ビジネス

ビジネスクラス乗客はファーストクラスより感じが悪い説検証

「ビジネスクラスの乗客はファーストクラスの乗客よりも感じが悪い」――航空会社ではこんな話が周知の事実として伝わっているという。ビジネスクラスは、ファーストクラスよりはサービスは手厚くないもののゆったりしたシートで料金も決して安くはない。この違いはどこからくるのだろうか? 『「感じが悪い人は」は、なぜ感じが悪いのか?』(講談社)の著者で、このテーマを関係者にヒアリングで調査した松下信武さんに聞いた。

 * * *
 外資系の航空会社、国内の航空会社の関係者に調査し、彼らの声はほぼ一致しました。ビジネスクラスの乗客はファーストクラスの乗客よりも感じが悪いと。もちろん、ファーストクラスにもそのような乗客はいると思いますが、感じの悪い乗客はビジネスクラスのほうがはるかに多いようです。

 ビジネスクラスのクレームには、理不尽な要求を突きつけて、客室乗務員を困らせるという種類のものが多いのが特徴です。彼らは、客は売り手よりも上位にいるという意識をもっていて、お金を払えばどんな要求でもまかり通ると思っている。

 ビジネスクラスに乗るビジネスマンには、中間管理職の上位クラスの人も多いですが、彼らは企業内での自分の地位をそのまま機内に持ち込む傾向があります。彼らは社内で部下への人事評価や命令、社外との厳しい交渉などを日々、行い、相手と対立する状況に慣れてしまっている。そのためちょっと気に入らないことがあると、対立モードに頭が切り替わり、客室乗務員からサービスを受けても“高い料金の席なんだからこれぐらいのサービスは当然”と考えてしまうのです。

 ビジネスクラスのビジネスマンには、会社の経費で乗っている人も多いですが、自分でお金を払っていないから、現場で一生懸命働いている客室乗務員の気持ちがわからないというのも理由のひとつでしょう。ある客室乗務員は、自腹でビジネスクラスのチケットを買っている人の中には、感じの悪い人はいないと言っていました。

 自腹でビジネスクラスのチケットを買うような人は社会的に成功していますから、経済的にも、精神的にも余裕があります。これはファーストクラスの乗客がビジネスクラスの乗客に比べて、感じが悪い人が少ないということにもつながります。もちろん、ファーストクラスはビジネスクラスに比べて客室乗務員一人当たりの乗客数が少ないためサービスが手厚く、乗客の性格やコミュニケーション能力に関係なく、客室乗務員が感じよく接することができる環境にある、ということもありますが。

 エコノミークラスの感じの悪い客についても説明しておきましょう。エコノミークラスは、ファーストクラスやビジネスクラスに比べて狭いスペースに、多くの乗客が押し込められています。ツアー客も多いです。たいていのツアーは何の問題も起きないですが、クレームの常習者がツアーに加わっているときは、ひとりのクレーマー的な言動がツアー全体に伝染し、ツアーグループからのクレームが増える傾向にあるようです。このようにクレームが伝染する現象はエコノミークラス特有の現象だそうです。

 社会的な状況には、“仲良くする状況”と“対立する状況”に分けられます。その際のコミュニケーションは“相手と仲良くするためのコミュニケーション”と“相手と対立して説得するためのコミュニケーション”のふたつです。直面する状況によって適切なコミュニケーションを選択しなければ、感じが悪くなってしまいがちです。

 乗客と客室乗務員の関係はどうかというと、“仲良くする状況”ですから“仲良くするためのコミュニケーション”をとらなければなりません。にもかかわらず、これまで述べてきたビジネスクラスの乗客の例では“対立する状況”ととらえて、乗客のほうが客室乗務員よりも上だという意識で“対立するコミュニケーション”をとってしまうため、感じが悪くなってしまうのです。

トピックス

“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン