不足による停電が頻繁に起き寒さに震えている。しかし、各都市の中心部にある金日成主席と金正日総書記の巨大な銅像は一晩中、明るすぎるくらいの照明により煌々と照らし出されている。 市民からは「庶民は寒さに耐え、すでに亡くなっている指導者の銅像に貴重な電力を惜しげもなく使っている。生きている人間よりも死んだ指導者の方が大事なのか」などと不満を募らせていることが明らかになった。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が現地の人々をインタビューした内容として報じた。 北朝鮮では昨年1月、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、国境を完全に閉鎖。その結果、主要なエネルギーや生活用品が中国から入ってこなくなり、厳しい物資不足によって、日常生活がままならない状況に陥っている。 とくに、厳冬期はシベリアからの寒気団の襲来により、水力発電所が機能しなくなる一方、火力発電所は燃料の石炭が不足しており、電力供給は滞りがちだ。首都の平壌での1日に何度も停電が起こっているという。これが地方だと、1日に1時間しか電気が使えないこともあるとのこと。衛星写真で北朝鮮の状況を見ると、夜は完全に真っ暗で電力不足に陥っていることが分かる。 米中央情報局(CIA)が発行する世界各国の現状を記した「ファクトブック」(2019年版)によると、電力を日常的に使えるのは北朝鮮の全人口の26%だけだ。つまり全人口の2560万人のうち約1900万人が電力を十分に使えない状況に置かれている。 北朝鮮第2の都市、清津市に住むRFAの情報筋は「ここ清津市では日が暮れると、街全体が完全に暗闇の世界になります。昨年まで幹線道路沿いの企業の看板が照らされたが、今年はすべて消えています。街はゴーストタウンのようになっているが、市中心部の浦項広場の巨大な銅像には煌々と照明がついています」と語っている。 中国との国境に接している新義州市の住民は「新しい高級マンションでも、年間365日の電力供給を保証するために各家庭から700米ドルを支払わなければなりません。それでも、電気は特定の時間にのみ利用できないのですが、金日成と金正日の像だけが24時間明るく照らされているのです」と憤っている。 また、新義州市の他の住民は「電気が不足しているため、食品加工場が稼働できず、住民は常に食糧不足の状態です。餓死者も出ています。そのようなときに、24時間貴重な電気を使って、明るく照らし出されている2人の銅像を見ることは苦痛以外の何物でもありません」とRFAに語っている。
2021.02.13 07:00
NEWSポストセブン
不時着のシーンは現実では
『愛の不時着』の北朝鮮描写 実際はどうなのか専門家に聞く
 Netflixで配信されるや大人気となっている韓国ドラマ『愛の不時着』。配信開始からすでに7か月が経っているが、リピーターも含めて、その人気が衰えない。 北朝鮮に不時着した韓国令嬢のユン・セリ(ソン・イェジン)と、彼女を救った北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)との恋を描く同作品。当然ながら、知られざる北朝鮮の実態が描かれることも多い。 そこで、作品に登場した北朝鮮に関する描写について、北朝鮮事情に詳しい慶應義塾大学准教授の磯崎敦仁さんに、教えてもらった。村人みんなで体操『愛の不時着』を見ていると、「北朝鮮ってホントにそうなの?」と気になる場面がいくつもある。例えば、北朝鮮に不時着したセリが初めて目撃した村人たちは、韓国では見たことがない体操をしていた。あの体操は、実際に北朝鮮では広く行われているという。「『律動体操』というもので、1990年代に金正恩国務委員会委員長の父親である金正日総書記(当時)の指示で開始されました。子供向け、大衆向けなどいくつかのバージョンがあります。ラジオ体操のようなもので、職場や地域ごとに行うように奨励されています」(磯崎さん・以下同)抜き打ち検査はある! ジョンヒョクの自宅に匿われていたセリだが、ジョンヒョクと敵対する上官チョ・チョルガンの指示による夜中の「宿泊検閲」で見つかってしまう(2話)。こうした“抜き打ち検査”は本当にあるのか。「実際に行われています。韓国製品の所有にターゲットを絞ったものではなく、例えば、すべての家に掲げられている金日成主席・金正日国防委員長の肖像がほこりをかぶっていないかなども重視されます。ドラマで描かれたのは韓国との軍事境界線付近にある開城という地域なので、抜き打ち検査はほかの地域よりも重点的に行われているのでは。ドラマでは最高指導者の肖像画を出さないなど、相当気を使っている様子がうかがえました」冷蔵庫は国家の夢 冷蔵庫を「物入れ代わり」に使っているのも、充分にあり得るという。「北朝鮮では慢性的な電力不足に悩まされていて、特に地方では冷蔵庫は使い物になりません。あれは実際の暮らしに近い描写です」一家に一台製麺機 1話では、ジョンヒョクが手慣れた様子でトウモロコシの粉を使って麺を打ち、セリにふるまう場面がある。「米が不足しているので、トウモロコシなどの雑穀が食べられています。実際に、麺にすることも多いと聞いています」焼きはまぐりは平壌名物 ただし、磯崎さんが首を傾げるのは、セリとも別れが近づいた第5中隊のメンバーが、庭で地面に置いたはまぐりにガソリンをかけて焼き、宴会をするシーンだ(4話)。「脱北者の証言でも、一般的な家庭で食べているという話はほとんど聞いたことがありません。はまぐりのガソリン焼きは外国人が北朝鮮に行ったときに食べるものとしては定番で、北朝鮮の観光資源になっている。見た目も豪快で面白いですしね。平壌郊外の南浦名物とされています」韓流ファンは少ない セリが入院先の病院で、北朝鮮の少女から「BTSの推しは誰?」と尋ねられるシーン(7話)もある。さすが世界で活躍するアイドル・BTS(防弾少年団)だけあって、北朝鮮でも存在が知られているのだろうか?「それは実情より誇張されているでしょうね。韓国の映画や音楽に触れる人がいることは、北朝鮮当局が『帝国主義者の思想・文化的浸透策動』などという言葉で警戒していることからも明らかです。 しかし、北朝鮮の多くの人が韓国の文化に触れているかといえば、それも違う。脱北者の中には韓国ドラマなどに感化されたと証言する人もいますが、脱北者の数は北朝鮮の総人口からすれば年ごとに2万~3万人に1人。北朝鮮社会の全体像を描いているとはいえません」 少なくとも、病院の中でBTSの話題がのぼる確率はかなり低そうだ。 知れば知るほど見たくなる『愛の不時着』。“不時着沼”からは当分、脱出できそうにない?※女性セブン2020年10月15日号
2020.10.07 11:00
女性セブン
北朝鮮の女帝・金与正氏 夫は? 学歴は? 後継者なのか?
北朝鮮の女帝・金与正氏 夫は? 学歴は? 後継者なのか?
 端正な顔立ちに似合わぬ言葉の激烈さで各国の度肝を抜く北朝鮮の女帝・金与正氏。いったい彼女は何者なのか。新著『金正恩の機密ファイル』(小学館新書)が話題を呼ぶ東京新聞編集委員の城内康伸氏がそのベールを暴く。(敬称略) * * * 2年前の和解・交流ムードがウソだったかのように、北朝鮮が最近、韓国への敵対姿勢をエスカレートさせている。その急先鋒に立つのが、金正恩朝鮮労働党委員長を補佐する実妹の金与正党第1副部長だ。南北融和の象徴だった北朝鮮南西部・開城にある共同連絡事務所の爆破(6月16日)を予告し、文在寅政権を罵倒するなど、「強面の女」としてにわかに存在感を増している。 与正は兄の正恩と同じく、金正日総書記と在日朝鮮人帰国者の高ヨンヒとの間に生まれた。米政府が2017年に人権侵害に関与したとして制裁対象に指定した際に作成したリストによれば、生年月日は1989年9月26日。ただ、韓国統一部は1988年生まれとしている。いずれにせよ、30歳を過ぎたばかりだ。 北朝鮮事情に詳しい消息筋によると既婚のようだ。しかし、韓国メディアがかつて報じた、「夫は正恩の側近である崔竜海最高人民会議常任委員長の次男」という説は誤りらしい。「部隊長クラスの軍人」という未確認情報もある。 与正は父親の寵愛を受けたという。脱北した元北朝鮮高官は「公主班というのがあり、与正の世話を焼いていた」と振り返る。金王朝のプリンセスとして、何不足なく育ったに違いない。1996年から2000年末ごろまでは、正恩と一緒にスイス・ベルンに留学した。 北朝鮮メディアに最初に姿を現わしたのは金正日が2011年12月に死亡した直後のこと。葬儀で正恩の後ろに喪服を着て立っている写真が公開された。翌2012年11月には、正恩、叔母の金慶喜と白馬に乗った写真を朝鮮中央テレビが放映。王朝の一員であることを内外に印象づけたが、いずれも名前は明らかにされなかった。  実名が初めて登場したのは2014年3月。国会にあたる最高人民会議代議員選挙で「党中央委員会責任幹部」の肩書きで登場。同年11月には党副部長の職位で、2018年2月には「党第1副部長」と報じられ、権力中枢の階段を着実に上っていく。 正恩が2018年に入って首脳外交を活発化させると、シンガポール、北京、ハノイに同行。儀典から実務まで取り仕切り、甲斐甲斐しく立ち回る様子がテレビに映し出された。 先の北朝鮮消息筋は「判断力が優れていると聞く。実の兄妹とあって正恩の信頼は格別に厚く、分身のような存在だ」と評する。 2018年2月には平昌冬季五輪開会式に出席するために訪韓し、文在寅大統領らと会談した。「微笑み外交」と国際社会の注目を浴び、韓国では一気に、好感度をアップさせた。◆正恩ジュニアの摂政 それが最近、文在寅政権を批判する談話を自らの名で相次いで発表した。脱北者を「クズ」呼ばわり。北朝鮮に対話を呼び掛けた文在寅について「むかつく」「鉄面皮」と言い放つ。ソフトイメージから驚くほどの豹変を遂げた。 北朝鮮は共同事務所の爆破について、韓国の脱北者団体が5月に正恩を冒涜するビラを散布したことへの報復だと説く。しかし、ビラ散布は今に始まったことではなく、専門家の多くは「口実に過ぎない」と口を揃える。 南北首脳は2018年9月の平壌会談で、中断している開城工業団地と金剛山観光事業の再開で合意した。両事業は北朝鮮にとって貴重な外貨獲得手段となるはずだったが、合意は具体化しておらず、文在寅政権に対する北朝鮮の不満は大きい。 「韓国に対する厳しい姿勢は、韓国が約束を守らないからだ」とは、北朝鮮消息筋の解説だ。北朝鮮が「口先番長」の文在寅に業を煮やしたというのだ。 なぜ、強硬姿勢の先頭に与正が立つのか。彼女のイメージチェンジは、対韓国政策の劇的な転換を内外に強く印象づけるからだ。韓国にとっての衝撃は、いっそう大きい。南北関係の改善を最大の政治目標に据える文政権に対して、揺さぶり効果は絶大だ。「何よりも重要なのは、与正が事実上のナンバー2としての地位を固めるための実績づくりだろう」 韓国政府当局者はこのように読み解く。 ベトナム・ハノイで昨年2月に行なわれた正恩とトランプ米大統領による2度目の首脳会談は事実上、決裂した。間もなく、与正は党重要ポストの政治局員候補から外れた。会談失敗の責任の一部を負う辞任だったようだが、今年4月には復活している。 米朝交渉失敗には軍部など強硬派の批判が強いとされる。汚名を返上して国内強硬派の支持を確実にするには、挑発的な対韓国政策を指揮するのが最善の策と判断した面があるに違いない。 正恩の健康不安説と相まって、与正の急浮上については、「後継者」説も一部に指摘される。しかし、韓国政府当局者は「垂簾聴政を念頭に置いている」と推し量る。 垂簾聴政とは、皇帝が幼い時など直接政治が行なえない場合に、権力を握る女性が摂政政治を行なうことをいう。朝鮮王朝の歴史ではたびたび見られた現象だ。 正恩には男児がいるが、10歳前後とまだ幼い。正恩が近い将来に死亡したり、執務不能になったりした場合、与正が代行役として政を行なう。これこそ、正恩が描く危機管理のシナリオだという。【PROFILE】●城内康伸(しろうち・やすのぶ)/1962年、京都市生まれ。東京新聞(中日新聞)編集委員。ソウル支局長、北京特派員などを歴任し、海外勤務は計14年に及ぶ。著書『昭和二十五年 最後の戦死者』(第20回小学館ノンフィクション大賞優秀賞)など。最新刊は『金正恩の機密ファイル』(小学館新書)。※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.01 16:00
週刊ポスト
微笑みを駆使する北朝鮮の金与正氏(写真/YONHAP NEWS_aflo)
「ほほえみ外交」やめ南北融和の象徴爆破した金与正の変化
 韓国からのビラ散布に北朝鮮が実力行使するなど、非難の応酬がエスカレートするなか、北朝鮮では一人の女性が存在感を示し始めている。 北朝鮮の開城工業団地内にあった南北共同連絡事務所が6月16日に爆破された。この南北融和の象徴の爆破を指示したのが金正恩委員長の実妹で、党第一副部長の金与正氏だ。 謎が多い彼女がいちばん最初にメディアに登場したのは2011年に金正日総書記が亡くなったとき。特に話題になったのは2018年の平昌五輪で、開会式では柔らかな笑顔を見せ、韓国では「なんと美しい」と評判に。特使として「ほほえみ外交」で文在寅大統領と穏やかに交流していたイメージだった。 そんな彼女から最近は笑顔も消え、罵詈雑言で韓国を罵り、敵意をむき出しにしている。「ほほえみの女神」から「冷血の“女帝”」へと変貌した彼女は、次に何を仕掛けるのか。※女性セブン2020年7月9日号
2020.07.01 16:00
女性セブン
すでに実験を握ったか(AFP=時事)
金与正氏 連絡事務所爆破は“軍事衝突も厭わない”という意思か
 朝鮮半島に再びきな臭さが漂い始めた。16日、北朝鮮が開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所を爆破。発端は韓国の脱北者団体が金正恩・朝鮮労働党委員長を批判するビラを北に散布したことだった。 これに対し、妹の金与正・党第1副部長は韓国政府を激しく非難。「遠からず(南北)連絡事務所が跡形もなく崩れる光景を目にするだろう」と声明を出し、3日後に爆破を実行したのだ。 韓国・漢陽女子大学助教授の平井敏晴氏は「これまでの軍事境界線付近での小競り合いの類とは異質」だと指摘する。「今回の事件は南北融和政策を進める韓国・文在寅政権との決別宣言であり、大統領選が近づく米国への揺さぶりでもあります。死者は出なかったが、国際社会に大きなインパクトを与えた。いざとなれば“軍事衝突も厭わない”という北の意思が窺えます」 過去にも、北の工作員が韓国に侵入、朴正煕・大統領の暗殺を狙った「青瓦台(大統領府)襲撃未遂事件」(1968年)、ソウル五輪阻止を狙った「大韓航空機爆破事件」(1987年)などがある。近年は、「延坪島砲撃事件」(2010年)で、韓国軍、民間人に多数の犠牲者が出た。前出・平井氏が続ける。「金正日政権末期に発生した延坪島砲撃事件は、現トップの正恩氏が指揮を執ったが、今回は妹の与正氏が前面に出てきた。事件後、正恩氏の声明がないのも不可解。北の実権はすでに与正氏が掌握したとの見方が強まる」 平井氏は「時計の針は2018年の南北首脳会談以前に巻き戻された」とする。「与正氏が軍の求心力を得るため、さらに過激な挑発に踏み切る可能性がある。正恩氏が核実験やミサイル実験を繰り返し、米国と一触即発の状況に陥った“2017年朝鮮危機”に酷似した状況と言えるでしょう」※週刊ポスト2020年7月3日号
2020.06.20 16:00
週刊ポスト
拉致被害者と共に歩んだが…(時事通信フォト)
横田滋さん死去 むなしいばかりの「拉致の安倍」語録
「拉致の安倍」として政治家の階段を上った安倍晋三・首相にとって、横田滋さんは拉致被害者の奪還を求めてともに北朝鮮と対峙した“戦友”だった。 その滋さんが6月5日に87歳で亡くなると、首相は記者会見を開いてその死を悼んだ。「滋さんが早紀江さんと共に、その手でめぐみさんを抱きしめることができる日が来るようにという思いで今日まで全力を尽くしてまいりましたが、そのことを総理大臣としても、未だに実現できなかったこと、断腸の思いであります」 それに対して「(日朝交渉は)結果的に何も進まなかった」との批判があがると、滋さんの息子たちが会見で「安倍首相は動いてくださっている。何もやっていない方が政権批判するのは卑怯だ」と述べた。 本誌・週刊ポストがしたいのは批判ではない。安倍首相が8年間の長期政権の中で拉致問題にどう取り組み、何を発言してきたかの検証である。◆「全面解決に向けた第一歩」 安倍首相は2012年に政権に返り咲くとすぐに横田夫妻ら家族会メンバーを官邸に招き、こう約束した。「5人帰還の時、帰ってこられなかった被害者の家族の皆さんは涙を流していた。それを見て全員取り戻すことが私の使命と決意した。しかし、10年経ってもそれは達成されておらず申し訳ない。再び総理を拝命し、必ず安倍内閣で完全解決の決意で進んでいきたい」(同年12月28日) そして翌2013年1月の所信表明演説で、「何よりも、拉致問題の解決です。すべての拉致被害者のご家族がご自身の手で肉親を抱きしめる日が訪れるまで私の使命は終わりません」と宣言した。 2014年5月の日朝ストックホルム合意で北朝鮮が「特別調査委員会」を設置し、拉致被害者ら“日本人行方不明者”の調査を行なうことを決めると、首相は経済制裁の一部を解除し、「全面解決に向けた第一歩になると期待している」と期待をもたせた。 しかし、調査は実施されないまま合意は立ち消えになる。首相は再び、「必要なのは対話ではない。圧力だ」(2017年9月20日)と姿勢を転換し、北がミサイル実験を繰り返して膠着状態に陥った。 次に動いたのは2019年だ。トランプ大統領が2度の米朝首脳会談を開くと、安倍首相は北との“橋渡し”を依頼。「私が金正恩委員長と条件をつけずに話し合わなければならない。あらゆるチャンスを逃さない決意でこの問題の解決に当たる」(同年5月6日) そのたびに首相は横田夫妻ら家族会を官邸に招いて「拉致の安倍」をアピールしてきた。◆「なかなか難しい」 元家族会副代表の蓮池透氏が語る。「安倍さんはあらゆるチャンスを見逃さずに拉致被害者の奪還に向けた行動をとってきたのか。実際は『対話より圧力』という強硬姿勢でチャンスを見過ごしてきたといえる。私が知る限りでも、北との交渉チャンネルはいくつもありましたが、安倍総理は二元外交だからだめだと却下してきた。 しかし、米朝首脳会談で対話路線に転換しました。それで家族会をトランプに会わせたのです。横田早紀江さんはブッシュ、オバマ、トランプと3人の大統領に会っているんですよ。家族会は安倍総理の政治の道具に随分使われている」 第一次安倍政権時代に初めて置かれた拉致担当大臣はこれまで18人、第二次安倍政権になってからも現在の菅官房長官(兼務)で4人目だ。「官房長官としてあれだけ忙しい菅さんに担当させるなんて、拉致問題だけに取り組む余裕はないですよね。この人事を見ても総理が本気でないことがうかがえる」(蓮池氏) コロナ感染さなかの今年3月16日、安倍首相は国会で拉致問題の解決について弱音をのぞかせた。「帰国を果たした被害者以外の方々は死亡していると、北朝鮮は金正日総書記のときに述べている。この判断は違うと北朝鮮側が認めなければならない。そういう意味ではなかなか難しいハードルではある」 拉致交渉再開の前提となる18年前の「他の被害者は死亡」説を変えることもまだできていない。「安倍さんは総理に返り咲いてから、われわれ拉致議連の会合に一度も出てくれたことがない」 拉致議連幹部の嘆きが、「拉致の安倍」の行き詰まりを物語っている。※週刊ポスト2020年6月26日号
2020.06.12 16:00
週刊ポスト
金正恩氏(左)と有力後継者の金与正氏(EPA=時事通信フォト)
北朝鮮は国家レベルの危機 クーデターが起きないのはなぜか
 金正恩・朝鮮労働党委員長につきまとう健康不安説、そして新型コロナウイルスが国内で蔓延しているとみられる北朝鮮。こうした国難ともいえる緊急事態は過去に幾度もあったが、独裁国家につきもののクーデターが起きないのはなぜか。ジャーナリストの宮田敦司氏がレポートする。 * * * 金正恩氏の動静報道が長期間ないことで浮上した「重篤説」は、5月1日に映像つきの動静報道が再開されたことで、ひとまず終息した。しかし、体重130kgの正恩氏が、多くの生活習慣病を抱えていることは間違いない。重篤にはならなくとも、健康不安は常につきまとう。 このような良好とはいえない健康状態の影響で、正恩氏が執務不能になることが予測されていたかのように、正恩氏の妹である金与正氏がメディアに登場することが増えてきた。ただ単に妹として露出しているのではなく、労働党の要職へ就任するなど実力を伴った露出である。 正恩氏の父・金正日は、正恩氏とともに与正氏も後継者候補としていたともいわれている。このため、正恩氏の身に緊急事態が起きた場合は、与正氏が代行を務める可能性が高い。場合によっては後継者ということもあり得る。◆世界でも特異な「独裁国家」 たとえ一時的な代行者であれ、独裁国家の最高指導者が最も恐れるのは、実力組織である軍が自らに銃口を向けることである。北朝鮮の最高指導者の脳裏には、ルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスクが自らの軍隊により銃殺刑に処せられた場面が焼きついていることだろう。 チャウシェスクと正恩氏の祖父・金日成は親交があり、金日成の統治手法に感銘を受けたチャウシェスクが、金日成の統治手法を真似していたのだから、なおさらだろう。チャウシェスク政権は1960年代から1980年代にかけての24年間にわたり存続したわけだが、70年以上存続している北朝鮮とは比較にならない。 北朝鮮は世界的に見ても特異な独裁国家である。3代(金日成・金正日・金正恩)にわたって最高権力を世襲しているからだ。世襲を行った独裁国家はシリアのアサド政権などの例があるが、軍を完全に掌握し、3代世襲に成功したのは北朝鮮だけである。◆「政権は銃口から生まれる」 毛沢東は「政権は銃口から生まれる」と述べたが、北朝鮮軍(朝鮮人民軍)の特異なところは、毛沢東の言葉どおりに1948年9月9日の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)建国よりも前である同年2月8日に創設されていることである。 このような特異な軍隊である北朝鮮軍を、金ファミリーはいかなる方法で70年以上にもわたり忠誠を誓わせてきたのだろうか。◆小規模クーデターは過去にあったが…… 例えば、現在、北朝鮮でも蔓延していると思われる新型コロナウイルス。北朝鮮は感染者の数などを一切公表していないが、首都平壌以外の病院では、点滴用のバッグをビール瓶で代用し、メスの代わりにカミソリを使用するような深刻な医療水準にあることから、治療されないまま放置された多くの患者が死亡していることは想像に難くない。 このような医療水準になってしまったのは、正恩氏の祖父の代からの失政によるものだ。医療分野だけでなく様々な分野の政策が失敗し、常に非常事態にある北朝鮮で、ダメ押しのように発生したのが今回のコロナウイルスの蔓延である。 こうした国家レベルの危機は過去に何度もあったのだが、諸悪の根源である最高指導者を打倒するために、なぜ軍がクーデターを起こさないのかと思われるだろう。じつは、小規模なクーデターや暴動は何度か起きてはいるのだが、未遂に終わるか、迅速に鎮圧されている。 結論から言えば、北朝鮮軍ではクーデターは成功しない。と言うより、「起こせない」と言ったほうがより正確だろう。これは、旧ソ連軍が最後まで政治に介入しなかった(介入できなかった)ことと共通している。 このような北朝鮮軍が置かれている状況についての理解を深めるためにも、本稿では旧ソ連軍と政治の関係について触れることにしたい。北朝鮮軍は旧ソ連軍を真似て作られているからだ。◆軍は党に従順な「ヒツジ」 1918年の赤軍創設以来のソ連軍史は北朝鮮と同様に、軍に対する粛清、共産党の監視・抑圧装置強化の過程でもあった。軍史研究家ビクトル・ゾトフ氏は、「その結果、国外に対しては威圧的な大グマだが、党にはヒツジのように従順で、自分の意思を持たない巨大集団が育てられた」と指摘する。 旧ソ連に政治危機の兆しが見えるたび、西側では軍が主導権奪取へと動く危険が幾度も論じられた。だが、共産党自体の断末魔によって引き起こされ、自滅した党保守派クーデター(1991年8月)を除けば、軍が動いた例はない。 10月革命の時点で、ボリシェビキ(レーニンを指導者とするロシア社会民主党左派)は武装労働者から成る「赤衛軍」2万人に加え、政治煽動を通じて臨時政府側の陸海軍兵士21万人を自陣営に引き込み、革命を支えた。続いて、軍事人民委員(国防相)のトロツキーは、旧帝政軍を主体とする「白衛軍」や外国干渉軍との国内戦を戦う必要上、旧帝政軍将校2万2000人を赤軍に編入した。◆軍内を監視する「政治将校」を配置 同時に、これら将校の反革命言動を監視するため党活動家(イルクン)の「軍事委員」を配置する措置が決まり、ソ連崩壊まで存続する政治将校制度の基盤が築かれた。 さらに、1917年末に発足した秘密警察「反革命・サボタージュ・投機行為取締非常委員会」は、赤軍内に監視網を設置。これは「特務部」網として、後の国家保安委員会(KGB)まで引き継がれた。 米ハーバード大のマーク・クレイマー博士は、「他の国でも防諜担当官が軍部隊に配置されるものの、ソ連軍の場合、秘密警官が一般将兵を装って潜入し、粛清の口実を探すなど極端な形態を生んだ」と指摘する。◆軍の隅々まで「秘密警察」を配置 また、KGB要員は軍の中隊レベルにまで配属されており(北朝鮮の秘密警察である国家保衛省要員も中隊レベルまで配属されている)、固有の指揮系統を通じ上部へ報告する。些細なイデオロギー的逸脱も許されない綿密な監視・摘発体制が保持されていた。 軍史に詳しいアンドレイ・リャボフ氏(ゴルバチョフ財団)は、「ソ連史を通じて、軍は共産党の抑圧政治を支える基盤であると同時に、自らボリシェビキ革命、スターリン主義の暴虐の被害者であった。軍は、党の圧政下での生存を運命づけられ、決して自ら権力を握る存在ではなかった。事あるごとにソ連の軍事クーデター発生を心配した西側は、連邦崩壊までその真理を理解しなかった」 と強調する。◆軍に対する“四重”の監視 旧ソ連軍が政治将校とKGBの二重監視だったのに対し、北朝鮮軍では総政治局に所属する政治将校、秘密警察である国家保衛省、軍の情報機関である保衛局(旧・保衛司令部)、さらに労働党組織指導部直属の通報員による四重の監視体制が敷かれている。このため、1995年以降、3回にわたりクーデターを起こそうとしたが、すべて未遂で終わっている。 韓国に亡命した元北朝鮮軍上佐(大佐と中佐の中間の階級)の崔主活(チェ・ジュファル)氏によると、総政治局は軍幹部が党の指示に忠実であるかを常に調べ、労働党組織指導部に報告するという。将校は全国に約30ある軍専門学校を卒業した労働党員である。 その中でも将軍まで上りつめる軍人は、抗日闘争や朝鮮戦争の功労者の子孫が通う「万景台革命学院」の卒業者が多く、金日成、金正日父子の教えに極めて忠実だという。また師団の移動には、兵力を束ねる総参謀長だけでなく、軍総政治局、軍政治保衛局の認可が必要で、崔主活氏は「師団を動かしてクーデターを起こすのは極めて難しい」と予測する。 北朝鮮には「自分の背中も他人」という言葉があるという。つまり、あまりの監視体制の厳しさに絶対に他人を信用できないだけでなく、寝言で体制批判をしただけでも強制収容所送りになるわけだから、自分すら信用できなくなる、ということである。◆“末期状態”になるまでクーデター不可能 北朝鮮軍がクーデターを起こすとすれば、秘密警察や治安機関、金正恩の親衛隊ともいえる護衛司令部が同時に寝返るなど、体制維持システムが末期状態を呈した時であろう。つまり、余程の条件が整わない限り、クーデターは起こせないようになっているのだ。 旧ソ連軍について、「国外に対しては威圧的な大グマだが、党にはヒツジのように従順で、自分の意思を持たない巨大集団が育てられた」というビクトル・ゾトフ氏の指摘は、北朝鮮軍にも当てはまるのではないか。 北朝鮮軍はクーデターを起こさない。そして、独裁政権に従順な守護神としてこのまま存続する。厳格な監視体制が機能していることにより、国家レベルの危機に直面しても独裁政権の脅威にはならない北朝鮮軍だが、周辺国に対する脅威は、北朝鮮が民主化され、軍が解体されるまで続くのである。
2020.05.15 07:00
NEWSポストセブン
キム・ハンソル氏にも注目が集まる(YouTube/YONHAP NEWS/AFLO)
金正男氏長男・ハンソル氏、北朝鮮の不測の事態キーマンに?
 にわかに朝鮮半島に不穏な空気が漂い始めた。金正恩重篤情報──いま北に不測の事態が起きれば、米中韓を巻き込む外交的混乱は避けられない。この重大局面の“真のキーマン”とは──。 正恩氏の身に“万が一”が生じた時、後継者や政治体制はどうなるのか。ジャーナリスト・五味洋治氏はこう見る。「後継者の最有力候補は妹の金与正です。今年に入って、金正恩が“軍事以外の外交や内政は与正に任せる”と発言し、実質的な後継者指名をしたとの噂がまことしやかに流れています。 問題は、実際に与正が後継者となった時、軍の支持を得られるかどうか。経済制裁により中朝貿易が7割減となるなど、経済は相当に疲弊している。軍や民衆がもう我慢ならんと反旗を翻す可能性があります」 そうなれば国内に大混乱が生じ、無政府状態に陥るのは必至だ。そこで事態収拾のキーマンとして登場する可能性が囁かれるのが、故・金正日総書記の孫であり、2017年にマレーシアの空港ロビーで殺害された金正男氏の長男・金ハンソル氏である。 ハンソル氏は父が殺害された直後、YouTubeを通じて「私の名前は金ハンソル、北朝鮮の金一族の一員だ」と呼びかけたことで注目を集めた。当時住んでいたマカオからの脱出を助けたのは、北朝鮮反体制派の「自由朝鮮」メンバーとされる。同団体は昨年2月、スペインの北朝鮮大使館襲撃事件を起こしたことでも知られる。 ハンソル氏の父・正男氏を独占取材し、著書『父・金正日と私』にまとめた五味氏が言う。「ハンソルの現在の消息は不明ですが、父・正男を襲った北朝鮮の刺客から身を守れるセキュリティの高い国、つまり中国か米国に匿われているはずです」 五味氏は、ハンソル氏が“大混乱を治める金一族の後継者”という役割を担う可能性は高い、と指摘する。そして米中どちらの保護下にあるかによって、2つのシナリオが描けるというのだ。「中国に守られているとしたら、習近平・国家主席がハンソルを平壌に送り出し傀儡政権のトップに据えて北朝鮮の安定化を図ろうとするでしょう。それには米国も異議を唱えにくい。 米国にいる場合も同様です。米国はハンソルを金一族の正統な後継者に祭り上げて支援し、北朝鮮民主化の切り札として使うという思惑を持つはずです。ただ、その場合は中国が黙っていないでしょう」(同前) これまで貿易問題など事あるごとに対立してきた米中の争いが、“北の4代目”をめぐり、さらに激化する可能性があるということだ。※週刊ポスト2020年5月8・15日号
2020.04.28 16:00
週刊ポスト
2020年のキーマンはこの人?(AFP=時事)
安倍首相の訪朝、賛成か反対か 蓮池透氏と島田洋一氏の意見
 2020年の日本には国論を二分する論争があるが、その一つが安倍首相の訪朝に「賛成」か「反対」か?──というものだ。ここでは「賛成」「反対」の立場の2人の識者の意見を紹介しよう。【賛成】●蓮池透氏(「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」元副代表) 首相の訪朝は急がねばなりません。トランプ大統領がいつ北朝鮮に興味を失うか、金正恩が敵対的な姿勢に戻るか分からない。 ただし、2つの条件があります。1つめは、生存情報を示した上での交渉です。内閣官房の拉致問題対策本部の予算を見ると、安否情報及びその関連情報の収集・分析等の名目で2013~2018年度の合計で52億3400万円計上されています。それほど予算を使って安否情報を集めていたのだから、当然日本政府は拉致被害者の生存情報を持っているはず。 もう一つは、そもそも金正日は戦後賠償が欲しくて(2002年に)小泉訪朝を認めたのでしょうから、今回も賠償メニューを用意しなければならない。 これらを満たしたうえであれば、安倍首相には早期の訪朝でトップ会談を実現させてほしいものです。【反対】●島田洋一氏(「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」副会長) 安倍首相はトランプ大統領に拉致問題解決を金正恩に伝えるよう要請し、トランプは拉致被害者家族に「いつも頭の中にある」「帰国させるように努力したい」とまで述べました。が、訪朝が実現したのに拉致問題は何ら進展していない。 北朝鮮は強かな国ですから日本の首相が訪問すれば、その事実を日米分断のイメージ工作に使うでしょう。 日本が北朝鮮に融和的なスタンスを見せれば、北朝鮮と関係のある国にも影響が及びます。核実験やミサイル発射などを理由に国連が制裁決議していますが、北朝鮮に物資を提供している友好的な国からすると、北朝鮮との関係をもう少し緩めてもいいだろうとなる。せっかくの制裁を日本が壊す形となります。 安倍首相が金正恩に単に会いに行くだけでは全く意味がありません。※週刊ポスト2020年1月17・24日号
2020.01.11 07:00
週刊ポスト
【動画】北朝鮮で氷点下の中、集団ダンス 寒すぎて無表情に
【動画】北朝鮮で氷点下の中、集団ダンス 寒すぎて無表情に
 寒いのか、無表情でダンスを踊る北朝鮮の人たち。大勢の人が、輪になって踊っている。12月24日、北朝鮮・平壌の党創立記念塔の前で、故・金日成国家主席の妻、故・金正淑氏の誕生102周年を祝う集団ダンスが行われた。 金正淑氏は1917年生まれ。1940年に金日成国家主席と結婚し、翌1941年に金正日総書記を出産したとされる。1949年、32歳で死去した。ダンスの様子をよく見ると、男性は皆、赤いネクタイをしている。厚手のコートを着込んで、いかにも寒そうだ。当日の平壌の気温は昼もマイナス2.8℃だった。 
2019.12.29 07:00
NEWSポストセブン
【動画】整然と、しかし異様な「金正日総書記・没後8年の献花」
【動画】整然と、しかし異様な「金正日総書記・没後8年の献花」
 12月17日、北朝鮮の平壌。金正日総書記の死去から8年が経ったこの日、軍人や市民らによる献花が行われた。市中心部にある万寿台の丘には金正日総書記と金日成主席の銅像があり、多くの市民らが花を持って詰めかけた。列を作って、整然と歩く市民たち。 献花台まで歩いてきて花を置くと、すぐに踵を返して去っていく様子が印象的だ。雨の中、献花は夜まで続いた。 長距離弾道ミサイルの開発を急ピッチで進める北朝鮮。朝鮮労働党機関紙の労働新聞はこの日、アメリカ主導の制裁を念頭にして「敵対勢力の策動が強まっている」と指摘。今後の動向が注目される。 
2019.12.20 07:00
NEWSポストセブン
【関川夏央氏書評】亡命した高級外交官が見た北朝鮮の真実
【関川夏央氏書評】亡命した高級外交官が見た北朝鮮の真実
【書評】『三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録』/太永浩・著 鐸木昌之・監訳 李柳真・黒河星子・訳/文藝春秋/2200円+税【評者】関川夏央(作家) 二〇一六年に任地ロンドンで脱北した北朝鮮の高級外交官、太永浩(テ・ヨンホ)の手記。長い。四百字詰め原稿用紙で千枚強。題名に「秘録」「暗号」とあるが、「現政権温存」以外に目的のない北朝鮮だから、たいした「秘密」はない。ただ粛清と処刑が横行するばかりだ。それも、思いつきの政策着手の、ほとんど「景気づけ」のためだというからたまらない。 北朝鮮の役人はすべてを上に報告する。外務省だけで一日千ページ分にもなる。それを「首領」が全部読むわけにはいかないので「三階書記室」でえり分ける。結果、情報の集中するところに権力が生じる。一方、各機関の横の連絡は禁じられているから、北朝鮮政府は北朝鮮を知らないのである。 著者は一九六二年生まれ、中学生で北京に留学して英語を学んだが、文革終了直後の北京の自由な風には吹かれなかった。帰国して外交官養成大学を卒業、北京外大に留学した。英語を学ぶのも中国で、というところが悲喜劇だ。 二十六歳で外務省入り、デンマーク駐在書記官だったとき、北朝鮮の飢えた幼児たちの写真が世界に流布した。デンマーク企業が、イランへの経済制裁で宙に浮いた大量のチーズを「飢えた子ら」に、と寄付した。金正日はそれを、自身の「誕生日プレゼント」として軍隊に贈り、著者には「金日成尊名時計」を与えた。悪質な詐欺だ。 金日成は南を「解放」する戦争準備に熱中し、金正日は拉致を含めたテロに専心した。金正恩は核武装と処刑・暗殺で自己主張する。三代を通じて経済政策と呼べるものはなく、一九九〇年代後半に「国家」としては破綻したから、現在は「重武装の団体」にすぎない。 このような北の異常と惨状にあっても「革命」を志向しない住民の無気力さそのものが「コリア文化」の産物なのだとすれば、本質的な意味でコワい。金正恩に秋波を送る韓国大統領にもとめられるのは「民族主義」ではない。「自文化の客観」と「歴史観の修正」であろう。※週刊ポスト2019年9月20・27日号三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録
2019.09.18 07:00
週刊ポスト
藤本氏は無事が確認された(時事通信フォト)
金正日料理人・藤本氏 行方不明説の中「安倍批判」していた
〈すばらしい刺身だった〉──7月23日、コリン・クルックス駐北朝鮮英国大使のツイートを受けて、日本の政府関係者に衝撃が走ったという。平壌市内の和食店で大使とともに映っている人物は、故・金正日総書記の専属料理人である藤本健二氏。「藤本氏は6月から行方不明とされており、CIAに情報提供した疑いで当局に身柄拘束されている可能性も指摘されていました。朝日新聞(7月5日)も拘束の可能性について報じており、日本政府も情報収集に動いていたので、大使のツイッターで図らずも安全が確認されたというわけです」(内閣情報調査室関係者) 藤本氏は2017年から平壌市内の百貨店ビル内で日本料理店『たかはし』をオープンしていたが、最近は店を閉めていることも多く、これが行方不明説や拘束説に繋がった可能性があるという。 5月下旬に店で藤本氏に会ったという、北朝鮮を取材しているジャーナリストが語る。「当時から平壌では行方不明説が流れていましたが、ある市民を通じて会うことができました。その日はお店にいましたが、『最近は体調が悪くて、めったに店は開けないんだ』と話していました。『拉致被害者を帰して欲しかったら経済制裁を今すぐやめろ』とか、『在日朝鮮人への差別をやめろ』とか、安倍政権の批判を延々としていましたね。近く日本に帰国するとも言っていました。高級外車や豪邸を与えられているそうで、金正恩からも特別待遇を受けているように感じました」 食材を買いつけに日本に帰国することもあるようで、「今度帰ったときは日本のメディアに出たい。安倍晋三には言いたいことが山ほどある」と、話していたという。また、北朝鮮に定期的に行き来している別のジャーナリストは、6月中旬に藤本氏に会ったという人物から話を聞いたと証言する。「藤本氏のお店で面会できたようです。ほとんど人に会わず、連絡も取らない生活をしているようで、それが行方不明説を呼んだだけだったらしい」※週刊ポスト2019年8月9日号
2019.07.29 07:00
週刊ポスト

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