そして、原則的に「目標レートは取引開始時点で決まる」ことになった。以前は、為替の値動きによって目標レートが追加されたりしたが、新ルールでは固定される。その代り、オプションの価格が値動きにより変化するようになっている。

 また、新しいメリットといえるのが、「投資できない価格帯を設けることの禁止」。以前は、例えば、基準レートと取引終了時のレートが同じだと、すべての予想が外れたことになり、FX会社の“総取り”となっていた。この”総取り”は他のケースでも起きることがあり、疑問視するユーザーも多かった。そこで新規制はFX会社の”総取り”を禁止している。

 最後は「ポジションの解消」。これは、いったん購入したオプションを、取引終了時の前に売却することができることを意味しているのだが、これによって、バイナリーオプションを活用する余地が大きく広がった。

 取引開始時にオプションを購入した場合、もし相場が予想と反対方向に大きく動くと、目標レートに到達する可能性が小さくなるため、オプション価格はドンドン下落してしまう。為替レートが目標レートとかけ離れてしまう前に売却できれば、ある程度損失を食い止められる。

 逆に、相場が予想した方向に動けば、オプション価格は購入価格よりも値上がりする。そこで売却すれば利益確定ができる。ポジションの解消ができるようになったことで、損失および利益を途中で確定することが可能となったのだ。なお、この途中売却は、取引時間中は何度も繰り返せる。

 バイナリーオプションは、ラダー型だけでなく、ワンタッチ型やレンジ型といったタイプもある。また、IG証券のように、FXだけでなく、日経225やNYダウなどの株価指数や、NY原油(WTI)先物、NY金先物といった商品指数を取引対象とする、バイナリーオプションもある。こうした商品は、現物や先物投資のヘッジとして活用することも可能。バイナリーオプションへの注目度は、ますます高まるだろう。

※マネーポスト2014年春号

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン