益子:最近だと、奥さんがケタケタ笑いながらスマホの画面を見せてくるんです。「近くのコンビニに益子がいた。この辺に住んでるのか」っていう誰かのつぶやきを発見して。それくらいいいんですけど、「すれ違いざまに、プーンと汗のにおいがした」って書いてあったんです。そこまで書かなくてもいいじゃないか、恥ずかしいじゃないかって(笑い)。
福田:20才くらいの頃の話ですけど、先輩にガンビーノ小林さんがいるんですね。散々、飲み屋さんを連れ回されて、朝4時くらいにガンビーノさんの家に帰って、やっと眠れるのかなと思ったら、「今から永ちゃんのビデオを見るぞ」って寝かせてもらえなかったのはつらかったですね。
ガンビーノさんがイライラしている日は、「そこの本を読め」って言われて、芸能人の自伝みたいな本を読まされるんです。それで、「そんなわけねえじゃねーか! 考えが甘いんだよ!」とか、その本に対する文句を聞かされるんですよ(笑い)。
益子:吉本さんは先輩がいっぱいいるので、色々教えてもらえるじゃないですか。ぼくたちは、特にフリーの頃は先輩がいなかったので、その頃、ガンビーノさんに芸人の“飲み方”みたいなものを教わりましたね。
福田:当時はまだ事務所に入っていなくて、どっかに入らなきゃだめですかねってガンビーノさんに相談していて。「漫才は大丈夫だから、焦らずじっくりやってろ」って言われたのを覚えています。焦りがあったんですけど、浮つくなって言われて、気持ち的にも落ち着きましたね。なかなか寝かせてくれないでけど、すごくいい先輩なんですよ(笑い)。
【U字工事】
栃木県立高校の同級生だった、福田薫と益子卓郎の2人により、大学卒業後の2000年に正式にコンビ結成。栃木弁を駆使した癒し系ほのぼの漫才を武器に一躍ブレイク。2010年、2015年に、国立劇場花形演芸大賞金賞受賞。『とちぎ発旅好き』(とちぎテレビ) レギュラー出演中。
撮影■林紘輝