70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
昭和、平成、令和──3つの時代を芸能・テレビ界の第一線で走り続けてきている人は他になかなかいないだろう。7月1日、明石家さんまが70歳の誕生日を迎えた。一時は“限界説”も浮上したが、いまなお現役で活躍を続けている。その背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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明石家さんまさんが70歳の誕生日を迎えた7月1日、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)の3時間特番「祝MAXさんま御殿!!生きてるだけで丸儲け 明石家さんま生誕祭SP」が放送されます。
同特番は「2世有名人SP」「全員年上SP」「転機を迎えた有名人SP」の3本立てすが、なかでも再注目は、生誕祭の意味合いが感じられる2組目の「全員年上SP」でしょう。
ここでは梅沢富美男さん(74歳)、桂文枝さん(81歳)、研ナオコさん(71歳)、関根勤さん(71歳)、多岐川裕美さん(74歳)、所ジョージさん(70歳)、ドン小西さん(74歳)、中田喜子さん(71歳)、細川たかしさん(75歳)、三田佳子さん(83歳)と、さんまさんとゆかりのあるベテラン芸能人が集結。さんまさんより年上の元気な芸能人を集めることで「まだまだ第一線で頑張ってもらおう」というニュアンスを感じさせられます。
なぜさんまさんは70歳という節目を迎えた今なお、これほど求められているのか。業界内の声を交えつつ、あらためてその強みをあげていきます。
祖父母と孫をつなぐ唯一無二のMC
特番の予告映像で、さんまさんが所ジョージさんや桂文枝さんと声を張り上げてトークするシーンがありますが、注目すべきはそのあと。「人生の先輩にお悩み相談」と題してtimeleszの新メンバー・原嘉孝さん、あのちゃんらが登場して、さんまさんや所ジョージさんらとの2世代トークをかわす様子が映されています。
まるで祖父母と孫のような構図であり、そんな両者をつなぐ唯一のMCであることが、さんまさんの強みでしょう。お笑いBIG3の盟友であるタモリさんとビートたけしさんがテレビ出演のペースを下げ、その他のベテランMCは地上波の番組でその姿を見ることはほとんどなくなりました。
笑福亭鶴瓶さんと所ジョージさんは健在ですが、若手世代をつなぐような立ち位置は取っていませんし、やはりさんまさんは「世代をつなぐ唯一無二のMC」というのが業界の共通認識。子役から大ベテランまで、さらに文化人、アスリート、一般人なども含め、「相手を問わずトークで笑いをもたらすMCとしての後継者はまだいない」とみられています。
もちろん年齢差の大きい若手タレントとのトークでは、時に噛み合わないようなシーンがあるのも事実でしょう。しかし、それでもさんまさんがテンションを下げたり、一歩引いた位置を取ったりすることはありません。それどころか何とか年下世代に食い込もうとする姿を見せて笑いにつなげています。