芸能

松平定知氏「本能寺の変仕組んだのは黒田勘兵衛では」と分析

高松城址公園に立つ松平定知氏

 NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』がスタートする。「天下人」豊臣秀吉が最も信頼を置き、それゆえに最も恐れた智将・黒田官兵衛。「戦国最強のナンバー2」が駆け抜けた地を「官兵衛好き」を自任する元NHKアナウンサー松平定知氏が訪ねた。

 * * *
 毛利輝元との和平交渉とそれに続く(明智光秀討伐の)中国大返しの手際の良さをみると、私は黒田官兵衛が本能寺の変を仕組んだのではないかとさえ思っていますが、この高松城址の地(岡山市)に立ってみて、その読みに自信を深めました。というのは、高松城は難攻不落だったので豊臣秀吉は織田信長に援軍を要請したとされていますが、現場を見る限り、深い堀も壮大な石垣もない平城で、とても難攻不落とは思えないからです。

 秀吉と官兵衛が毛利攻略で、この地にあった高松城への水攻めの最中に本能寺の変は起きました。信長の訃報に泣き崩れた秀吉が落ち着くのを見計らって、官兵衛はこう囁いたといいます。「ご武運が巡ってまいりましたな」。

 数万の軍勢を率いて猛スピードで京に駆け戻り明智光秀を討つ。鮮やかです。鮮やかすぎます。なぜなら、当日京都には家康接待のため、ごくごく少数の護衛を連れた信長がいるだけ。有力武将は誰もいない。多くの兵を持っているのは秀吉援軍に赴く光秀のみ(光秀ならこの状況に必ず気付く)。これは状況証拠でしかありませんが、官兵衛にはそれぐらいのをやってのけても不思議ではないと思わせる何かがあります。

 今年のNHKの大河ドラマは黒田官兵衛が主人公ですが、私のもっとも好きな武将のひとりです。私が官兵衛を好きな理由は、忠義を重んじ、ナンバー2に徹しながら、そのくびきから解き放たれると自ら天下取りに打って出たところにあります。

撮影■太田真三

※週刊ポスト2014年1月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン