駐日中国大使も務めた王毅外相もことあるごとに同じ趣旨の内容をしつこく述べている。
王氏は6月27日、北京で開かれている「世界平和フォーラム」で講演し「日本の指導者は歴史(認識問題)の被告席に立ち続けるのか、侵略を受けた国と和解するのか、これは日本が解決しなければならない重大な問題だ」と述べるとともに、今年は「反ファシストと抗日戦争勝利70年」であり、「中国を含め世界各国は侵略を美化するいかなる言行にも反対だ」とも語っている。
中国人民対外友好協会会長で習近平国家主席に近い李小林氏も自民党訪中団に対して、安倍晋三首相の対中外交について「関係改善を主張しながら言行不一致だ」と強い不信感を表明していたと伝えられており、中国側の70年談話に対する態度は度を超しており、ヒステリックとさえ映る。
これについて、『習近平の「反日作戦」』の著書があり、中国問題に詳しいジャーナリスト、相馬勝氏は次のように解説する。
「これらの発言や報道については、最高指導者である習近平・国家主席の強い意向が働いているのは間違いない。謝罪や侵略の表現が含んだ村山談話、河野談話はそれぞれ江沢民、胡錦濤時代に出されており、習指導部時代の安倍談話にそれらのキーワードが含まれていなければ、習氏のメンツが潰された形となる。
そればかりか、長老指導者を中心に、習氏の対日弱腰姿勢と批判されて政治的に危機的な状態に陥ることも考えられるため、習氏としては70年談話に侵略、謝罪などの3つのキーワードを入れさせようと必死なのではないか」