さらに、骨肉バトルが一層燃え上ってしまいそうなのが、久美子氏が勝利した場合である。
「久美子氏が勝っても勝久氏が大株主であることには変わらず、来年も再来年も株主提案権を行使して久美子氏の解任を要求することができますし、株式公開買い付け(TOB)で株をさらに買い集める選択肢もあります。
久美子氏は父親の持ち株比率をなんとか薄めようと、ファンドを介して市場から株を買い漁り、MBOという形で自分たちが会社を買う手段に出たり、敵対的買収を防ぐためにホワイトナイト企業(友好的な第三者)を探してきて第三者割当増資をしたりして、父親に対抗せざるを得なくなる可能性があります」(松崎氏)
ここまでドロ沼にはまると、もはや「大塚」の看板を外さなければならないリスクまで高まってくるという。
「敵対的買収などによる攻防が長引けば経営が不安定になることはもちろん、別の会社に乗っ取られたり、他企業の傘下入りを余儀なくされることも考えられます。そうなったら一族経営という事業承継は断ち切られてしまいます」(同前)
大塚家具の父娘に「どちらかが矛を収める」という選択肢は残されていないのだろうか。