国内

日本人 「島国生活」が数万年続いたため保守的で移動を嫌う

 最近海外に留学する日本人が減少しているようだが、日本人は「内向き志向」が強いとも言われる。なぜそうなったのか。『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が脳科学の視点で分析する。以下は澤口氏の解説だ。

 * * *
 サッカー選手や野球選手など、日本人の海外での活躍が目立つようになっています。日本人に限らず、活躍の場を求めて「あえて海外に出ていく」という人たちが持つ強い意志や志向には、進化的な要素が関与しています。

 ヒトという種はひとつしかないのに、世界中に広く分布し、多くの民族があります。現生人類の祖先たちは、15万年ほど前まで、東アフリカに住んでいましたが、13万~15万年ほど前にアフリカ大陸全域に広がり、さらにヨーロッパ大陸、アジア大陸、中南米大陸へと広がっていって、その過程で言語も民族も多様になっていったのです。

 これは、人と最も近い動物であるチンパンジー類との大きな違いで、彼らはいまだにアフリカの密林に留まっています。人類もアフリカに留まっていてもよかったはずですが、“外”へ出ました。

 それは、人の性格や脳機能に理由があります。人は、新しい地域や物事を探求しようとする「新奇追求性」や「外向性」、「イノベーション(新しい工夫や、やり方)」という性質を持っています。

 これらの性質を現生人類が持っていたからこそ、人類は世界中に広がり、現在では、地球どころか、月や火星、太陽系外へも乗り出そうとしているのです。このような性質は進化的なもので、遺伝性もあり、関係する遺伝子もいくつかあります。

 日本人は、ユーラシア大陸の「極東」にまで進出してきたので、本来こうした遺伝的性質が強いはずですが、「島国生活」が数万年続いたせいで、保守的で移動を嫌うという性質に変化したようです。

 その代わり、地震や台風などの自然災害が昔から多かったせいで、「団結力」や「助け合い“脳力”」、つまり「絆」が遺伝的に強いようです。

※女性セブン2012年10月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

オリエンタルラジオの藤森慎吾
《オリラジ・藤森慎吾が結婚相手を披露》かつてはハイレグ姿でグラビアデビューの新妻、ふたりを結んだ「美ボディ」と「健康志向」
NEWSポストセブン
川崎、阿部、浅井、小林
〈トリプルボギー不倫騒動〉渦中のプロ2人が“復活劇”も最終日にあわやのニアミス
NEWSポストセブン
驚異の粘り腰を見せている石破茂・首相(時事通信フォト)
石破茂・首相、支持率回復を奇貨に土壇場で驚異の粘り腰 「森山裕幹事長を代理に降格、後任に小泉進次郎氏抜擢」の秘策で反石破派を押さえ込みに
週刊ポスト
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
2020年、阪神の新人入団発表会
阪神の快進撃支える「2020年の神ドラフト」のメンバーたち コロナ禍で情報が少ないなかでの指名戦略が奏功 矢野燿大監督のもとで獲得した選手が主力に固まる
NEWSポストセブン
ブログ上の内容がたびたび炎上する黒沢が真意を語った
「月に50万円は簡単」発言で大炎上の黒沢年雄(81)、批判意見に大反論「時代のせいにしてる人は、何をやってもダメ!」「若いうちはパワーがあるんだから」当時の「ヤバすぎる働き方」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
“トリプルボギー不倫”が報じられた栗永遼キャディーの妻・浅井咲希(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》女子プロ2人が被害妻から“敵前逃亡”、唯一出場した川崎春花が「逃げられなかったワケ」
週刊ポスト
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン