子供のためにと一生懸命キャラ弁を作る母親が増えているというが、その手間はかなりのもの。共働きのお母さんだと、なかなかキャラ弁を作る時間もなく、普通のお弁当になることも珍しくないはず。
しかし、キャラ弁ではないということが原因で、子供が悲しい思いをすることもあるという。
4才の息子を千葉県内の幼稚園に通わせるA子さん(37才・会社員)は夫と共働き。毎朝忙しく、息子のお弁当は夕食の残りものや冷凍食品でまかなうことが多かった。ある日、いつものように仕事を終えて息子を幼稚園まで迎えにいった帰り道、息子がこうつぶやいた。
「ママ、ぼくも『ジバニャン』(『妖怪ウォッチ』の人気キャラクター)のお弁当がいい」
よくよく聞くと、同じ組の仲のいい友達はみんなキャラ弁。おかずを交換する時、自分だけ輪に入れず、寂しい思いをしているという。
「キャラ弁が流行っていることは知っていましたが、まさかお弁当が原因で子供がお友達と仲よくできないなんて。忙しくて弁当に凝る時間の余裕はなく、ほとほと困っています」(A子さん)
過熱するキャラ弁ブーム。仲間はずれやいじめなど子供への影響を考え、キャラ弁を禁止する幼稚園も増えている。都内のある幼稚園の園長が語る。
「入園最初の説明会で保護者に『キャラ弁禁止』を伝えています。ブームが行きすぎると、子供が『○○ちゃんみたいなお弁当にして』とねだるようになり、母親の負担が増してしまう。家庭にはいろいろな事情があり、子供に言われたからといって母親が無理すべきではありません。私たちはお弁当の中身にかかわらず、『作ってくれたお母さんに感謝しようね』と子供たちを指導しています」
もっともな意見だが、キャラ弁禁止については母親たちの意見は賛否まっぷたつに割れるようだ。
「私は料理が苦手だし、家計も苦しいので材料をたくさん使うキャラ弁はすごく負担になります。いっそ、禁止するほうが親としてはありがたいですね」(34才・主婦)
「娘の保育園はいつもは給食ですが、月に1度、お弁当の日があり、張り切ってキャラ弁を作ります。子供が喜んで食べてくれるのがうれしい。なにも禁止することはないのではないでしょうか?」(32才・パート)
※女性セブン2014年11月20日号