高齢者一覧

【高齢者】に関するニュースを集めたページです。

年金は減る一方(時事通信フォト)
年金生活者受難の時代が到来 物価高騰と支給額カットのダブルパンチ
 参院選は後半の追い込みに入ったが、ここに来て物価上昇と反比例するように岸田内閣の支持率が大きく下がっている。主に高齢者の支持が減ったと分析されている。 それもそのはずである。さる6月15日、年金の4月分と5月分が一斉に支給された。今年度の年金支給額は前年度よりマイナス0.4%、夫婦2人の標準モデル世帯で月に1000円近く、年間では約1万1000円引き下げられる。年金生活者はそのことを6月の支給日に思い知らされた。 一方、生鮮食料品を含めた全国の消費者物価は4月に前年比2.5%上昇、5月も東京都区部の速報値で同2.4%アップした。食品などの値上げラッシュはこの先も続く。年金生活者にとっては物価高騰と年金カットのダブルパンチだ。 東京郊外の安売り青果店で季節物のさくらんぼを見ていた男性(77)に話を聞いた。1人暮らしだという。「何もかも高くなって、年金生活者にはとても買えないよね。年金が減ったうえに、天引きされる後期高齢者の保険料は上がった。年金の手取りは毎年減っていく一方です」 原因は、安倍政権下の2016年に成立した、いわゆる「年金減額法」が昨年4月に施行されたことだ。 もともと年金にはインフレになっても生活が苦しくならないように、物価が上昇すれば同じ比率で年金を増額する「物価スライド」という仕組みがあった。しかし、この法律で「現役世代の負担能力に応じた給付にする」ルールが定められ、物価が上がっても、現役世代の賃金が下がった場合、年金は減らされることになった。今年度の年金額が夫婦で1万円以上減らされるのはそのためだ。 経済ジャーナリストの荻原博子氏は、「年金生活者受難の時代がやって来る」と指摘する。「これからインフレの時代に入ると、最も影響を受けるのは間違いなく年金生活者です。新ルールでは、物価がどんなに上昇しても、賃金が下がれば年金が減る。しかも、この場合の賃金は『実質賃金』をベースに計算されます。たとえ現役世代の給料がアップしても、それ以上に物価が上昇すれば実質賃金はマイナス。 一部の輸出企業は儲かって給料を上げていると言われますが、逆に、下請けの部品メーカーは円安で原材料費が上がって利益が削られている。日本の産業には下請け会社が多く、全体として賃金が上がるとは考えにくい。今後、高度成長期のような物価上昇率を上回る大幅な賃上げという奇跡的なことが起きない限り、年金支給額は減り続ける可能性が高い」 世界的な資源価格の高騰と円安というインフレ局面で、政府は高齢者を苦しめる残酷な年金新ルールを適用したのである。 ちなみに、年金改定では物価は前年度の統計数値、賃金は前々年度から3年間の平均値で計算され、年金支給額が決まる。今回の年金減額は主にコロナ前(2018~2020年度)に実質賃金が下がった分で、感染拡大による残業カットや休業など“コロナ賃下げ”は来年度の年金支給額に反映され、年金支給額がもっと減らされると予想される。 仮に、日本経済が奇跡の高度成長を遂げ、物価上昇を上回る賃上げが行なわれたとしても、年金は増えない。日本の年金制度には、年金額を減らすための数多くの仕組みが盛り込まれてきたからだ。※週刊ポスト2022年7月8・15日号
2022.06.30 07:00
週刊ポスト
エアコンに頼らず、扇風機を使う人もいるが、使い方には注意が必要(イメージ)
命に関わる「屋内での熱中症」 扇風機だけに頼るのはかえって危険
 梅雨も明けていない中、ぐんぐん気温が上昇している。6月24日は横浜で30.6℃と、今年初の真夏日を記録。新潟県では37℃の地点も観測されるなど、さながら夏本番のようだ。熱中症といえば“屋外の炎天下”というイメージがあるが、実は熱中症の死亡者のうち56.5%が「家庭」で発症している(厚労省人口動態統計、2018年)。 安全であるべき自宅での悲惨な事故を防ぐためにはどうすべきか。 まずは熱中症について正しく理解する必要がある。医師の上昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)が解説する。「熱中症は体温の上昇により作られた体内の熱がうまく放出できなくなっている状態。高温多湿の環境下にいたり、激しい運動をすることで引き起こされます。大量の発汗やめまい、筋肉痛など軽度の症状に始まり、吐き気や頭痛、倦怠感などが起きる。重症化すると高体温や痙攣、意識障害も起こすので、特に高齢者の場合は少しでも違和感があれば医療機関を受診していただきたい」 熱中症に関し特に注意すべきなのが、「脱水」だ。「人間は汗をかくことで体温を調整しますが、脱水を起こすと熱を逃す働きが弱くなり、体温が下げられずにさまざまな機能障害や循環器不全につながります。高血圧、糖尿病の人は脱水になると血管中の水分が減り、血がドロドロになって血管が詰まりやすくなるので脳梗塞のリスクも上がる。脱水を避けるためのこまめな水分補給は、熱中症対策としても、夏場の脳梗塞・脳卒中予防としても有効です」(同前) そもそも、高齢になると体温の調整機能や感覚機能が鈍り、暑さや喉の渇きに気がつかないことが多い、と上医師は言う。「高齢者がエアコンの風を嫌う傾向があるのは、身体が冷え切って初めて“寒い”と気づくから。それを理解して、自分の肌感覚で温度調節をしないこと。室内の温度計を見ながら、常に室温を26~28度に保つことが重要です」 エアコンに頼らず、扇風機を使う人もいるが、使い方には注意が必要だ。「エアコンと併用して室内の空気を循環させるのはいいが、扇風機だけに頼るのはかえって危険。温風を浴び続けることになり、熱中症になりかねません」(同前) 気象予報士・森朗氏もこう指摘する。「アスファルトやコンクリートに覆われた都市部では、夜でも日中の熱が冷めにくい。熱帯夜に窓を開けると、夜中でも暑い空気が入ってくる可能性があります」 熱中症の予防ポイントとして、上医師、森氏ともに口を揃えるのが「湿度管理の重要性」だ。 人間の体には、汗が蒸発する際の気化熱で体温を下げる働きがある。湿度が高い環境では汗をかいても蒸発せず、体の中に熱がこもりやすくなって熱中症を発症しやすい。 熱中症危険度は、室温28度の場合、湿度70%で「警戒レベル」、71%以上では「厳重警戒レベル」となるが、湿度50~60%なら危険度は下がる。「食事の煮炊きでも部屋の湿度は上がります。外が暑いと、窓を開けても温度や湿度は下がりません。そんな時は上手にエアコンを利用してほしいですね」(森氏) 近年は、部屋の温度を下げ過ぎずに除湿ができる「再熱除湿」機能付きエアコンも増えてきた。今年の夏は節電要請などでエアコンを使うことが憚られる状況になると考えられるが、酷暑の室内における熱中症予防には、エアコンと折り合いをつけて付き合うことが欠かせない。※週刊ポスト2022年7月8・15日号
2022.06.29 16:00
週刊ポスト
敗血症の治療が遅れると、臓器障害の危険性も
コロナで死亡した人の多くは「敗血症」 早期認識と治療で重症化を防ぐ
 敗血症は細菌やウイルスなどの感染がきっかけで免疫が暴走し、最悪の場合は死に至る病気だ。新型コロナの重症者で、呼吸障害から多臓器不全となり、死亡する症例の多くは敗血症である。国内の医療機関入院患者のデータを解析した大規模疫学調査によると敗血症の死亡率は低下傾向だが、その一方、高齢者の死亡者数は増加中だ。なにより敗血症は早期の治療開始が命を救う。 敗血症は血液に病原菌が入り、何らかの病気を発症するわけではない。細菌やウイルス、真菌などへの感染がきっかけで、免疫の異常反応が引き起こす臓器機能障害だ。 治療が遅れると敗血症性ショックや多臓器不全となり、死に至る。2017年の調査では世界で4890万人が敗血症を発症し、死者は1100万人。これは世界の全死亡の約20%と推計され、WHOが「敗血症は世界が取り組むべき課題」と設定した。 千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学の中田孝明教授に聞く。「敗血症を起こす感染源は呼吸器が多く、他に尿路や腹部など様々な感染源からも起こります。新型コロナでは多くの方が亡くなりましたが、重症者は免疫が異常反応し、臓器障害を起こしていました。これも敗血症に含まれます。敗血症から運よく生還しても臓器障害の長期化や日常生活動作の低下による通院やリハビリが必要となるため、患者本人と家族の負担が大きいのも問題になっています」 そこで日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本感染症学会が連携して日本敗血症連盟を設立。中田教授を中心としたグループが国内における敗血症の実態調査を行ない、昨年9月に結果を発表した。 その結果によれば2010~2017年までに入院した成人総数5000万人のデータ分析では約200万人が敗血症を発症し、そのうち約36万人が死亡した。敗血症患者の死亡率は2010年では約25%だが、2017年には約18%に減少。しかし、入院患者全体に占める敗血症患者数は2010年に約11万人だったのが、2017年には約36万人と増加。これは高齢化が進み、入院患者の実数が増加しているためで、今後も死亡者数の増加が予想される。 敗血症は早期の認識が欠かせない。症状は当初、軽い風邪のような発熱や震え、弱い脈拍などだが、次第に呼吸困難やチアノーゼ、またはまだら模様の皮膚、極端な体の痛みや低尿量などが起こる。発症したら人工呼吸器など人工補助療法や集中治療室を持つ医療機関への搬送が必須だ。「治療はまず、免疫暴走のきっかけとなった病原体を攻撃する抗菌剤や抗ウイルス剤の投与を行ないます。早ければ早いほど高い治療効果が得られます。特に子供や高齢者、基礎疾患を持った方はリスクが高いので、最初の警告症状を見逃さないことが重要です」(中田教授) また感染力が強く、人喰いバクテリアといわれる溶連菌感染などでは若い世代でも敗血症になる可能性が高い。 新型コロナ感染症予防対策と同様に手指衛生やワクチン接種などをこまめに行なうことが、結局は敗血症の予防にもつながっていく。取材・構成/岩城レイ子 イラスト/いかわやすとし※週刊ポスト2022年7月8・15日号
2022.06.28 16:00
週刊ポスト
杉良太郎氏らが呼びかけた
杉良太郎、乃木坂46黒見明香らが本気討論「なぜ特殊詐欺被害に遭うのか」
 1日あたり約7730万円──実はこれ、オレオレ詐欺などに代表される特殊詐欺の令和3年度の被害額である。 全国で被害が相次ぐ特殊詐欺の撲滅を掲げ、警察庁「ストップ・オレオレ詐欺47~家族の絆作戦~」プロジェクトチーム(略称:SOS47)は2018年より活動をスタート。国家公安委員会委員長より「特別防犯対策監」を永久委嘱され犯罪対策に取り組む杉良太郎を筆頭に著名人の特別防犯支援官が名を連ね、特殊詐欺に関する知識や防止策をわかりやすく伝え、全国47都道府県警察と特殊詐欺被害を防止するための対策活動に励んでいる。 6月初旬にはSOS47のメンバーが特殊詐欺被害撲滅に向けて最新の状況を把握し、今後の取り組みについて意見交換をする対策会議を行った。当日は杉、特別防犯支援官の伍代夏子、コロッケ、松本利夫(EXILE)、黒見明香(乃木坂46)、向井地美音(AKB48)、斉藤真木子(SKE48)、石田千穂(STU48)、吉原朝馬および警察庁より長官官房参事官、警視庁より犯罪抑止対策本部副本部長らが参加した。 冒頭、警察庁より特殊詐欺の最新情勢について驚くべき報告があった。・令和3年に被害の届け出があった認知件数は1万4498件、被害総額は約282億円・ピーク時(平成26年)の被害総額565.5億円から約半減しているが、1日あたりに換算すると約7730万円の被害が確認されている・特殊詐欺の手口別被害額はオレオレ詐欺:90.6億円(32%)、キャッシュカードを狙った詐欺:70.1億円(25%)、架空料金請求詐欺:68.1億円(24%)、還付金詐欺:45.2億円(16%)、その他:8.1億円(3%)・令和2年からの推移では、還付金詐欺被害の比率が全体の9%から16%へ拡大している・特殊詐欺の約9割は自宅の固定電話を通じて行われる・高齢の女性に被害が集中している 被害額の多さに驚くが、これらはあくまでも届け出があった被害に限られる。「実際にはもっと多くの被害件数、被害額にのぼると考えられる」と、警戒が促された。 今回の対策会議に先がけ、4月に被害者への聞き取り調査をしていたという杉からも「特殊詐欺の被害は1回きりだと思うかもしれないが、ひどい場合は10回くらい騙されてしまう。一人のかたが1億数千万ほど騙し取られた例もある」と被害実態が明かされ、以下の実例も紹介された。なぜ「おかしい」と思いながら計6回も振り込んでしまったのか『還付金詐欺』80代 男性 被害額:約500万円《介護生活を経て妻を亡くして悲しみに暮れる中で突然、「医療費が振り込まれるから銀行へ行ってください」と自宅に電話がきた。還付金は事前に役所から書類がくることは知っていたので、「おかしい」と思って相手に確認をしたが、「おかしくない」と落ち着いた声で言われて信用してしまった。気軽に連絡を取り合うような友人はおらず、息子も仕事で留守にしていて、相談できる相手が家にいなかった。 電話を受けてすぐにATMへ向かい、1回40万円など分割して、4日間で計6回振り込んだ。ATMでは犯人から電話で指示があり、「暗証番号を入れて」などと促される。2回目の振り込み時にあらためて「私を騙しているのではないか?」と聞いたが、「そんなことはない」という言葉に安心してしまった。その後も、手続きが終わると「おつかれさまでした」と言われ、怪しいとは疑わなかった。6回騙し取られたところでようやく息子に相談をして、一緒に警察へ行った。計約500万円のお金は老後の資金として貯金してきたもの。電話でお金の話は詐欺だとわかっていたのに、自分がなぜ話に乗ってしまったか、悔やんでいる》 聞き取りの中でこの男性は、「金額の大小関係なく、自分が騙されたというショックが大きい。特殊詐欺のことは知っていても、いざ詐欺の電話がきたら忘れてしまっている」と杉に語ったという。 杉は対策会議でこう分析した。「『還付金なのに、なぜATMへ行くの?』などと、若い人には理解ができないかもしれない。でも、これが歳を重ねるということなんです。高齢になると、ちょっと今日はしんどいとか、このところ体調がすぐれなくて頭がぼんやりしているとか、家庭内での出来事で気持ちが塞いでいるとか、そういった不調が日々あるもの。不調によってメンタルにも波があります。 そんな時にいきなり電話がかかってきて『早く還付金をもらわないと時間に制限がある』とか、『あなたのクレジットカードが不正利用されている』と恐ろしいことを言われて『早く、早く!!』と急かされたら、通常の判断ができなくなる。冷静に考えて踏み止まることができない。その瞬間に、騙されているんです。 疲れていたり、精神状態が乱れていたりすると、『なにかおかしいな』とは思っても、『完全にヘンだ』とは確信が持てない。これが騙される人の特徴です」 特殊詐欺と呼ばれる犯罪は騙す手口は共通していても、捉えかた、騙されかたは被害者によって違う。犯罪の特殊性として、被害者の心理を理解しておくことも必要だと、呼びかけた。AKB48向井地は「たぶん自分でも騙されてしまう」 特殊詐欺の被害者の実態を知り、若い世代も次のように危機感を募らせた。「なぜ戻ってくるお金の還付金をご高齢のかたが払ってしまうのか不思議でしたが、“早く、早く”と急かされて頭が働かなくなってしまうケースが多いと知りました。自分なりに特殊詐欺の勉強をしたところ、ATMでの被害は銀行だけでなくコンビニやスーパーなど、身近なところでたくさん起きている。登録番号が必要と言われて、電話口で伝えられた数字を打ち込むと、それが振込額になっているそうです。50万円が『500,000』だったらわかりやすいですが、『4986……』と細かい数字の羅列で約50万円を騙し取るなど、悪質だなと思いました」(SKE48・斉藤)「高齢者を狙う犯人の巧妙な手口を知って、たぶん自分でも騙されてしまうなと感じました」(AKB48・向井地) 祖母宛に還付金詐欺のハガキが届いたり、祖母の友人へオレオレ詐欺の電話がかかってきたりしたことがある、と日常に潜む危険を実体験として語ったのは黒見(乃木坂46)だ。「特殊詐欺のハガキや電話は去年に何度も身近で起こりました。聞くところによると、心理的には警察官や市役所などの職員を名乗って電話がかかってくると不安になってしまう、発信者の番号が東京03だと本物の役所からの電話かもしれないと思ってしまう、ということでした。電話がかかってきた際に、警察署のポスターを思い出して特殊詐欺かもしれないと疑うことができたというかたもいて、日頃の広報啓発の大切さを実感しました」 自身は今春に大学へ進学したが、成人年齢が18才に引き下がり親の同意無しに契約ができるようになったことでクレジットカード契約や投資の勧誘を実際に受けたと語り、「詐欺=ご高齢のかたが引っかかりやすいという認識がありましたが、自分と同じような10代、20代も詐欺に引っかかる可能性がある。若い世代にも自覚を持たせるような活動をしていきたい」と、意欲を見せた。STU48石田(千)は離れて暮らす祖母と連絡をとるようになった 杉が聞き取りを行った80代男性の例でも、被害を食い止める直接のきっかけとなったのは息子に相談をしたこと。被害者心理として「騙されたと認めるのは自分の恥をさらすようで、なかなか言い出せなかった」と語っており、日頃から家族が高齢者を見守り、変化を見逃さないことが犯罪の抑止にも繋がると、“家族の絆”の大切さをチームで共有した。 石田(千)(STU48)は、普段から離れて暮らす祖母と連絡をよく取るように心がけているといい、「祖母の様子が変だなと感じたら、すぐに状況を把握できる可能性がある。オレオレ詐欺は知っていても、あまり手口を知らない特殊詐欺もあると思うので、こういうパターンに陥ったら気をつけて、と広く伝えていきたい」と、家族の絆を実践していると明かした。「今年から中学や高校へ足を運び、『おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんに特殊詐欺に気を付けるように言ってね』という活動も始めた。今後も引き続き、若い世代へ啓発していきたい」と、SOS47の活動に触れた杉。被害者となりうる高齢者だけでなく、家族も含めて、すべての世代が特殊詐欺を自分事として捉えるべきと、強調した。 伍代は、高齢者が詐欺の窓口となる犯人からの電話に出ないようにするにはどうしたらいいかと課題を挙げ、「家族と離れて暮らす高齢者、日中にひとりの時間がある高齢者を詐欺の電話から守るため、家族が防犯機能付の電話をプレゼントするのはどうか。“離れていても、家族を守ることができる”と、高齢者とは違う層へもアプローチしていきたい」と提言。 警察庁によると、防犯機能付の電話には次のような迷惑電話防止機能があるという。 ・着信時に電話の相手方に警告音声を発する・通話中に自動的に通話内容を録音・登録されたデータベースと照会して迷惑電話番号からの電話を自動判別し、着信を拒否もしくは着信ランプなどで警告を表示 さらに、通話中にAIが迷惑電話を感知して、家族など5人の登録先にリアルタイムで知らせる特殊詐欺対策用のアダプタの実用も始まっているという。ほとんどの被害者は加害者を憎まず自分を責めるようになる 被害者への聞き取りを通じて、杉は被害者の心のケアの大切さを痛感している。「被害に遭った人は私がバカでした、とずっと自分を責め続ける。相手を恨むのではなく、ほとんどの人はなぜ騙されてしまったのだろうと自省するんです。心の傷は3~4年経っても消えず、長く、暗い人生を送る。人にも言いづらく、誰にも言えなかった被害の実情を私に打ち明けて肩の荷が下りました、スッキリしました、という声を聞きます。被害を未然に防ぐことはもちろん、万が一、被害に遭ってしまった際には決して本人を責めずにメンタルケアを心がけることも、家族として被害者を救うことになると伝えたい」(杉) 杉は、被害者を心的にどう支えていくかを重要課題として挙げ、被害者へのフォローを継続しながら警察官も被害の実態を把握することで犯罪に斬り込む新たな糸口も見つかるのではないか──と、期待を寄せる。 今後は各都道府県警も家族と連携して被害者のケアにあたり、特殊詐欺撲滅へ向けて被害者・加害者の双方から犯罪の根源を探っていくことを掲げた。
2022.06.28 11:00
NEWSポストセブン
近著『80歳の壁』、『老いが怖くなくなる本』が話題の和田秀樹氏
和田秀樹氏 認知症は誰にでも起こりうる老化現象、「怖がりすぎることはない」
「80歳を超えて元気で過ごすには、“我慢をやめる”ことが大切です」。そう指摘するのは、高齢者専門の精神科医としてこれまで6000人以上を診察し、近著『80歳の壁』(幻冬舎新書)や『老いが怖くなくなる本』(小学館新書)が話題となっている和田秀樹氏だ。 内閣府の「平成29年度版高齢社会白書」によると、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を患うと予測される。ただ、和田氏は「認知症を怖がり過ぎることをやめたい」と語る。「私は年間100体ほどの遺体の解剖結果を見てきた時期がありましたが、85歳を過ぎた人の全員の脳にアルツハイマー型の変性が見られます。つまり、認知症は“老化現象”ととらえられる一面があり、歳を重ねると誰にでも起こる症状なのです。過度に怖がるのではなく、認知症になることを前提にして、発症をなるべく遅らせることです」 そうした前提を踏まえ、和田氏は「運転免許の返納」に慎重な考えを示す。「筑波大学が約2800人の高齢者を対象に2019年に行なった調査の結果によると、運転をやめた人は続けた人と比べて、認知症などで要介護認定を受けるリスクが2倍以上に高かった。高齢者の運転免許返納が推奨されていますが、運転をやめて外出の機会が減り、人や社会との交流が少なくなるほうが健康へのリスクも大きい。75歳以上のドライバーへの認知機能検査が始まりましたが、実際は全年齢で事故は起こっています。検査を実施するなら、すべてのドライバーに受けさせないのは差別でしょう」(和田氏) 一方、歳を重ねると寝付きが悪くなり、睡眠不足と認知症発症の関連性も指摘されている。しかし、和田氏は「眠れないなら無理に寝なくてもいい」と語る。「睡眠障害の治療のために睡眠導入剤を服用する人が少なくありませんが、薬による転倒や認知機能障害といった副作用のリスクのほうが怖い。高齢になるほど運動量が減るので疲労が少なく、睡眠時間は減ります。昼寝をするなど眠くなったら眠ればいいのです」 80歳を超えたら老いや体の不調を受け入れる。そのうえで「新しいことややってみたいことにどんどんチャレンジして、頭と体を使い続けることが認知症予防にもなる」と和田氏は語る。 何歳になっても元気でいるために、「やめるべきこと」は多そうだ。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.19 07:00
週刊ポスト
(共同通信社)
名大名誉教授が指摘、ワクチンによる免疫力低下の可能性 接種サイクルに議論必要か
「もう4回目の接種券が届いたのよ。2回目は40℃近い熱が出たし、3回目は副反応は弱いって聞いていたのに腕があがらなくなったし。それでもやっぱりコロナは怖いから、打たなきゃダメよね……」 60代女性のそんなつぶやきに、友人が答える。「えっ、4回目も打つつもりなの? もういい加減にやめた方がいいんじゃない。私も3回打ったけど、ワクチンを打つたびに体が弱っていくような気がしているのよ」 打つべきか、打たざるべきか。日本中、いや世界中で、それに似た会話がどれだけ繰り返されてきたことだろう。5月25日から、新型コロナワクチンの4回目接種が始まった。3回目接種から5か月以上経過した、60才以上の高齢者などが対象だ。多くの人は、つらい副反応が出ても感染を予防すると信じてワクチンを打つだろう。だが、その大前提を覆す衝撃の分析データが公表された。 医療機関や保健所が、新型コロナの新規感染者のデータを入力する厚生労働省のシステム『HER-SYS』。そこには、感染者の年齢や性別、ワクチンの接種歴が入力され、コロナ対策のための重要で膨大なデータが蓄積されている。ワクチンの接種歴に限って見ると、「未接種」「2回接種」「3回接種」「接種歴不明」に分けてカウントされる。 例えば、オミクロン株の新規陽性者数の高止まりが懸念されていた今年4月4〜10日の1週間では、すべての年代において、ワクチンの未接種者よりも2回目、3回目の接種を終えた人の方が、陽性者が少なかった。このデータが示すのは、「ワクチンを打った人の方が、打たない人よりもコロナに罹りにくい」ということだ。誰がどう見ても、疑いの余地のない至極当然の結果だろう。 だが、厚労省が集計したこのデータに疑いの眼差しを向けた専門家がいる。小児がんや難治性血液病の専門家で、遺伝子治療やワクチンにも詳しい、名古屋大学名誉教授の小島勢二氏である。「海外の多くの研究では、オミクロン株に対してワクチンの感染予防効果が以前より低下したと報告されています。中には、効果は20%という調査もありました。 しかし厚労省の集計データではワクチン接種者の感染予防効果が80〜90%を維持しており、“あまりに高い”と不自然に思ったのです。厚労省の数値は、同じ『HER-SYS』のデータを用いているはずの国立感染症研究所(感染研)の数値と比べても大きく異なり、不審に思いました」(小島氏)数値の“改ざん”に等しい大問題 厚労省の集計データは間違っているのではないか──そう直感した小島氏が、知人の国会議員に伝えたところ、この件が国会で質疑された。すると、厚労省は突如として、データの集計の仕方を変更した。大きく変わったのは、「未接種者」の取り扱いだ。「それまで、“ワクチンは打ったけれど正確な接種日時などがわからない新規陽性者”を、『未接種』に分類していたんです。しかしこの分類だと、“打っているのに感染した人”が、“打っていなくて感染した人”とされてしまいます。つまり、ワクチンの感染予防効果が実際より高く見えてしまっていました」(全国紙記者) 4月11日以降のデータからは、それまで接種歴があるのに正確な接種日時などがわからないため「未接種」とされてきた陽性者が「接種歴不明」に分類されるようになった。実際、集計方法が変わったことでワクチンの「未接種」は7万6877人(4月4〜10日)から、3万3207人(4月11〜17日)に激減。一方、正しく振り分けられた「接種歴不明」は3万7146人から7万8488人に激増した。「未接種」での新規陽性者が大幅に減ったことで、ワクチン接種歴と新規陽性者の関係は一変した。前述の通り、従来の“間違った”集計方法では、未接種の方が2回目、3回目の接種を終えた人より10万人あたりの新規陽性者が多かった。 しかし正しい集計方法に改められたことにより、未接種と2回接種の新規陽性者数にほとんど差がなくなった。むしろ、「40〜49才」「60〜64才」「65〜69才」「70〜79才」では、未接種よりも2回接種の方が、10万人あたりの新規陽性者が多くなる逆転現象が生じたのだ。「端的に言えば、“2回ワクチンを打った人は、打っていない人と感染のしやすさは変わらない”という結果が導かれました。 それだけではありません。新たな集計方法で『接種歴不明』に分類されるようになった人たちも、詳細がわからないだけで、接種したことは間違いありません。その人たちは本来ならば『接種歴不明』ではなく、『接種者』としてカウントする必要があります。改めて独自に試算したところ、ワクチンを2回接種した人の感染予防効果がマイナスになって、かえって感染しやすいという結果になったのです」(小島氏・以下同) ワクチンの効果は時間が経過すると薄れることは以前から説明されてきた。効果が完全に消えたら、未接種者と同じスタートラインに戻るはずだ。それは問題ない。だが小島氏の試算から見えてきたのは、「2回接種者の方が未接種者よりもコロナに感染しやすくなる」という、衝撃の結果だったのである。「感染予防効果がなくなるだけならまだしも、ゼロでとどまらずマイナスに陥ったのは憂慮すべき事態です。厚労省は、指摘を受けなければ集計方法を変えなかったかもしれないし、過去にはこの集計データをもとに“ワクチンの効果の高さ”を謳っていたこともありますから、さらに問題です」 同様の“誤った”集計方法は、ドイツのバイエルン州でも行われており、昨年末に現地新聞の指摘で見直されたケースがある。「そうしたことも把握していながら、実態に即していない集計を続けていたのだとしたら、厚労省による数値の“改ざん”に等しい大問題だと言っていいでしょう」「ワクチンは切り札」だったはずなのに フランス在住のジャーナリストの羽生のり子氏が、デンマークの事例を挙げる。「昨年12月、デンマーク当局が公表した資料によると、2回接種者の感染リスクが、未接種者の1.3倍だったと指摘されています」 コロナを防ぐはずのワクチンを打つと逆にコロナに感染しやすくなる──なぜそのような“想定外”が起きたのか。「ワクチン接種後は気が緩むので、マスクを外して大声を出したり、夜の街に繰り出すなどハイリスクの行動を取りやすくなる」 よく聞かれるのが、こうした「気の緩み論」だ。だがウエブサイト「Think Vaccine」がワクチン接種者と未接種者それぞれ408人に行ったアンケートでは、感染対策の取り組みに大きな違いはなかった。「接種者、未接種者とも三密回避などの感染対策を緩和したのは3割ほどで同程度でした。この結果からは接種後に気が緩んで感染したとは考えにくい」(小島氏・以下同) そうなると、「ワクチンそのものが悪い」という疑念は拭えなくなる。日本で使用されるファイザーやモデルナのワクチンは「mRNAワクチン」と呼ばれるタイプで、人間の細胞内に「スパイクたんぱく質」を産生する遺伝子の設計図を打ち込む。このスパイクたんぱく質に体内の免疫系が反応すると、新型コロナの感染を予防する「抗体」がつくられるというメカニズムだ。 ウイルスの一部のたんぱく質を体内に投与する従来のワクチンとは異なり、mRNAワクチンは体内に数日しか残らず、増殖しない遺伝子情報を打ち込むタイプなので、比較的安全といわれてきた。一方で、本格的なワクチンとして「mRNAワクチン」が使われるのは人類史上初めてであり、人体への影響すべてが詳らかになっているわけではない。「mRNAワクチンは従来と異なる特別なワクチンです。遺伝情報を打ち込み、いわば『人工のウイルス』を感染させることが最大の特徴ですが、産生されるスパイクたんぱく質が人体に与える悪影響にまでは充分配慮がされていなかった。血栓症や自己免疫疾患の発症などのデメリットが海外の論文で指摘されています」 そもそも日本のワクチン接種が本格化したのは昨年5月だった。当時の菅義偉首相が「ワクチンは切り札だ」とハッパをかけて接種が進んだ。今年6月13日時点で2回目の接種を終えた人は国内の全人口の8割。3回目も6割の人が接種を終えた。特に65才以上の高齢者は9割が3回目まで打ち終わっている。「はしかや水ぼうそうのワクチンのように、子供のときに打っておけば効果が一生続くタイプのものもあります。しかし、コロナワクチンは想像以上に早く効果が弱くなっています。 ワクチンメーカーはウイルスの変異が発生しても、そのたびに対応するワクチンを生産すると言います。しかし免役学には『抗原原罪』という理論があります。免疫システムの反応は最初に接したワクチンやウイルスの記憶に固執し、その後の変異株への対応力が低下するというものです。仮に変異株に対応したワクチンを開発し、それを接種しても、期待した効果が得られない可能性は充分あります」 ワクチンは切り札ではなくなっているかもしれないのだ。帯状発疹や口腔カンジダの患者が増えた mRNAワクチンにはさらなる不安がある。接種後に血小板が減少する副反応があることは厚労省が認めている。海外の研究者からは心筋症の発生が増えることも指摘されている。小島氏は、接種後の「免役力の低下」による疾患の発症を危惧する。「私は臨床医として、感染症である帯状疱疹の患者が増えていることを実感しています。子供の頃に水ぼうそうを起こすウイルスに感染した場合、そのウイルスは大人になっても神経に沿って潜伏しています。免疫力が下がると体内に潜んでいたウイルスが再活性化し、神経に沿って痛みのある赤いぶつぶつが出ます。これが『帯状疱疹』です。 そのほか、カンジダという真菌(カビ)が口の中で繁殖する口腔カンジダも免疫力が低下しているときに生じやすい。帯状疱疹や口腔カンジダの患者が増えているということは、ワクチンを打ったことによって免疫力が下がっている人が増えている可能性が高いと思います。 当然、免疫力が落ちていれば、コロナに感染する可能性も高くなる。2回接種者の感染予防効果がマイナスに転じていたのは、ワクチンによる負の影響も考えられるのです」 負の側面はそれだけに留まらない。心配されるのが、命にかかわる病気の増加だ。「免疫の大きな働きは、ウイルスや細菌などの異物を排除することです。体内では、異常な増殖をする『がん細胞』も異物であり、免疫が働かなくなれば、がんも防げません。免疫力がワクチン接種で低下すると、それまで抑えられていたがんが急速に進行することも、理論上はないと言い切れません」 過去の統計から見込まれる国全体の死者数の推定値を、実際の死者数がどれだけ上回ったかを示す数値を「超過死亡」という。感染症がないときの平年の国の総死亡者の推定値と、感染症が流行したときの総死亡者数を比べれば、「感染症によってどれだけの人が亡くなったか」を導き出せる。厚労省の人口動態調査(速報値)によると今年2〜3月の超過死亡は、前年同期に比べて約3万5000人の大幅増となった。「超過死亡は昨年1年で約6万人も増え、今年の2〜3月になってさらに急増しています。コロナにより医療が逼迫し、適切な医療行為が受けられなかったとする意見もありますが、コロナ発生から3年目を迎えた今年の2〜3月はそんな状況ではありませんでした。 長いスパンで見ると、昨年4月12日にワクチンの高齢者接種が始まりましたが、その1週間後から、日本の超過死亡は突如プラスに転じました。その増加傾向は現在まで続いています。死者数の増加とワクチン接種の関係を否定するには材料が足りません。 また、感染研が、日本の超過死亡のデータを毎月公表しています。この6月に入ってから、突然、集計方法を変えました。その変更は、過去に発表されたデータの数値にも影響しました。変更前のデータと比べて、変更後は、高齢者のワクチン接種が始まって以降の『1週間あたりの超過死亡』の増加が観察された週数が、大幅に増えています。 さらに、新型コロナ感染症以外の死因で超過死亡が起こったとも発表しています。これまで感染研は、超過死亡の要因としてワクチン接種の関与を否定していましたが、変更後はどのように説明するのか気になります」 ワクチンが死を招くことは起こりえない話ではない。ワクチン戦略が広まり始めた当初、ワクチンには「95%の感染予防効果がある」とされた。だが、接種した多くの人が感染した。その後、「人口の7割が2回接種すれば集団免疫ができてコロナは克服できる」と、社会生活を平常化させるために接種が推奨された。だが、7割が接種完了してもコロナは消えるどころか、さらに猛威を振るった。 接種後に感染するブレークスルー感染が増えると、接種の目的はいつの間にか「コロナに罹らない」ことから、「重症化を防ぐ」ことにすり替わった。 現在、政府は「重症化予防に意味がある」との理由でワクチンの4回目接種を推奨している。だがワクチンの重症化予防効果も感染予防効果と同様に、早晩効果がなくなるのではないかと小島氏は主張している。「オミクロン株の流行とともに重症者が激減したのは、ワクチンの効果よりもウイルスそのものが弱毒化した結果である可能性が高い。海外のデータでは、3回接種から1か月はワクチンの高い効果が望めますが、その後急速に効果が落ちるというものもある。 重症化率が低下し、感染しても“ただの風邪”である可能性が高いオミクロン株に対し、むしろ免疫力の低下や自己免疫疾患の増加など、さまざまな悪影響が懸念されるワクチンを、接種のサイクルをいま以上に早くしてまで打ち続けるかどうか、立ち止まって議論する必要があると思います」 血液内科医の中村幸嗣さんが指摘する。「感染率や重症化率が高いデルタ株までは、ワクチン接種の効果に専門家の異論はほぼありませんでした。しかしインフルエンザウイルスほどに弱毒化するなか、リスクのあるワクチンをどう扱うのか。接種する側の国民も、政府の“接種推奨”に流されるのではなく、そのメリットとデメリットを天秤にかけて選択すべきです」 ワクチンにも“出口戦略”が求められている。※女性セブン2022年6月30日号
2022.06.19 07:00
女性セブン
近著『80歳の壁』、『老いが怖くなくなる本』が話題の和田秀樹氏
和田秀樹氏「80歳を超えて元気で過ごすには“我慢をやめる”ことが大切」
 100歳以上の人口は8万6000人を超える。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現在65歳の人の4分の1が95歳まで生きると予測されている。まさに「人生100年」が当たり前の時代となった。 長い人生を輝かせるには「健康寿命」が重要になる。そのために節制や病気の予防に努める人は少なくないが、これまでの“常識”を考え直してみることも必要だ。「80歳を超えて元気で過ごすには、“我慢をやめる”ことが大切です」。そう指摘するのは、高齢者専門の精神科医としてこれまで6000人以上を診察し、近著『80歳の壁』(幻冬舎新書)や『老いが怖くなくなる本』(小学館新書)が話題となっている和田秀樹氏だ。「食事やお酒の制限、年に一度の健康診断、多種類の薬の服用といった“健康志向”の効果はあっても60代まで。多くの患者さんを見てきた結果、70歳からはそうした我慢をやめ、好きなように生きたほうが80歳以降の人生が健康的になると考えています」 日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性は87.74歳だが、自立して健康的な生活を送れる健康寿命は男性が72.68歳で、女性は75.38歳。男性は9年間、女性は12年間のギャップがある。 もちろん、健康状態は人それぞれで、平均的な健康寿命を超えても元気な人は少なくない。そうした「80歳の壁」を越える人になるには、「70代まで続けてきた常識を捨てるのがよい」と和田氏は説く。「80歳を超えたら老いに抗うのではなく、老いを受け入れ、残った能力やその時にできることを大事にする。60代までは節制や運動に励んで生活習慣病を予防し、老いに抗うことも必要でしょう。 ただ、80代になればがんや認知症といった病気は誰でも発症します。ならば、がんにならないための我慢は意味がないと考えてもいいでしょう。過度に我慢をしてストレスを抱えて生きることは、むしろ身体にダメージを与えることに繋がります。それよりも老いを受け入れて我慢や無理をしない生活を送るほうが健康的です。そして、高齢者ではなく『幸齢者』を目指しましょう」※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.17 07:00
週刊ポスト
背中の痛み、特に脊柱管狭窄症などに悩む人は多い(写真はイメージ)
高齢者に多い脊柱管狭窄症、鎮痛剤服用は慎重に 根本的解決にならず、腎臓への負担も
 体が痛みを覚えた時、つい頼ってしまうのが鎮痛剤。薬や湿布など鎮痛剤に頼る人が多いのが腰痛だ。特に年を重ねると腰から下に痛みやしびれが出る「脊柱管狭窄症」に悩む人が増える。東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター特任教授の松平浩さんが解説する。「太い神経が通っている背骨の中のトンネルである『脊柱管』が狭まることで腰痛や太もも、ひざより下の脚のしびれや痛みが出て歩きづらくなる状態のことを指します。加齢による腰椎や背骨の組織の変形が原因だとされており、70才を超えると患者数が一気に急増します。 ロキソプロフェンやジクロフェナクナトリウムなどNSAIDsの、のみ薬や貼り薬、塗り薬を使っている人も多いですが、高齢者には腎機能が低下している人が多く、特にのみ薬は安易に使うと腎臓への大きな負担となる。夏場の脱水が起きやすい季節は、腎臓への血流が減少し腎機能が低下するため、危険度が増します」(松平さん・以下同) 問題なのは、腎機能低下のリスクを伴ううえ、鎮痛剤が根本的な解決にならないこと。「痛みそのものはわずかな時間取り除かれますが、体に変化があるわけではないため、再発の予防にはつながりません。一方で脊柱管狭窄症は、血流の改善によって一時的ながら症状が改善するため、運動やストレッチには効果がある。椅子に座って前屈みのポーズを取るだけでも狭窄を和らげることができますし、寝転がってできる『ひざ抱えストレッチ』も脊柱管を広げて神経の血流をよくしてくれます。こうして症状が和らいだ状態で体幹を鍛える運動を取り入れれば、再発予防の“貯金”ともいえる余裕ができる。試してみてほしい」 並行して取り組むべきは生活習慣の改善だ。「強い筋肉や骨を作るためには、たんぱく質と不足しがちなビタミンD摂ることが重要です。適度な日光浴とともに鮭や卵を積極的に食卓に取り入れてください。また、睡眠の質が低下すると痛みに敏感になりやすいという調査もある。『食事・睡眠・運動』の三位一体に留意したことで、当面手術を避けられたケースもあります」股関節の痛みは“詰まり”から 脊柱管狭窄症と並んで年を重ねると直面する人が増えるのは、股関節の痛みだ。「股関節に痛みが出る原因は、使い方が悪いと筋肉が硬くなり、正しい動きができなくなってしまい、変形してしまうことにあります。通常、股関節は曲げる際に外転・外旋させて動かしますが、姿勢や歩き方が悪いと股関節まわりの筋肉が緊張して内側に内旋し、可動域が狭くなって変形したり、痛みにつながる。 つまり、筋肉を緩め、詰まっている部分をほぐして正しい動きができるようにすれば痛みは和らぐということ。ひざ立ちで行う太もも前ストレッチやあお向けで行う股関節の筋トレを1日3セット行うことで、症状は大きく緩和されます」(宮岡さん・以下同)肩こりの原因は肩以外にある 急遽導入されたテレワークで、体に合わないデスクや椅子による首・肩の痛みを訴える人が増加している。湿布やマッサージ店のお世話になっている人も多いだろう。しかし、宮岡さんは首や肩の痛みやこりはその部分以外に原因があることがほとんどだと指摘する。「そのため、首や肩そのもののマッサージや湿布で改善されないことがほとんどです。こりの本当の原因は、猫背や前屈みの姿勢を長時間続けることで肩甲骨についている筋肉や胸の筋肉が緊張し、肩が前に引っ張られ、首や肩の筋肉がぴんと伸ばされ負担をかけていること。正しい姿勢を体に覚えさせ、筋肉を緩ませると楽になる。壁を使ったストレッチが効果的です」 日常生活を少し変化させることで痛みを軽減する方法もある。長澤さんが話す。「肩こりに代表される整形外科的な痛みは、入浴によっても軽減が可能です。鎮痛剤によって起きる血管の収縮拡張を外部からの熱で発生させることで、痛みを取ることができる。実際にお湯にしっかりつかることで、筋肉痛や腰痛などが改善した例はよく聞きます。ポイントは、温度が高めのお湯につかること。43℃程度が最も血管拡張効果が高いとされています」※女性セブン2022年6月23日号
2022.06.14 16:00
女性セブン
福岡「住み続けたい街ランキング2022」中央区に続く2位は福岡市内ではなく新宮町
福岡「住み続けたい街ランキング2022」中央区に続く2位は福岡市内ではなく新宮町
例年、発表されているリクルートの「住みたい街(駅/自治体)」ランキング。2022年は少し趣向を変えて、住民への実感調査による「住み続けたい街(駅/自治体)」ランキングが発表された。昨今の福岡市中心部の住宅価格は高騰が続き、周辺自治体にもぐっと注目が集まっている。また、各自治体がそれぞれ個性的なキャラクターを持っているエリアのおもしろさもある。そんな視点でランキングを紐解いてみたい。2022年「住み続けたい駅」ランキングは、地下鉄七隈線「薬院大通」が第1位!2022年「住み続けたい駅」ランキングでは、「薬院大通」駅が第1位を獲得した。街の魅力を感じる点を調査すると「人からうらやましがられそう」というマインド面が第1位に。「メディアによく取り上げられて有名である」も4位にランクインした。福岡在住歴の長い私もそうだが、何ごとにも前のめりでちょっとミーハー、“新しいもの好き”“ホメられ好き”の福岡人気質が表現された結果となった。「薬院大通」駅の支持理由2位は「雰囲気やセンスのいい、飲食店やお店がある」。美味しくて価格もお手ごろな飲食店がそろう薬院周辺。またオフィス街でもあり、職住近接のため終電を気にせず深夜まで飲食を楽しめるという福岡市の特性も、その背景にありそうだ。現在、「薬院大通」駅の利便性は、西鉄天神大牟田線と地下鉄七隈線がクロスする2位の「薬院」駅より少し劣る。しかし、2023年3月に地下鉄七隈線 天神南駅~博多駅が開業予定。博多駅へのアクセスがぐっと向上することでも注目されている。ちなみに「薬院大通」駅は2020年の「住みたい駅」ランキングでは圏外だった。しかし前述のように注目のショップや飲食店が増えたのに加え、この駅のランドマーク的存在だった九電記念体育館の跡地で大規模なマンション開発が行われたことも一因であろうか。都心の新築マンションでおしゃれに暮らしてみたい!という人が増えたのかもしれない。2位の「薬院」駅は、隣駅ということもあり1位の「薬院大通」と同様の魅力が評価された。資産価値が高そうな点を魅力と感じる人も多かったようだ。3位の「大濠公園」駅は福岡市民のオアシス・大濠公園の存在が大きいだろう。休日の朝は我が庭のような感覚で大濠公園をウォーキンやジョギング。運動したあとは園内のカフェでゆったりブランチ。そんな暮らしを日常として楽しめる。第8位の地下鉄七隈線「六本松」の街の魅力は「住民がその街のことを好きそう」「住み続けたい駅」ランキングの特長が出たのは地下鉄七隈線「六本松」。街の魅力を感じる点の第1位は「街の住民がその街のことを好きそう」。確かに「六本松421」にある福岡市科学館や蔦屋書店、裁判所など、この場所にあった九州大学の知性を受け継ぐような施設は住民の誇りである。その一方で下町感たっぷりの飲み屋街「京極街」も健在。 “裏六本松”と呼ばれるエリアにはパン好きからの支持も高いパン屋「マツパン」や自家焙煎コーヒーの「COFFEEMAN」などがあり、SNSでも若者を中心に情報が話題が尽きない人気スポットだ。住民にとっては普段着で行ける居酒屋から、オシャレに楽しめるレストランまで幅広く選べるのがうれしい。ちなみに2020年の「住みたい駅」ランキングでの地下鉄七隈線「六本松」は第11位で、10位以内にランクインしなかった。2019年の「六本松421」を中心とした再開発から数年経ち、「引越し後、実際に住んでみたら心地よかった」という流れができているようだ。住民自身が街のファンになり、当然その駅に住み続けたいと思っている。そんな関係性がよく分かる。「住み続けたい自治体」ランキング第2位は、福岡市内ではなく「糟屋郡新宮町」!続いて、「住み続けたい自治体」ランキングを見ていこう。1位の福岡市中央区は中心地の天神を筆頭に、薬院、赤坂、大濠、六本松など「住み続けたい駅」にも名を連ねる街を有する自治体。3位の福岡市早良区は人気の学校が多い西新、福岡タワーがあり高級住宅街でもある百道浜の存在が大きい。そして、ランキング内でひときわ輝く存在が2位の「糟屋郡新宮町」だ。福岡県内の「町」として最上位につけた。「糟屋郡新宮町」は福岡市東区と隣接。博多までJRで15分程度。福岡空港や天神へもJR+地下鉄にて30分程度で移動できる。また北九州市方面へのアクセスが良いことから、自宅は北九州市方面、職場は福岡市内、といった人々からも支持が高い。さらに2010年に開業した新宮中央駅の存在も大きい。「糟屋郡新宮町」で唯一のJR駅で、駅前は美しく整備され、開発とともに完成した新しいマンションが立ちならぶ。九州で唯一のIKEAをはじめユニクロ、カインズなどの郊外の大型店舗が集結し、福岡市内からドライブがてら買い物に出かける人も多い。一方で、砂浜が美しい新宮海水浴場や立花山などもあり、自然も豊か。利便性とのびのびとした住環境の両方を手にできる。これらを含めて「糟屋郡新宮町」は「人からうらやましがられそうな自治体」第2位にランキング。そのほかでは街ににぎわいがありながら、整然としているところ、これから街がさらに発展しそうなところも魅力であり、「住み続けたい」と思わせるところなのだろう。「住み続けたい自治体」ランキングには、自治体の子育てサポートや各種制度の手厚さが反映される!?「住み続けたい自治体」ランキング6位に「北九州市戸畑区」がランクインしたことも記しておきたい。以前は工場地帯のイメージが強かった北九州市であるが、現在は「福祉の街」として注目を集めている。特に年配者に向けたサービスが手厚く、市役所には「長寿社会対策課」もあり、生涯現役を目指した生きがいづくりや、在宅の高齢者への支援が充実している。また、バリアフリーの街づくりが進み、2022年には高齢者の生きがいづくりや社会者参加を促進する「いきがい活動ステーション」が小倉魚町のまちなかに誕生。さらに人口10万人あたりの病床数が20政令指定都市の中で全国2位。医療機関数も病院が第3位、一般診療が第4位(出典:保健福祉レポート2019[北九州市])と多く安心できるので、退職後のUターン・Iターンを考える人も多い。今回の調査での「北九州市戸畑区」についても、「介護や高齢者向けサービスなどが充実している」が第1位になっている。また「公共施設が充実している」では3位となっている。そして8位の「春日市」は子育てがしやすい自治体として知られている。市内の小中学校すべてが「コミュニティ・スクール」と位置づけられ、学校・家庭・地域の連携による子どもの育成を推進。地域活動参加や地域からのゲストティーチャーを積極的に受け入れるなど、子どものための豊かな環境がある。さらに「春日公園」「白水大池公園」など子どもが思い切り遊べる大型の公園が充実。子育てが本格化する前に、春日市やその隣の大野城市で住宅購入を考えるファミリーも多い。「福岡市中央区」のように以前より注目度が高い自治体もあれば、「糟屋郡新宮町」のように開発によって一気に上位へランクインする自治体もある。北九州市のように一時期は沈みがちだった人気が、徐々に復活している自治体もある。駅についてもまたしかりであろう。2022年は、福岡市博多区のJR竹下駅近くに「ららぽーと福岡」が開業。さらに同駅近くにあった「アサヒビール博多工場」の移転も発表され、その跡地の行方にも注目が集まっている。また北九州市八幡東区のスペースワールド跡地には「ジアウトレット北九州」がオープンし、人々の流れがまた変化している。街はいきもの。時代や開発とともに「住み続けたい街」への意識がどう変わるのか。これからも注目していきたいと思う。●関連記事SUUMO住民実感調査2022 福岡県版(西村 里美(エイチアンドハー))
2022.06.09 11:00
SUUMOジャーナル
「このままでは業務に支障も…」スタッフが明かす“高齢者で賑わうフィットネスクラブ”の現状
「このままでは業務に支障も…」スタッフが明かす“高齢者で賑わうフィットネスクラブ”の現状
 内閣府がまとめた『高齢社会白書』によると、2020年10月1日時点の日本の高齢化率(65歳以上人口の割合)は28.8%だった。すでに超高齢社会だが、この傾向は今後も続き、2036年には高齢化率33.3%、3人に1人が65歳以上の“超・超高齢社会”を迎えると推計されている。その時、日本の社会はどんな姿を見せるのか。高齢者で賑わうスポーツクラブ(フィットネスクラブ)にヒントがあると感じたフリーライターの吉田みく氏が、そこで働く20代の女性2人に話を聞いた。【写真】「若い人には負けない!」の思いでスポーツクラブに通う高齢者も少なくない * * * 筆者の通うフィットネスクラブの場合、平日昼間に行われるヨガや体操などのレッスンは60代以上の利用者が目立つ。ラウンジではシニア世代の利用者たちが会話を楽しみながらランチをし、次のレッスンを待つ風景をよく目にする。時にはシニア会員同士のトラブルを仲裁するスタッフの姿も目にするが、コロナ対策のための利用制限が緩和された今、フィットネスクラブは高齢者の憩いの場となっているようだ。 フィットネスクラブのフロントで働く都内在住のメグさん(仮名、29歳)は、そんな高齢の利用者たちに頭を悩ませていた。「フロント業務を行っていると、ご高齢の会員さんに対する苦情が多く寄せられます。『ずっと独り言を言っているから注意してほしい』、『体が濡れたままの状態で脱衣所を歩き回る人がいた』など、毎日のようにクレームが入ります。該当者を注意すると、『私をバカにしているのか!』と怒鳴る人もおり困っています……。大浴場で何度も失禁を繰り返す高齢者がいたこともありました」(メグさん) 利用者からの意見を聞くのもスタッフ業務の一つであることは理解しているものの、一部の高齢会員に対応する業務の量が多すぎて、清掃や入会案内などに手が回らないほどだという。店長にその旨を伝えても具体的な改善策は示されず、メグさんだけが疲弊する状態が続いているそうだ。メグさんが嘆息する。「私が働くフィットネスクラブは利用者の半数以上が60歳以上の会員さんで、彼らに売り上げを支えてもらっているといっても過言ではありません。しかし、これでは老人ホーム状態です。私は介護のプロではないので、声掛けや対応は未熟で、うまく立ち回ることができません……。万が一のことがあっても責任は負えないです」 先日、メグさんが恐れていたことが発生。70代の女性会員が大浴場でのぼせてしまい、転倒してしまったのだ。幸い大きなケガはなかったそうだが、緊急連絡先にあった女性の息子に連絡したところ、思いもよらない言葉が返ってきたという。「『母はフィットネスクラブを生きがいにしています。いつもありがとうございます』と、感謝の言葉を伝えられました。対応に困るときもありますが、必要とされている場で働けることは幸せなのかもしれません」 今回の件をきっかけに、メグさんはホームヘルパーの資格に挑戦することを決めたそうだ。「今までいろいろと大変だったが、視野が広がってよかったです」と、喜んでいた。レッスン終わりに「スマホの操作を教えて」 フィットネスクラブでインストラクターとして働くマオさん(仮名・23歳)は、レッスンが終わるたびに高齢の会員たちに囲まれてスマートフォンの操作法を聞かれることに、うんざりしているという。「私が働くフィットネスクラブは元気なシニア会員が多く、皆さんいろいろなことに興味津々。最近のブームはSNSで、レッスンが終わると私のもとに駆け寄って、私との写真を撮ってSNSにアップするんです。そのたびに、『文字のデコレーションはどうやったらいいか教えて』とか、『加工で肌をきれいにしたい』などスマホの操作法を教わろうとしてくるので困ってしまいます」(マオさん) 時には、スマートフォンの再起動やデータのバックアップの取り方なども聞かれるという。「専門的なことはわからない」と言っても、「えー、若いんだから知ってるでしょ」と、引いてくれないとか。 最近のマオさんのレッスン参加者はSNSにハマっている一部の高齢会員たちが中心で、それ以外の会員が入りづらい雰囲気があるという。それでも「注意したいけど注意するのが怖い」と話すマオさん。いったい何があるのだろうか。「規模が小さな地域密着型のフィットネスクラブということもあり、どのインストラクターも会員さんからの評価には敏感です。特にシニア会員さんは地域の事情通であることが多いので、彼らとの関係がこじれたりすれば、すぐに噂は拡散します。新しいものに意欲的なのはとても素敵なことですが、それでこちらの業務に支障が出てしまうのは正直辛いです」 健康増進、仲間づくり、大浴場利用など、フィットネスクラブに通うことで得られる高齢者のメリットは大きい。時間とお金に余裕があるシニア層がフィットネスクラブに集まるのも納得だ。しかし、なかには運営側の対応が追いついていない施設もあるようだ。この先に必ず訪れる“超・超高齢社会”に向けて、対応が求められているように感じた。
2022.06.05 19:15
マネーポストWEB
テレビ局の視聴率に対する取り組みの変化も影響か(『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』公式サイトより)
『金スマ』は2年で視聴率急落 レギュラー番組低迷で中居正広の正念場
 中居正広が正念場に立たされている。最近、MCを務める番組の視聴率が冴えないのだ。現在のレギュラーは『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)、『中居正広のキャスターな会』(テレビ朝日系)の3本となっている。「特に『金スマ』の下落ぶりは激しいですね。2年前くらいは2ケタを何度も取っていましたし、志村けんさんの追悼スペシャルの世帯視聴率は20.1%(2020年4月3日。ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)でした。それが、2年後の今年4月8日は6.8%と約3分の1になりました。3月18日には4.7%を記録しています」(テレビ局関係者) この急降下にはテレビ界の事情が大きく関係しているという。「2年前から個人視聴率が全国的に導入され、局が主に49歳以下を対象とする番組作りを始めた。それまでの世帯視聴率ではなく、『コア視聴率』を狙うようになったんです。この用語は、昨年ダウンタウンの松本人志さんがツイッターで言及したことで業界以外にも浸透したかもしれません。 もともと、『金スマ』は50歳以上に人気がありましたし、F2(女性35歳~49歳)の数字も良かったんです。しかし、コア層の支持獲得を目指し、若者に受けそうな内容に変更したため、F2の視聴者も離れてしまった印象です。『金スマ』は視聴率指標変更の影響をモロに受けましたね」(同前) 以前は高齢者に馴染みのあるタレントのドキュメンタリーがよく放送されていたが、最近はお笑い事務所の特集をしたり、かつての人気企画である社交ダンスを復活させたりと試行錯誤を繰り返している。TBS局内ではどのような評価なのか。「社交ダンスの世帯視聴率は最近にしては悪くなかったですが、それはF3(女性50歳以上)が引き上げたもので、局内の評価はそこまで高くない。TBSは個人視聴率導入の2020年、13歳から59歳までを『ファミリーコア』と定義しました。しかし、1年後に4歳から49歳までの『新ファミリーコア』に変えました。これも『金スマ』には痛かったですね」(TBS関係者) ここまで数字が落ちれば、終了の可能性も出てくるかもしれない。「最近は視聴率が取れないために休止が多いですが、代わりの特番も芳しくない。『金スマ』は知名度の高い番組ですから、新しい鉱脈を見つけて『新ファミリーコア』の数字を取りたい。もし視聴率の高い特番が出てくれば、『金スマ』の立場も怪しくなってきます。打ち切りは当面ないと思いますが……」(同前)若年層を重視するテレビ局とファンの高齢化 中居のもう1つのゴールデン帯の番組である『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)、土曜昼の『中居正広のキャスターな会』(テレビ朝日系)はどうなのか。「日本テレビは13歳から49歳までをコアターゲットとしています。その数字は合格点だと思いますよ。F2が10%を超えることもありますから、すぐには番組テコ入れとはならないでしょう。ただし、日本テレビの場合、決してコア視聴率の悪くなかった『深イイ話』や『今夜くらべてみました』を今春に終了させるなど、“攻めの改編”をしています。そのため、『仰天ニュース』も油断はできません。『キャスターな会』は世帯視聴率が6%前後で、その大半は50歳以上に支えられている番組です。日テレやフジテレビだとすぐに手をつけられてもおかしくないのですが、テレ朝は高齢者も視聴ターゲットに考えているので、この番組はまだまだ続くのではないでしょうか。意外と一番安泰かもしれません。2つとも、視聴率がすごくいいわけではないですけれど」(前出・テレビ局関係者) 春の改編期のスペシャル番組で、中居がメインを務めた番組の視聴率も、そこまで良いとは言えなかった。「3月22日の日本テレビ『中居正広の3番勝負!レジェンドとガチ対決SP』は世帯7.7%でした。コア視聴率も日テレの中では良いとは言えない。28日のフジテレビ『春の番組対抗 タイムリミットバトル ボカーン!』は世帯6.7%で、コア層の数字も良くなかった。いずれもゴールデンタイムですし、全体的にもう少し取りたかった。 21日のNHK『笑いの正体』は漫才をテーマに掘り下げ、ダウンタウンの松本人志がVTR出演するなど中居を起用した効果は絶大でした。それでも、世帯5.1%でした。NHKは広告主がいるわけではないので、視聴率はあまり関係ない局ですが、最近は数字を気にするし、若者にも見てもらおうとする。この番組の視聴者は男女50歳以上が中心でした。良い切り口の番組なので、また放送してほしいです」(同前) 2年前のジャニーズ事務所退所会見では、当意即妙な受け答えで絶賛された中居。どうしてレギュラー番組の視聴率が下がっているのか。「今さらですけど、SMAPの解散は大きかったですよね。SMAPというグループがあるから、ソロ活動も光っていた。メンバーにとって、どちらも切り離せない両輪だった。中居は当時、『アイドルなのに司会もできる』という評価だった。そして芸能界有数の司会者に成長していった。その過程において、SMAPのメンバーだったということは影響していたと思います。 もう1つ、SMAPファン、中居ファンも少しずつ歳を取り、テレビ局が重視する視聴者層から離れていっている人も増えている。その辺が理由ではないでしょうか。もちろんMCだけに低迷の原因があるわけではありません。でも冠番組の視聴率が下がれば、責任は感じるところでしょう」(同前) アイドルから司会者に転身した第一人者である中居がこのまま終わるとは思えない。ここからどう巻き返しをはかっていくのか、注目したい。
2022.06.03 18:00
NEWSポストセブン
杉良太郎
杉良太郎が平均年齢69.7才ダンスチームと懇談「ありのままで輝いて」
 歌手で俳優の杉良太郎が5月26日、埼玉・飯能市を訪れて市内のシニアヒップホップダンスチーム「GOLD DRAGON(ゴールドドラゴン)」を訪問し、ダンスのパフォーマンスを鑑賞した。 厚生労働省・健康行政特別参与として、国民の健康意識向上に尽力する杉。この日は同省の「知って、肝炎プロジェクト」の普及活動の一貫で飯能市を表敬訪問。新井重治市長との懇談の中で、杉は「肝炎は早期発見で治療することができる。そのためには肝炎ウイルス検査をすることが大事なんです。肝炎は風邪などと違って自覚症状がほとんどない。そのため、知らないうちに病気が進行し、放っておくと肝がんになってしまうという怖さがあります。高齢者の皆さんには健康な状態で長生きしてほしい。」と呼びかけた。 表敬訪問のあと、杉は名誉会長を務める一般社団法人 日本国際ダンス連盟 FIDA JAPANが推進する「ダンス健康クラブ」に登録するGOLD DRAGONとも交流を深めた。ダンス健康クラブは65才以上のダンスチームを全国47都道府県に作るプロジェクトで、現在は飯能市を含めて6都市の団体が登録している。 飯能市の社会福祉協議会が主催したシニアヒップホップ講座をきっかけに2018年に結成されたGOLD DRAGONは、男性1名・女性37名で構成され、平均年齢は69.7才。約1か月半かけて準備したステージでは、“アラ古希”の彼女たちがジャクソン5の「ブレイム・イット・オン・ザ・ブギー(今夜はブギー・ナイト)」に合わせ、軽やかにステップを刻んだ。 約1分で20パターン近くの振り付けを披露すると、「イエーイ!」と揃ってポーズを決めて杉にアピール。フロアに溢れるメンバーの元気なかけ声と明るい笑顔に、杉も何度も楽しそうに頷いて拍手を送った。チームの活動を視察した後は、杉とメンバーのうち代表者の3名(今川美雪さん・70才、斎藤厚子さん・68才、川村美智子さん・65才)で、懇談を行った。 * * *川村:「杉様」の前で踊るなんてどうしようって、みんなで緊張していたんです。でも実際に杉さんが目の前に来たら嬉しくなっちゃって自然と笑顔になるわ、いつもは出ない声が出るわ(笑い)。練習よりずっと上手に踊れた気がします。斎藤:そうそう、いつもはコーチから声を出してと言われても、みんな全然出ないのに(笑い)。今日はとにかく楽しく杉さんの前で日頃の練習を出しきろうと踊ったら、とってもすっきりしました。今川:ビックリしたのが、普段なら練習中に「肩が上がらない」「膝が痛くて無理」なんて文句がみんなから出るのに、今回は一切出ませんでした。杉:ダンス健康クラブの活動を立ち上げる際、「高齢者のダンスチームなんて本当に踊れるんですか」という懐疑的な意見も随分あったんです。そこで私はハッキリ言いました。完璧さを求めているのではなく、皆さんが輝けるかどうかが大事だ、と。高齢者はきっと「今日は足の筋が張っちゃって」とか「今日はなんだか気分が乗らない」とか、あれこれぐずぐず不調を訴えて、文句を言いながらステージに立つ。だけど、それが面白いんじゃないの?って。斎藤:ステージの上で五十肩や神経痛を我慢しながら。杉:「イテテテッ!」とか顔をしかめて、みんなで踊る。3人:あははは!杉:最高に明るいステージになりますよ。若い子が同じことをしたら鍛えて出直せとなるけど、高齢者チームのいいところはちょっとくらいフラフラしたって文句を言われない。ぜひ皆さんのダンスをテレビの地上波でも流してもらいたいと思っています。3人:え~っ、そんな姿を見られちゃうんですか!?杉:ダンスは人に見られないと意味がない。極端な例でいうと、昔は歳を重ねると入れ歯の役者が多かったんですよ。私がやっていた舞台の『遠山の金さん』で、お白洲(※いわゆる江戸時代の法廷)で金さんが悪者に打ち首獄門の裁きを下すと、「御奉行様、助けてくださーい」と命乞いする老人が出てくるんだけど、ある時、その役者の入れ歯がぱかっと外れて口元まで出てきちゃったの。3人:えぇぇぇ~!(悲鳴)杉:で、自分で「フン!」と戻した。それをお客さんが見ちゃったから笑っちゃって、笑っちゃって、しばらく芝居にならなかった。だって歯がポンと出てきて、「おぶぎょほさば~(御奉行様)」って言われてもね。これは、高齢者のチームはあんまりまじめにやっても面白くない、ということの一例なんだけど、不調があって痛いなら、痛い表情をしてもいいんですよ。入れ歯が外れてもいいし、足を引きずりながらステージから降りてもいい。我慢をしないで弱点もありのまま、全部見せちゃえばいいんです。それが高齢者ダンスチームの最大の持ち味ですよ。でも高齢者チームと言っても、私から見たら3人ともまだまだ若い。自信を持ってステージに立ってください。3人:はい!杉:元気で長生きするには体を動かすことが肝心で、その方法としてダンスをすることを勧めています。振り付けを覚えることで脳トレになるし、日常の生活とは違うヒップホップのリズムが体を動かす原動力となる機能にも影響を与えて、敏捷性も上がります。ダンスで大切にしてほしいのは、うまくなろうという向上心。少しでもその気持ちがなかったら、つまらないと思う。将来的にはダンス健康クラブのチーム対決も考えています。ひとつでも勝てば自信になるし、負ければ……3人:それは悔しいです!杉:そうですよね。で、来年は負けないぞってね。人生に今までと違ったやりがいや、楽しさが生まれる。皆さんにはダンスを通じて、生きる喜びを全国に知らしめてほしい。仲間と踊るのは楽しいでしょう?斎藤:踊って体を動かすのも楽しいですし、コーチを筆頭に人柄のいい人が集まっているので、おしゃべりがとっても楽しいんです。実は、メンバーの人でも、この年齢だから持病を抱えている人ばかりなんです。でも、「ここへくれば笑いもあって免疫力が上がるよね!」なんて言いながら、みんな滅多に休みません。杉:家に話し相手がいなくて外出もしないと、1日中黙っているお年寄りも多いんですよ。ダンス以外のこともしゃべりあって、笑いあうという時間は、すごくストレス発散にもなるんじゃないかな。川村:逆に、みんなに会えないと具合が悪くなりそう(笑い)。私はAKB48を見て、自分も同世代の仲間とあんなふうに楽しく踊れたらいいなとサークルに参加したんです。踊ってみたら盆踊り状態でとんだ高望みでしたが(苦笑い)、少しずつ体が動くようになってどんどん楽しさが増しています。杉:将来シニアの全国大会に出るようになったら、ダンスも意識もまたレベルアップしますよ。大阪の「まかろん♪」というチームに今年の4月のイベントでパフォーマンスをしてもらいましたが、あちらは平均年齢78才でセンターを張るのは最高齢の88才! 健康でパワフルだし、メーキャップもバッチリしていましたよ。今川:すごい! メーキャップをして踊る自分たちの姿を想像するとわくわくしますね。杉:2曲、踊りきりました。その後、他のイベントで3曲踊ったそうですよ。今:88才で3曲も覚えられるなんて。私たちは1曲揃えるのがやっとでした……。杉:1曲踊り終えると、息切れしますか?3人:しません!杉:だったら、体力は3曲でも大丈夫。ゼエゼエ息が上がるのは、力が入っているからです。ダンスは身も心も軽いステップじゃないとだめ。芸はすべて「足」。ダンスも立ち回りも芝居も相撲も、すべて足に芸が出ます。足が捌けなければ、芸は磨けません。川村:どうしたら捌けますか。杉:稽古しかない。そして鏡を見ること。役者は鏡に自分の姿を写して喜怒哀楽の稽古をするけれど、それは自分を知るため。自分の状態を知らなければ、芸は上達しませんから。ダンスでもパーンとターンをしてシュッと止まるところをフラフラ動いたら、それは“無駄足”。鏡をよく見て無駄な動きがないか、基礎の練習を積み重ねることです。斎藤:ダンスは上半身の動きが肝心だと思っていました。杉:植物も人間も、地に根を張っているかどうかなんです。下半身にしっかり力が入れば、自然と全身に力が入りますよ。上達するには鏡で自分の状態を見ること、そして人に見られること。芸能人がデビューしてどんどん垢抜けていくのは人に見られているから。見られることで人間は、顔も歩き方も変わっていきます。3人:これからは私たちも鏡を見て練習を頑張ります。杉:希望者がいればダンスの構成にソロを入れて、ひとりに注目を集めるのもいいかもしれない。どうですか?川村:ソロやってみたいかも。今川・斎藤:杉さんの前で踊って自信もついたし、かっこよく踊りたい気持ちはあります。杉:「私が前へ行くのよ!」という人がたくさんいたほうがステージもより盛り上がる。前へ出ようとする人を引き止めたり、逆に押し出したり。斎藤:川村さんはどんどん前へ行っちゃうタイプ(笑い)。杉:影でナレーションの解説が入れば、さらに盛り上がるかも。「この川村さんはダンスの実力は伴っていませんが、前へ出たがる人です」とか。3人:その通り!(大笑い)今川:随時そういう楽しい解説を入れていただけたら、ラクな気持ちで踊れそうです。杉:ちょっとした演出というか、高齢者のダンスの大会はプロリーグとはルールも変えて観客も楽しめるようにしたいんです。「この人は練習で転んでしまって、今は腕が上がりません」とかね。3人:それは当人も助かります(笑い)。健康を維持してこれからもずっと、みんなでダンスを続けていきたいです。杉:今の時代、年齢は関係ありません。ダンスという楽しみを見つけたのなら、踊り続けてほしい。息を引き取る間際まで人生を楽しんでほしいですね。取材・文/渡部美也  撮影/平野哲郎  取材協力/OH!!! ~発酵、健康、食の魔法!!!~ レストラン「Femy_」
2022.06.01 16:00
NEWSポストセブン
ドコモショップ削減にシニア世代の子供たちもショック「有料でも維持してほしい」
ドコモショップ削減にシニア世代の子供たちもショック「有料でも維持してほしい」
 NTTドコモは2025年度までに、販売店「ドコモショップ」の約3割を閉鎖する方針であることが明らかになった。閉鎖を予定する店舗は、全国のドコモショップ約2300店のうち約700店にあたる。スマートフォンの契約手続きはオンラインでもできるようになり、オンライン専用プラン「ahamo」の利用者も増えていることも、今回の店舗削減の背景にあるだろう。【画像】ドコモショップの活用法のひとつ スマホをつかいこなしたい人向けに開催している「ドコモスマホ教室」 たしかにオンライン手続きは、スマホを使いこなせる人には、店舗に行く必要がなく便利なサービスだが、スマホやネットの操作が苦手な高齢者にはハードルも高く、実店舗で店員に説明を求めるケースも少なくない。これまで「スマホでわからないことがあったらドコモショップに行っていた」というシニア世代が、残った7割の店舗に押し寄せる可能性もあるだろう。そうしたなかで、高齢の親を持つ子供たちからも悲鳴があがっている。“安心”のためのドコモだったのに メーカーに勤務する40代女性・Aさんは、「格安スマホがいっぱいある中で、親子ともども高い月額料金を払ってドコモと契約しているのは、“安心”を買っていたからなのに……」と動揺している。近所のドコモショップが閉店にならないか不安だという。「スマホデビューしたばかりで、ネットにも不慣れな親でも、ドコモショップに飛び込めば何かあったときに対応してもらえるという安心感がありました。もし、近所の店舗が閉鎖されたら、私にいちいち使い方とかを聞いてくるのは目に見えている。親はこちらが仕事中だろうがなんだろうが電話をかけてくるので、たちが悪いんですよね……。スマホを持たせたこと自体が失敗だったかなとも思ってしまいます」(Aさん) Aさんはドコモショップでの対面サービスが受けられないならば、NTTドコモとの契約を見直すことも検討している。「近所に実店舗がある大手キャリアへの移行もアリではないかと考えています。もしくは最近の格安スマホでも、実店舗があるうえ電話対応などのサポートが手厚いところもあるので、そちらとか。私の親にとって、スマホを持つことは期待よりも不安のほうが大きいみたいなんです。他社もこのまま店舗が減っていく流れになるしょうけど、なんとか残してほしいというのが本音です」(Aさん)スマホデビューを目指していた矢先の悲報 高齢親のスマホデビューを考えていた人も、今回のニュースに動揺している。専門商社に勤める40代男性・Bさんは、自身も親も長年にわたりドコモユーザーであることから、親のガラケーからスマホへの移行もNTTドコモに頼もうと考えていた。「もううちは十数年もドコモで、家族割を使っていることもあり、親のスマホへの乗り換えもドコモ一択でした。スマホデビュープランというものを考えていましたが、頼みの綱の近所のドコモショップが閉店する可能性があると知り、前向きになれなくなりました」(Bさん) ドコモショップでは、基本無料でスマホをつかいこなしたい人向けに「ドコモスマホ教室」を開講している。Bさんはこの教室で親のスマホデビュー後を支えてもらう予定だった。「家電量販店でiPhoneの下見を親に提案したところ後日、電話で『エクス……なんとかっていうiPhoneかっこいいね』と親から報告がありました。AndroidとiPhoneの違いすらわからず、“スマホ=iPhone”という認識なんですよね。そのレベルの知識なので、不安で仕方がありません。それでも親は前向きで、ドコモのスマホ教室で、LINEやオンライン手続き、キャッシュレス決済をマスターしたいと意気込んでいます。それだけに今回の店舗削減は私にとっても親にとっても悲しい報せでした」(Bさん)有料でもいいから対面サービスを維持してほしい IT企業に勤務する40代男性・Cさんは、「有料化してでも実店舗でのサービスを続けてほしい」と嘆願する。「ドコモは昔から高齢者層から支持が厚く、スマホに機種変更しても契約し続けている人も少なくないはず。たしかに、高齢者対応でドコモショップの人たちが疲弊しているのも理解しています。私も親の知識が乏しすぎていら立ち、ケンカになったこともありました。でも、現状でもドコモショップでの機種変更の手続きは手数料がかかり、オンラインなら無料としているのだから、ショップとオンラインを差別化して残してもいいのではないかと思います」(Cさん) ドコモショップの削減は、シニア世代だけでなく、その子供たちにも悲しい知らせとなっている様子。親からスマホについてあれやこれや質問される未来を想起して、暗い気持ちになっている子供世代も少なからずいるようだ。
2022.05.31 15:15
マネーポストWEB
安全運転をアシストしてくれる「ベンツ」
78歳の釜本邦茂氏が考える免許返納「ハンドルを置く時期は自分で決めたい」
 5月13日から75歳以上のドライバーの免許更新に新たに「運転技能検査」が加わった。「認知機能検査」を受ける義務もあり、免許更新のハードルが上がっている。警察庁が「免許返納」を勧めている流れもあり、最近では、西川きよし(75)や二之湯智・国家公安委員長(77)など有名人の免許返納が相次いでいる。一方で「それでも免許は返納したくない」という人たちもいる。サッカー解説者・釜本邦茂氏(78)に聞いた。 * * * 同世代の人と比べて運転には自信があり、今も毎日ハンドルを握っています。自分ではまだまだ若いと思うが、それでも歳を重ねるとだんだん運転が横着になるというか、反応が遅くなっているようです。 70歳を過ぎた頃から家内や子供に「夜は運転しないように」と言われ、その頃は「年寄り扱いするな」と思っていましたが、高速道路を運転中にトンネルに入った時、急に前が見えにくくなりヒヤッとしたことがありました。そこで暗いと見えにくくなったことを自覚し、以降は夜の運転を控えるようになりました。 今は自分の中でルールを作り、自宅から事務所まで通勤する際は朝の通勤ラッシュを避けて遅く出発し、陽が高いうちに帰宅するようにしています。長距離の運転もできるだけ避け、家の近所や事務所までの慣れた道だけ走るようになりました。 弁護士になった孫娘がうるさいんですよ。仕事柄、高齢者の交通事故の実態を見ることが多いそうで、「できるだけ早く返納して」と言われ続けています。家内や子供に言われると反発したくなるが、孫に言われると素直に聞いてしまう。とはいえ、生活の一部だった車の運転はまだまだやめたくないので、免許返納ではなく、“自粛”ということにしています。 ただ、更新時の75歳の高齢者講習の認知機能検査はあんなに厳しくする必要があるのか。技能試験だけで十分なはずなのに、まるで年寄りに運転を諦めさせるための試験のようにも見える。高齢者もいろいろ考えているし、ハンドルを置く時期も自分で決めたい。それを理解してもらい、廃止してほしいですね。※週刊ポスト2022年6月3日号
2022.05.29 19:00
週刊ポスト
“トイレでの最期”を防ぐためにどうするか(イメージ)
油断してはならない「高齢者の便秘」“トイレでの最期”を避けるためにすべきこと
 日々の食事は健康に直結するが、“出す”のも命がけだ。トイレが高齢者にとって、死を招く危険な場になっていた。 大便の状態を記録して腸活を実践するアプリ「ウンログ」の経営会社が、2020年にユーザー3000人を対象に行なったアンケートでは、コロナ禍で排便状況が変わったという人は50%を超え、その人のうち43.3%が「便秘になった」と回答。たかが便秘と放置しがちだが、高齢者の便秘には死を招く恐怖がある。 排便時にいきむと血圧は急上昇しやすく、その結果「脳卒中」や「心筋梗塞」、「動脈瘤解離」などを発症するリスクが増加すると指摘されているのだ。 日本初の便秘ガイドライン『慢性便秘症診療ガイドライン』(2017年)によれば、便秘とは「排便回数が少ない」または「排便困難」な状態のことを言う。ガイドライン作成に携わった、横浜市立大学大学院の肝胆膵消化器病学教室・主任教授の中島淳氏が語る。「正常な排便回数は『1日2回~2日に1回』とされ、毎日のお通じは必ずしも必要ないものの、排便が3日に1回になると危険信号です。また、排便困難というのは、排便時に強くいきむ必要があったり、残便感があったりする状態のこと。仮にお通じが毎日あったとしても、いきみや残便感が生じれば便秘と言えます。特に高齢になるほど排便困難を感じるケースが増えるので要注意です」 排便回数や頻度だけでなく、「便の状態」もトイレ死を見極めるポイントとなる。「スムーズに排便するためには、便の形状や硬さが重要です。理想的な便の状態としては、硬くも柔らかくもない『バナナ状』がベスト。水のような下痢や軟便が出ている状態、またはウサギのフンのようにコロコロした硬い便の場合は健康状態に注意が必要ですが、特に後者の人は、排便時に強くいきむ必要があるため、トイレ死のリスクが増します」(中島氏) 自分は便秘じゃないから大丈夫──という人も油断してはいけない。しらはた胃腸肛門クリニック横浜院長の白畑敦氏が語る。「一般的にトイレは他の室内と比べて温度が低い場所で、暖かい場所から寒いトイレの個室に入ったり、冷たい便座に座ったりすることで血圧が急激に上昇することがあります。今は暖かくなったとはいえ、まだ冷える日もあるので、夜中や早朝の時間帯に布団の中からトイレに行く時は、血圧の変化に気を配る必要があります」 朝方は日中よりも血圧が高くなりやすい。脳梗塞や心筋梗塞の時間帯別発症数は、午前8~12時の起床後まもない時間帯が最も多いとの研究結果もあり、朝方のトイレには特に注意が必要だ。また歳を重ねると持病はつきものになるが、高血圧の人は「トイレ死」のリスクが高いことも知っておきたい。中島氏が語る。「排便時にいきみ、血圧が急上昇することで死のリスクが増すので、もともと高血圧の人はさらに血圧が上がるためハイリスクになります。血圧が高く、日常的に降圧剤を服用しているご年配の方も多いですが、トイレでいきむ時は薬の服用に関係なく、血圧が急上昇するので油断は禁物です。また、過去に心筋梗塞や脳梗塞などを発症した人も、動脈硬化が進んでいるためリスクがあります」刺激性の便秘薬は… トイレで死を迎えると下半身を露出していたり、糞尿まみれになったりするケースもある。人生の最期を迎える場としては、なるべく避けたいシチュエーションだ。悲惨なトイレ死を防ぐにはどうすべきか。大切なのは、まず日常生活を整えることである。「規則正しい生活をすることで自律神経のバランスが整い、便が出やすくなります。睡眠も大切な要素なので、夜ぐっすり眠るために昼寝は30分程度にとどめてほしい。ウォーキングなどの適度な運動も効果的です。 また特に重要なのが食事で、食物繊維を多く摂るように心がけましょう。国が推奨する1日20gは、キャベツなら1個、シイタケなら30枚、リンゴなら6個に相当してハードルが高いですが、肉食習慣のなかった江戸時代の日本人は、毎日100g以上の食物繊維を摂取し、便秘とは無縁だったとされています。まずは野菜を多く摂るように取り組みましょう」(中島氏) 便秘を自分で治そうとして、薬局などで売られている便秘薬に頼るケースは多い。だが市販の便秘薬には落とし穴がある。白畑氏が語る。「市販薬の大半は『刺激性』の薬で、お腹をグルグル刺激して便を出させます。しかし服用するうちに耐性ができ、飲む回数がどんどん増えて薬物依存につながります。一方、病院で処方されることの多い『非刺激性』の便秘薬は、クセにならず効果が持続します。自分でなんとかしようとせず、医者に相談したほうがよいでしょう」 その他、便秘の解消にはお腹を「の」の字に手でさするマッサージが効果的で、いきみを防ぐ理想的な排便姿勢(図を参照)もトイレ死を防ぐ有効な手段となる。快適な生活は快便から始まるのだ。※週刊ポスト2022年6月3日号
2022.05.29 11:00
週刊ポスト

トピックス

公務に邁進されている(6月、東京・港区)
佳子さま「公務に積極的」になられた背景に「皇籍離脱」「結婚」か
女性セブン
亜希
亜希 陰から見守る元夫・清原和博と息子達との「父子鷹」
NEWSポストセブン
披露宴での志摩ノ海と元関脇・逆鉾の長女・清香さん(時事通信フォト)
故・逆鉾の長女が結婚で後継者確定も名門・井筒部屋再興への“高いハードル”
週刊ポスト
SNSでの発信力も大きい新庄ビッグボス(時事通信フォト)
新庄ビッグボスのインスタ投稿が波紋 「ファンとそれ以外の分断を煽る」の指摘も
NEWSポストセブン
クルマ、ギター、アート、スケートボードにもこだわる
長瀬智也、英国のバイク誌に登場 悠々自適な暮らしに「所ジョージ化している」の声
女性セブン
小室圭さんと眞子さん
小室圭さん妻・眞子さんがNYで行きつけのスーパーから見えてきた“妻の気遣い”「日本でいえば『成城石井』」 
NEWSポストセブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の〈16歳飲酒〉〈お風呂入り〉告発に、花街関係者も衝撃「未成年飲酒には厳しく対応しているはず」
NEWSポストセブン
不祥事を理由に落選したはずなのに、比例で復活されては…(左は塚田一郎氏、右は中川郁子氏/写真=共同通信社)
「不倫路チュー」「USBは穴に…」失言・不祥事で落選しても比例復活するゾンビ議員たち
週刊ポスト
注目を集めるNHK吉岡真央アナ
「ポスト和久田麻由子アナ」候補のNHK吉岡真央アナ 替え歌ダンスで“キャラの強さ”際立つ
週刊ポスト
前田敦子と篠田麻里子の女子会姿をキャッチ
前田敦子、篠田麻里子と六本木で4時間半女子会 元夫・勝地涼との関係は良好に
女性セブン
謎めいたバッグを持つ広末涼子
広末涼子、“破壊力強すぎ”コーデは健在「背中に蜘蛛」私服に続き目撃された「謎バッグ」
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン