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高額講習受ける高齢ドライバーは交通行政の「カネのなる木」

 高齢者による事故が頻繁に報道されることで「高齢者の運転は危険」とする空気が醸成されつつあるが、データを詳しく見ると、高齢のドライバーが引き起こす事故は決して多いとはいえない。

 また、「高齢者への運転指導」が巨額のカネを生んでいるという現状も無視できない。

 現在、70歳を超えて免許更新をする場合、自動車教習所などで座学と実技、適性検査がセットになった「高齢者講習」もしくは「シニア運転車講習」か、実技試験を経て簡易講習を受ける「チャレンジ講習」のいずれかを受講しなければならない。

「高齢者講習」、「シニア運転車講習」の受講料は5800円、「チャレンジ講習」は4150円。75歳以上になると、「高齢者講習」は5350円になり、「講習予備検査」(650円)も追加で受ける必要がある。これ以外に、免許証の更新手数料として2500円が必要だ。

 通常の免許証更新の場合、更新手数料と講習料は合わせて3100円(優良運転者)~4000円(違反・初回運転者)なので、それと比較してもずいぶん高額であるといえる。

 この制度は2002年10月1日から始まり、2006年の道交法改正で受講対象が75歳以上から70歳以上へと拡大されてきた。シニアドライバーはまさに交通行政を支える“カネのなる木”になっているのだ。

 つまり、行政にとっても「高齢者ドライバーが危ない」と訴え続けることは好都合ということ。かくしていつまでもハンドルを握っていたいという高齢者のプライドはズタズタに踏みにじられるのである。

※週刊ポスト2013年10月18日号

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