ビジネス

サントリー佐治社長「最近『やっちゃいました』社員いない」

 創業家出身の社長といえば、伝統を重視し、改革を嫌うきらいがある。帝王学を授かりながらも、就任した途端、守りに入ってしまうトップは珍しくはない。特に、「孤独」に弱い二世や三世は多い。

 ところが、サントリー社長・佐治信忠氏、この人はまるで違う。大きすぎる父の背中に臆することなく改革を追い求めてきた。最大の改革が初の「創業家外」(ローソン・新浪剛史氏)への社長禅譲だろう。社長就任前から、佐治氏の取材を重ねてきた経済ジャーナリスト・永井隆氏が、異端の創業家社長の「生き方」を綴る。  

 * * *
 佐治が社長に就任したのは2001年だ。この頃には、かつての洋酒メーカーから脱皮し、清涼飲料、花卉、健康食品など多方面に手を広げていた。本業を守るより、新規事業をいかにヒットさせ、軌道に乗せるかが求められた。2002年、筆者にこう話している。

「社員には奇人変人たれと訴えています。企業は人です。やんちゃボーイ、やんちゃガールがサントリーでは面白いものをつくってきたし、やってきた。彼ら彼女らがやって失敗した場合は、リターンマッチでまたやり直せばいい。失敗するだけのことをやったことが尊いという風土です。奇人変人が働きやすい会社にする。何より変人を見出して育成するのが、経営者の一番の仕事でしょう」

 サントリーでは「失敗よりも、やらないことが罪になる」と同社幹部は言う。ただし、企画の可否は、佐治社長独特の感性によって決まる。企画の決裁は社長自ら行なう。複数の社員が話す。

「『弱いなぁ』と言われたら見込みはありません。『変なものつくりやがって』ならいける」

「ダメだと言われ、『私が間違っていました』と返したら絶対ダメ。最後まで『やらせてくれ』を繰り返すべき」

「マーケティングなどの数字を羅列すると、通らない」

 現代の企業経営において、時代遅れにも見えるスタイルだが、不思議と結果は伴う。大ヒットの高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」、京都の老舗・福寿園との協力によって開発された「伊右衛門」、最近ではハイボール路線でウイスキー需要を生んだ。

関連記事

トピックス

永野芽郁のCMについに“降板ドミノ”
《永野芽郁はゲッソリ》ついに始まった“CM降板ドミノ” ラジオ収録はスタッフが“厳戒態勢”も、懸念される「本人の憔悴」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン