学校側の資金管理に不信感を表明したのは、この春に入学した女子生徒の母親だった。

「模試代や副教材費の被害金額は、全体としては大きな金額でも個人としては少額です。問題なのは修学旅行費や校外研修費です。大阪桐蔭の修学旅行では10年来、××ツアー(発言では実名)という会社だけを使い続けていますが、それはなぜですか?」

 さらにこの保護者は、修学旅行先のカナダについて外務省がテロ警戒の注意喚起をしていたにもかかわらず、「説明会を開いたかと思えば、スーツケースの大きさばかり指導していた」と不満を述べたが、寺川国仁・校長は個別の質問には「多岐にわたっており、立て直すことに今は全力を尽くしたい」として答えなかった。

 第三者委員会は簿外資金は塾関係者への接待などにも使われたと報告した。別の新入生の母親はこんな疑念を口にした。

「娘が通っていた塾では、やたらと大阪桐蔭を薦められました。今思い返すと接待を受けていたのかなと」

 また、別の保護者は桐蔭の生徒の間で回っているLINEの文面を紹介した。

「先ほどから前校長とは連絡が取れないの一点張りですが、生徒の間では、『たぶん倉庫で首吊ってるで』というLINEが出回っているんですよ! もう学校のことはどうでもいいと子供たちは思っている。生徒の心を傷つけた責任は重い」

 保護者が抱く疑念について、寺川氏は明確な回答を避け続けた。

※週刊ポスト2015年4月24日号

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