しかし、前出の木暮氏は「あくまでスマホの補助的な情報表示で十分」と日常使いの機能には警鐘を鳴らす。
「PCのディスプレイ画面をそのままメガネに映して細かい情報が表示されたとしても、決して見やすいものではありませんし、目の疲労やストレスも相当なもの。また、カメラを装着すると、プライバシー侵害の懸念から本人よりも周囲にいる人たちが嫌悪感を抱き、トラブルにも発展しかねません。
重要なメールのタイトル表示や矢印だけのナビ機能に限るなど、メガネ型端末は必要最低限の情報表示や機能だけに絞り込んだほうが一般への普及も早いと思います」(木暮氏)
東芝や日立、EPSONなど、日本でもメガネ型端末の研究開発を急ぐ企業は多い。だが、ウェアラブル端末の本分である「身に着けるメリット」から逸脱して商品化すれば、新たな情報機器として根付かないばかりか、せっかくの利便性もユーザーに届かないだろう。