国内

質問サイトの「釣り質問」の見分け方をネット編集者が伝授

『メルマガNEWSポストセブン』では、『ウェブはバカと暇人のもの』の著者としても知られるネット編集者の中川淳一郎氏が、その週にネットで話題になったニュースのツボを解説している。6月15日配信の19号でも、

「ブームの『ノマド』 一気にうさんくさくなる」
「片山さつき議員『ハム速を守ろう!』発言をする」
「あまりにワガママかつ勘違いの無職が大人気に」

など、その週にネット上で起きた様々な事件を紹介しているこのコーナー。なかでも今週「もっともネット的」とでもいうべきネタが、「発言小町で大炎上案件発生 『準備中』の札のある店に2時間居座った後店主に帰れと言われ『私はお客様』」という事件だ。

 * * *
 読売新聞が運営する掲示板「発言小町」といえば、OLや主婦の皆様方が、たいへんユニークな質問を書いては、それに対して真摯に答えたり、時にビシッと諭す光景が毎日のように展開される、まさに「日本の日常」が描かれた優秀な掲示板であります。

 この掲示板に6月2日、「こちらはお客様なのにそんなに失礼でしたか?」と題されたトピックスが立ちましたが、これが炎上したのですね。

 34歳の女性トピ主様は、夜9時頃とある定食屋(過去に訪問済み)に行ったのですが、すでに「準備中」の札がついていました。しかし、「まだいいでしょ」とマスターに言ったところ快諾してもらえたため、11時過ぎまで居座ったそうです。そこでマスターから「もう11時も過ぎたし、そろそろ閉店したいんだけど…」と言われたようなのですが、トピ主様はこう思ったそうです。

「こちらはお客様です。たとえ閉店後でもお客様が来てくれたら対応して当然だと思うのです。11時なんて特に遅い時間でもありません。そんなに失礼なことでしょうか?」

 これに対し、500件を超える意見が書き込まれ、大多数はトピ主様の非常識っぷりを非難するものでした。

 しかし、これ、私は「釣り」だと思うんですよね。この手のものって、わざと自らの非常識っぷりをアピールし、正当性を主張し、相手を批判するというパターンが王道なのですが、過去にも「中学2年生で、1か月のお小遣いが5万円ってどう思いますか?? ヴィトンとかコーチのブランド物のバック1つ買ったら、これくらいすぐになくなっちゃいます。おかげで、欲しいものが全然買えません」と書いたバカが過去にいましたが、これも間違いなく釣りでしょう。

 こうした「非常識アピール」の方々は、あなたが「キーッ! こんなふざけたヤツには喝を入れてやる!」と頭から湯気を出して怒っている様を想像し、「ウヒヒヒヒ」とほくそ笑む趣味の悪い方々です。

 ぜひともこのような「釣り」にはひっかからないでくださいね。

※参考ページ
こちらはお客様なのにそんなに失礼でしたか?『発言小町』

※メルマガNEWSポストセブン19号

関連キーワード

トピックス

嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン