国内

企業がFacebook利用して就活 流行の「ソー活」はとても滑稽だ

ソーシャルメディアを活用した就活「ソー活」が人気だ。とはいえ「痛い」Facebookもあったりして…。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が「ソー活」論を展開する。

* * *
最近、就活・採用の世界で注目されているのは、ソーシャルメディア、特にFacebookの活用です。ソーシャルメディア就活と双方向の就活という意味をかけて「ソー活」なる言葉も生まれました。

Facebookの採用活動への活用が注目を集めているのは、「個人と企業内個人がつながり双方向のコミュニケーションが可能」「いいね!で情報が拡散する」「海外では企業も求職者もこれを活用するのが当たり前」などもっともらしい理由が語られるわけですが、企業側のホンネで言うならば実にシンプルで、

【1】(今のところ)利用している学生が優秀層だから
【2】日本経団連の倫理憲章が改訂され採用活動が大学3年の12月以降になる中、早期から学生にアプローチできるから
【3】(今のところ)話題になるから

……というものです。新卒採用の件で、ご相談頂く際は主にこの3点からの相談が多いですねえ。

今年は大手ナビサイトがFacebookとの連動を強化することが明らかになっておりますし、Facebookページやアプリを制作する企業、さらには炎上対策も含め運営のアウトソーシングを担当する企業も現れています。

まぁ、間違いなく、今の世論は「ソー活」推しですが、いろいろと滑稽なことも起こっています。例えば、「とりあえずFacebookページを立ち上げた」という企業があるのですが、「いいね!」を押しているのが自社の社員と人材ビジネス関係者だらけ。その数も散々という…。

内容も、とりあえずホームページをFacebookに持ってきたというレベル。ディスカッションコーナーを設けるものの、一部の「意識の高い学生www」と人事担当者のやりとりになっていて入りづらい雰囲気を醸しだしていたり。さらに、一部の人事担当者と、ソーシャルメディア関係者が煽っていて、自作自演の臭いがプンプンすることも。

最近、聞いて興味深かったのが、某有名企業の社員が自社のインターンシップを受けている学生にリンクしまくったことです。出会って数日なのに熱い誕生日祝いメッセージがあり、「正直、気持ち悪い」と思ったとのこと。まぁ、今年は様々な炎上事件が起きそうですが、この手の新しいものは試行錯誤をへて確立されていくものです。暖かく傍観しましょう。

企業の採用関連Facebookページで個人的に面白いなと思ったのが、リクルートHRマーケティングのFacebookページです(http://ja-jp.facebook.com/HRM.Recruiting)。面白いのが、TODAY’S SMILEというコンテンツ。ファッション誌の街角読者撮影コーナーみたいに、毎日のように社員のプライベートな姿が登場するのですよ。

この手の採用系のサイトには、各社とも「見栄えがよくて、仕事も出来る社員」が登場するわけですが、このサイトでは必ずしもイケメン美女だらけじゃないことが特徴です。さらに、その写真には、社長から一緒に働いている仲間から、みんなが「いいね!」を押してコメントしているのですけど、それが自作自演っぽくなくていい感じなんですよ。その人の素の評価が伝わるなぁ、と。

作り込みすぎて首をかしげてしまうFacebookページ、いかにも業者が作った感のあるページも増えてきた中、社員の魅力が自然体で伝わり、かつヤラセっぽくないことに好感が持てました。

今年は様々な採用系Facebookページが出てきそうです。激しく傍観したいと思います。

関連記事

トピックス

お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
約40年、地元で愛された店がラーメンをやめる(写真提供/イメージマート)
《SNS投稿やグルメサイトの弊害》あっという間に人気飲食店になったことを嘆く店の人たち 問い合わせが殺到した中華料理店は電話を撤去、行列ができたラーメン店は閉店を決めた 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト