国内

民主造反組 地方政党と反増税、脱原発連合で民自公に対抗か

 消費増税法案は、衆議院で民主、自民、公明3党の多数で可決されたが、民主党から反対57人、棄権・欠席16人の73人という大量造反者が出た。

 こうした造反組をはっきり後押ししているのが「日本一愛知の会」の大村秀章・愛知県知事と「減税日本」の河村たかし・名古屋市長のコンビだ。

 大村氏は「(造反は)信念を貫いた結果で勇気に共感する」、河村氏も「増税に反対する人は応援したい」と立場を鮮明にしている。

 実は、小沢グループの造反組議員と愛知コンビとは具体的な戦略的提携のプランが進んでいる。小沢グループ議員はこう語る。

「新党といっても造反組が全員同じ党になる必要はない。総選挙が近くなれば他にも民主党から飛び出す議員集団が出てくる。愛知選出の議員なら日本一愛知の会や減税日本が受け皿になってそこに合流する選択肢が検討されている」

 愛知、静岡など東海ブロックは連合の影響力が非常に強い。それでも造反した議員がいるのは地方政党の受け皿が用意されていたからだ。小沢氏がその先に想定しているのは「オリーブの木」と呼ばれたイタリアの政党連合だ。

「小沢さんは最近、『オリーブの木でいこう』という言い方をしている。小沢新党と日本一愛知の会、減税日本との協力体制づくりは進んでいるが、維新の会やみんなの党についてはまだ未知数で、選挙協力は簡単ではない。そこで、小沢新党やみんなの党、維新の会、減税日本などの地域政党が選挙は別々に戦うが、反増税、脱原発、地域主権でゆるやかな連合を組み、民自公の増税大連立に対抗する政治勢力をつくる戦略だ」(小沢グループ議員)

 みんなの党の渡辺喜美・代表は、「わが党の候補者と民主党の造反組とは選挙区の3分の1が競合している。反増税以外の政策の隔たりも大きく、連合を組むのは難しい」という。

 しかし、宮沢政権末期、小沢氏率いる政治集団の離党をきっかけに自民党が分裂、新党さきがけや日本新党などの新党が次々に登場したときも、選挙をバラバラに戦った後、8党派で非自民党政権を樹立した。

 民自公の増税大連立の動きは、有権者にとって次の総選挙が民主対自民の2大政党ではなく、「増税党」対「反増税党」という新たな政権の枠組みの選択になることを意味する。

※週刊ポスト2012年7月13日号

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
1999年、夏の甲子園に出場した芸人・とにかく明るい安村(公式HPより)
【私と甲子園】1999年夏出場のとにかく明るい安村 雪が降りしきる母校のグラウンドで練習に明け暮れた日々「甲子園を目指すためだけに高校に通った」 
女性セブン
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
ジャーナリストの西谷格氏が新疆ウイグル自治区の様子をレポート(本人撮影)
《新疆ウイグル自治区潜入ルポ》現地の人が徹底的に避ける「強制収容所」の話題 ある女性は「夫は5年前に『学習するところ』に連れて行かれ亡くなりました」
週刊ポスト
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト