内閣府の調査によると、30代男性の約30%が非正規雇用。30代といえば、多くが結婚し、子育てを始める時期だが、非正規雇用の不安感や低収入で異性との付き合いや結婚に踏み切れない人が多い。30代後半の男性の未婚率は年々上昇し、現在は35.6%(総務省「国勢調査」)。未婚の割合は非正規雇用者が高く、正規雇用者の約2倍に上る。
結婚しない、できないから、本来この世代で消費を引き上げるはずの「住宅」「車」に手を出さない。当然、子供も生まれないから、結婚・子育て世代をターゲットとする業界は危機感を募らせている。
「成約数は減少の一途。結婚したとしても、経済的事情で挙式や披露宴をしない『ナシ婚』層が増えていますから、売り上げは下がる一方です」(ブライダル会社社員)
労働環境だけではない。結婚、子育てを始めても、増税とアベノ円安による物価上昇が襲いかかる。子育て中の夫婦は切実な悲鳴を上げる。
「粉ミルクや乳幼児の食料品まで値上げされた。でも、子育てのために削れない出費なので、自分たちのことは後回しにせざるを得ません」(30代女性)
※週刊ポスト2015年4月24日号