ライフ

「まるで別人!?」セレブの顔豹変のナゾを美容皮膚科医が解説

 海外ゴシップ記事などでしばしば取り上げられるのが、ハリウッドセレブの顔の変化だ。スターにとって役作りのために体重を増減させたり、髪型を大きく変えたりするのは日常茶飯事とあって、“違う顔”が珍しいわけではないだろうが、整形手術などを繰り返した結果、あまりにも豹変してしまったと話題になることも少なくない。

 たとえば『ブリジット・ジョーンズの日記』などで知られる女優のレネー・ゼルウィガー(45才)。2014年10月に行われた雑誌『ELLE』主催のイベント「ELLE Women in Hollywood」に登場した時は、以前と顔が全く異なるとして世界中のメディアが騒然となったのも記憶に新しい。この時は、ヒアルロン酸注入やボトックス注射などのアンチエイジング治療を過剰に行った結果、別人のような顔になってしまったのでは…といった観測がゴシップ誌を賑わせた。

 枚挙にいとまがないセレブたちの“いじりすぎ顔”は、どうしてできてしまうのだろう? 世界最大手のヒアルロン酸メーカー「ガルデルマ(Q-MED)」から世界初の「ヒアルロン酸注入の顧問指導医」に認定されている「美容皮膚科タカミクリニック」(東京・表参道)の高見洋院長に、顔が激変したと噂になったハリウッドスターたちの写真を見てもらい、そのナゾを解明してもらった。

「口元などは年を取って痩せていくのに、頬の肉付きが異様に良かったりと、典型的な局所集中型のヒアルロン酸注入のせいもあると思います。あと、頬の部分が下に落ちてきているケースもあります。おそらく皮膚の浅い部分にヒアルロン酸注入をしているので、ヒアルロン酸が上手く固定できなかった可能性がありますね。僕だったら、もっと深い部分に注入し、ヒアルロン酸が下垂しない注入技術を用います」

 どうやらセレブたちが受けた施術には、かなり大雑把なものもあるようだ。

「目元や口元はシワもできるので年齢感が出やすいのですが、その一方で造形が難しい部位なんです。なので、技術が低いお医者さんだと、注入技術はもちろん、なぜ年齢感が出てしまっているかの分析、デザイン力、美的センスがないため、目元や口元のヒアルロン酸注入を避けたがる人もいるようです。額や頬も自然に美しく見せる注入は難しいのですが、ただ無造作に注入するのであれば技術的に簡単なため注入しやすい。まさに多くに例はそういったもので、全体のバランスをしっかり考えずにヒアルロン酸注入をした結果だと言えます」

 本当なら美容皮膚科医は、患者が求める若さを実現するために最適の方法を選択しなければならないはず。しかし、実情はなかなかそうではないのかもしれない。

「もしも患者さんが“頬に注入してほしい”と言っても、それが必要でないのなら、ちゃんと“必要ではない”と伝えて、別の最善の方法を提示するのが良いお医者さんだと思います。それに、本当に上手にヒアルロン酸注入をしていれば、写真で見ても違和感を抱かないものです。バレバレなのは、全体のバランスを考えずに注入したため、結果としてあまり良くない施術だったという証拠ですね」

 ハリウッドでは、明らかに過剰な美容施術で別人のように顔が変化しているセレブが少なくないのに加え、美しくなっていればいいが、どう見ても醜く変化してしまっているケースも多々見受けられる。

「1回施術をすると“これだけ変われるならもっとやってほしい”と求めてくる患者さんが多いのは事実です。でも、施術を繰り返したところで、美しくなれるわけではないんです。重要なのは、顔全体のバランスを見て、必要な部位に必要な量を注入すること。僕としても、もう十分に注入しているにもかかわらず、気にし過ぎで、病的に繰り返し注入を求める患者さんに“必要ない”と説得するのは大変なことですが、そこで施術しないことこそが重要なんです」

 ハリウッドセレブの場合は、とにかく過剰な施術をしてしまう傾向があるが、日本の女性の場合はどうなのだろうか。たとえば、“涙袋があったほうが良い”とか“唇がぷっくりしているほうが良い”などのトレンドもありそうだが…。

「実はパーツごとのトレンドはあまりないですね。それよりも全体的に優しくしてほしい、若々しくしてほしいということを求められる患者さんが多いです。

 僕が専門としているヒアルロン酸注入は、美容整形とは違って“〇〇みたいな顔にしてほしい”というものではありません。あくまでも自分の個性をそのままに、自然な印象で若さを取り戻したり、美しさを引き立たせたりするものです。そこを忘れてしまうと、ハリウッドセレブのような過剰な結果になってしまいます」

 商売だけを目的としている医師なら、患者のオーダー通りにどんどん施術をしてしまうだろう。しかし、最良の医師は、あくまでも患者の美しさを求めるものであり、必要な施術だけを最高の技術で行うはずだ。まずは誠実なドクターを選択することこそが、美しくなるために重要なことなのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン