この点について、有名ブロガーで臨床心理士の「ロテ職人」さんは、自らのブログでこう疑問を呈している。
<えーと、もし精神科・心療内科に通院中の方がカウンセリングを受けることを希望されたらどうするのでしょうか?>
<「通院していること」の証明は簡単ですが、「通院していないこと」の証明をしてもらう必要があると思うわけなのですが、それって悪魔の証明そのものですよね>
それはそうだろうが、なぜそこを問題視するか。
<ネットや電話を使った遠隔カウンセリングで、どうやってある程度妥当なアセスメント(見立て:筆者注)をするのか、私には皆目見当がつきません>
<場合によっては、本当は医療機関への受診が必要な病態水準のクライエントであることに気づかず、「健康な人」として不毛な、時に有害なカウンセリングを続けてしまう可能性もありますよ>
うーん、その危険性はたしかにあるのかな。でも、あえてラポール側の立場から言えば、そのリスクの回避法も含めて、このたびの試験運営で探ってみますということではないだろうか。
筆者はこのラポールの存在を発見したとき、「試験結果を知りたい!」と思った。冒頭からあれこれ書き綴ったように、自分の気持ちを誰かに話したいというニーズは膨大にある。
家族や友達や飲み屋や趣味のサークルなどなどにおいて、その気持ちをまるごとまではいかないにせよ、部分的に解放しつつ、人は日々の生活を送っている。ただ、肩こりや腰痛がひどいときに、クイックマッサージでちょいとほぐしてもらうような感じで、気持ちの混乱を心理系のプロに整理してもらってスッキリというのもありなんじゃないか、と思うのだ。
マッサージの世界では価格破壊が進んで、全身コース60分で2980円といったチェーンが繁盛している(有資格者どれだけいるか疑問)。比して、「50分喋るだけで5000円高っ」と感じる人は少なくないだろう。でも、臨床心理士の対面カウンセリングは、だいたい50分で8000円~10000円だ。ラポールは、いちおうお値打ち価格を提示しているつもりのはずだ。
これまでも各種心理資格のホルダーたちが、個人的に電話やスカイプを使ったカウンセリングや傾聴サービスを方々で行っている。だが、どれだけウェブ上で情報開示を心がけているところでも、やはり怪しさが漂っている。ごく一部を除いてお客がついているようにも見えない。その点、なんだかんだ言っても「リクルート」という全国ブランドは、使えるかもしれない。
どうだろう。煮詰まり気味な方は、ちょっと利用してみたら?
もちろん、ここでリクルートの宣伝をする気はさらさらないのだが、このビジネスがどう成り立つのかは見てみたいのである。当該サイトにある予約カレンダーでは、今のところ「残数」ありのセッションが多く、このままだと企画倒れっぽい気もしたから紹介するのである。手出しも早いが、撤退はもっと早いし、リクルートは。筆者は諸事情があって、申し込めないので、お試しになった方が感想をアップなんぞしてくれたらすごく読みたい。