巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
日本一を目指す戦いがクライマックスシリーズ(CS)で幕を開ける。今季のセ・リーグは阪神が歴史的な独走Vを達成。CSの開催意義を疑問視する声まで出ていたが、11日の開幕に先立って2位でCSに進出したDeNAの三浦大輔監督(51)が今季限りの退任を発表し、大きな波紋を広げている。
3年ぶりの2位に食い込み、2年連続の“下剋上日本一”への戦いが控えるなか、関係者に衝撃が走った。三浦監督が今季限りの退任を申し出て、球団も了承したのである。
「今季は球団史上初となる4年連続の70勝到達で、三浦監督のもとで4年連続Aクラス入りとなった。2024年は3位から下克上で26年ぶりの日本一に輝き、今年も2位でCSファーストステージの本拠地開催を決めていただけに、驚きをもって受け止められた」(スポーツ紙デスク)
就任5年目の三浦監督は、リーグ優勝を果たせなければ責任を取ると周囲に漏らしていたといい、「阪神に独走Vを許したケジメもあるのだろう」(同前)と見られている。この決断は“CSに残ったくらいじゃ続投の理由にはならない”という意思表明のようなもの。そうした厳しい合格ラインの設定は、DeNA以外の球団にも波及することになるという――。
貯金1でのCS出場
辛口評論で知られる江本孟紀氏が言う。
「このタイミングで監督が辞めると言うと、チームの戦いは難しくなる。一緒に辞めなくてはならないコーチもいますから、ベンチの空気にも影響する。2003年に阪神の星野仙一監督が日本シリーズ前に退任を発表した時も、日本一になれなかった。
ただ、三浦のこの辞め方には当然ながらよそ(他球団)も影響を受けるでしょうね。2位の監督に辞められたら当然、“3位でCSに出る球団の監督はどうしたらいいんですか?”という話になる。CSがあることで曖昧になっていた監督の評価基準が、大きく変わるきっかけになるかもしれません」