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ネット選挙で災難「EXILE的トラブル」にどう対処すべきなのか

 この参議院選挙からSNSなどネットを利用した選挙活動が解禁になった。しかしまだまだ不明なところもあり、トラブルも。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏がネット選挙から大人力を学ぶ。

 * * *
 あのやたらたくさんの男の人たちが踊っていて、どれだ誰だか区別がつきづらくて、ファンだと言う人に対してシンパシーを感じる人と「えー、そういう人だったの」と感じる人がはっきり分ける人気グループが、ネット選挙がらみで思わぬ事態を招きました。

 あっ、べつにそっち側は名前を隠す必要はないんですね。EXILEのメンバーのひとりと、とある党のとある参議院選候補者とのツーショット写真が、その候補者のブログやフェイスブックに公開されたということで、NHKのレギュラー番組の放送が中止になりました。番組はEテレで放送中の「Eダンスアカデミー」。写真では、候補者は自分のポスターを持ち、メンバーは「がんばって下さい!」などと書いたサイン入りのボードを掲げています。

 今回の選挙からネット利用が解禁されて、候補者は公示後も自分のブログやフェイスブックを更新できますが、選挙期間中に公の場で特定の候補者を応援する画像が出たことが問題視されたとか。来週の放送も中止で、参院選終了後から再開するそうです。

 ただ、そのメンバーもちょっと不注意だったかもしれませんけど、まだ誰も「ネット選挙」の基準がわかっていなくて、NHKがお得意の事なかれ主義体質を発揮して過剰反応したようにしか見えません。じゃあ、応援演説に行くのもアウトなんでしょうか。

 ちなみに、その候補者のブログには、12日(土曜)朝の段階では問題になった写真がまだ残っているし、とある女性大物歌手とのツーショットも載っています。もしかしてほかにも、同じようなことをしていて、あわてて削除している候補者がいるかもしれません。

 あれこれ想像してしまいますが、きっとそのメンバーは、迷惑をかけたことをほかのメンバーや事務所の社長に、きっちり謝ったことでしょう。そのとき、謝られた側はどんな反応をしたのか、ひじょうに気になります。普通の会社でも、部下が「ほとんど災難」な事態に巻き込まれて、会社が迷惑を被ることは少なくありません。

 我が身かわいさで「お前、なんてことしてくれたんだ」と部下を責めるような上司は、言うまでもなく最低です(実際は多そうですけど)。見るからに男気あふれるEXILEのみなさんが、そんなことをするわけがありません。「お前は悪くないよ」と肩を叩き、NHKの悪口にひとしきり花を咲かせ、誰かが「よし、踊るか!」と言い出して、汗を流すことですべてを水に流して……という感じではないでしょうか(想像ですよ、想像)。

 もし、部下が似た状況になったら、まず「EXILEならどうするだろう」と考えてみましょう。さわやかに慰めたあとは、「そんなことよりさあ、今、ももクロの振りを練習してるんだけど」なんて言いながらいっしょに踊れば、場が和んで、絆が深まり、上司としての株も一気に上がるはず。いつそういう事態になってもいいように、常に旬のアイドルグループの振り付けをチェックするのも、上司としての大切な務めかもしれませんね。

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