投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月21日~4月25日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、29~30日の連邦公開市場委員会(FOMC)での100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)継続観測、30日の日本銀行金融政策決定会合での追加緩和観測から、下げ渋る展開が予想される。
【日米金利差拡大観測】
29~30日のFOMCでは、米国の景況感が改善しつつあることで、100億ドルのテーパリング継続が予想されている。30日の日本銀行金融政策決定会合では、追加緩和観測が浮上している。日米金利差の拡大観測から、ドル・円は下げ渋る展開が予想される。
【日・3月貿易収支】(21日)
日本の3月の貿易赤字は、1兆円を上回る見込みとなっており、2月の-8025億円からの赤字幅の拡大が見込まれている。3月の貿易赤字が大幅に拡大した場合、3月の経常収支が経常赤字に転落する可能性、2013年度の経常収支も赤字に転落する可能性が高まることになる。
【日・3月消費者物価指数】(25日)
3月の全国消費者物価指数は、前年比+1.6%と予想されており、2月の+1.5%から上昇する。3月のコア消費者物価指数は、前年比+1.4%と予想され、2月の+1.3%からの上昇が見込まれている。日本のインフレ率の上昇は、円売り要因となる。
【ウクライナ情勢】
4月17日に開催されたウクライナ、欧州連合(EU)、米国、ロシアによる4者協議では、ウクライナの騒乱の沈静化に向けた対策に着手することで合意された。しかしながら、5月25日のウクライナ大統領選挙に向けて、ウクライナ東南部のロシア系住民によるロシア編入を求める住民投票を要請する声が高まりつつあることで、依然として予断を許さない状況が続く。オバマ米政権が「OFAC規制」を発動し、ロシアの国家及び金融機関の資産凍結を強行した場合、ロシアも米国債の売却や天然ガス供給停止などを警告している。
【本邦機関投資家の外貨建て資産投資】
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額計画を受けて、本邦機関投資家による新規の外貨建て資産への投資増額が期待されており、円売り要因となる。
4月21日~25日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。