では「圧勝」「大勝」としなかった2紙はどうなのか。
日経新聞に「なぜ他の新聞のような圧勝とか大勝とか使わないんですか」と訊ねたところ、
「見方の違いとしかいいようがないと思います。なんなんですか?(「各紙で見出しが違うから気になったもので」)なにか気に入らないのですか?(「いえ、素朴な疑問です」)うーん、事実を述べた、ということですね。社説では『圧倒的な勢力を確保』と『圧』という言葉を使ってますけれどね」
途中でこちらから「ありがとうございました」といっても、なかなか電話を切らせてくれず、社説の文章を探し出して読み上げた。あんまり電話が掛かってこないのだろうか、こちらに興味津々な感じだった。
毎日新聞は、
「(「朝日、読売、産経は『大勝』とか『圧勝』とか使っているが」と質問すると、他紙を確認して)あーそうですね。圧勝は圧勝なんでしょうが、(毎日)新聞としては、微減というのを強調したかったのかなあと、思います」
朝日、読売、産経は選挙後の勢力図に力点を置いた見出しで、毎日は前回選挙からの推移について力点を置き、日経は勢力図に力点を起きながらも自民が減らしたことも配慮して「圧勝」と見出しに打たなかったのかもしれない。
私自身はどうせ今回の選挙で政権交代は起きないだろうから、どこの政党がどれだけ増やすか減らすかだけ楽しみにテレビの選挙特番を見ていた。勢力図より推移に注目していたわけで、今回の選挙ではそういう人も多かったのではないか。もっと勝つだろうと予想していた自民党が逆に議席数を減らしたので、翌日の朝日新聞を広げて「あれ?」と思った次第である。
ちなみに各社の「読者相談センター」とも電話を取るときは「○○新聞です」としか名乗らないのだが、最初に「お電話ありがとうございます」と付け加えたのは、毎日新聞愛読者センターだけだった。