国際情報

韓国人はいま「日米と中国の間でどちらにつくか?」で悩み中

 韓国は今なぜか“壬辰倭乱(イムジンウェラン)ブーム”だ。16世紀末、日本の豊臣秀吉軍による朝鮮半島侵攻である「文禄・慶長の役」(1592~1598)を背景にしたドラマが大人気なのだ。昨年は秀吉派遣の日本水軍を撃破する海戦シーンがウリの映画『鳴梁(ミョンリャン)』が観客動員で史上最大の1700万人突破で大ヒットしたが、今年は同じ時代を背景にしたKBSテレビの連続大河ドラマ『懲ビ録(チンビロク)』が話題になっている。

「懲ビ録」というのは当時、韓国側の重臣で対日戦にあたった柳成竜(リュ・ソンリョン、1542~1607)が書き残した反省と戒めの回顧録。ドラマは彼を主人公に朝鮮朝廷の内情や日本側の思惑、それに「倭乱」は途中から明との“日中戦争”になるため、日中朝三つ巴の外交戦などがテーマになっている。

 余談だが主人公の柳成竜は実は日本では韓流ファンの間で結構、知られている。韓流スターの草分けの一人だったリュ・シウォン(柳時元)の先祖だからだ。

 リュ・シウォンはその14代目で「河回(ハフェ)・柳氏」の末裔だ。今は民俗村として観光地になっている慶尚北道・安東の「ハフェマウル(河回村)」に先祖の立派な旧家があり、ここは韓流ファンの観光スポットの一つになっている。

 話題のKBSのドラマは「光復70年記念」と銘打っている。したがってドラマ制作の背景には明らかに現在の東アジア情勢への関心がある。韓国とすれば、安倍・日本の再浮上と歴史修正主義、習近平・中国の軍事大国化を含む膨張政策の中で「わが国はいかにあるべきか?」という課題を、歴史を参考に考えようというわけだ。

「壬辰倭乱」の秀吉軍は総勢15万といわれた。加藤清正軍がいち早く中朝国境に達し、小西行長・黒田長政軍などがソウルから北上し平壌を占領したところで支援の明軍が南下し、状況は泥沼化する。

 その後、戦いは日中戦争の様相になるが、こうした展開は20世紀の朝鮮戦争(1950~1953年)とそっくりだ。この時は米韓軍が中朝国境に達したところで支援の中国軍が介入し戦争は泥沼化した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン