流通ジャーナリストとしてテレビや雑誌等で活躍するも、去る10月3日急逝した金子哲雄さん(享年41)。独自の分析力で発信してくれたさまざまなお得情報は、今も生き続けている。ここでは、金子さんの代名詞となった“値切り”に隠れていた真の意味を紹介する。
ものが溢れている今の時代、ナンバーワン商品以外は売れ残って在庫となり、お金をかけて廃棄処分される。金子さんは、この“廃棄”をストップさせたいとの思いから、後に代名詞となる“値切り”を実践するように。
「ナンバーワン商品が売れるのは宣伝効果によるマインドシェアの力が大きいんです。メーカーはこのマインドシェアを高めるために広告宣伝に力を入れる。でも2番手以下もトップブランドと同じ工場で作っているケースだって多い。それなら2番手以下を安く買ったほうがいいじゃないですか」(金子さん・以下同)
2番手、3番手の業者にしても、売れ残って廃棄するぐらいなら半額でも売りたいのが本音のはず。
「だからぼくは“在庫処分してほしいのはこれだよ”と消費者の側が得するような話をするのです」
それによって在庫がなくなれば商品の流通がスムーズになって売り手も助かる。つまり金子さんにとっての「値切り」は経済全体を活性化させるための手段だったのだ。
※女性セブン2012年11月8日号