ビジネス

日経平均 「2016~17年にかけて3万円」のシナリオに現実味

 世界を襲った同時株安の衝撃は、日経平均株価を約半年前の水準まで押し戻した。突然、冷や水を浴びた投資家が慌てふためくのは仕方ないところだが、この乱高下相場でもしっかり稼ぎまくっていたのが、「億り人」とも呼ばれる、資産1億円以上の個人投資家たちだ。彼らも世界同時株安後の日本株は「やはり強い」と断言する。

 そのひとり、むらやん氏は、「8月25日は急落後のちょっとした反発を狙って後場(午後に行なわれる取引)だけで90万円の利益を上げました」と、しっかりと結果を残していた。今後の狙い目についてはこんなアドバイスをする。

「中長期的には、2017年4月に10%に上がる消費増税前までは国内の消費は上がり続けるはずで、内需の堅調さが予想されます。そこに加えたいのが、インバウンド(訪日外国人)関連銘柄。中国ショックとはいえ、爆買いを軸にしたインバウンド消費が終わってしまうわけではない。現に日本にはいまだに多くの中国人がブランド物を買い漁りに来ている。『内需+インバウンド』の条件を満たすような銘柄を狙うのも手です」

 本誌は前号(8月21日発売号)で、SMBC日興証券がEPS(1株あたり利益)、PER、ROE(株主資本利益率)などの各種指標から「日経平均は3万円を超える」と分析した記事を掲載した。その追い風となりそうな外的要因が、早ければ9月中に実行される米国の利上げである。

「今回の株価急落は安全資産とされる円を買う動きが強まって、円高が一気に進んだことも大きな要因でした。しかし、今後、米国の利上げによって日米金利差が拡大し、米国景気がさらに良くなれば、『円安→株高』という流れが再び加速するのは間違いありません」(グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏)

 武者リサーチ代表の武者陵司氏も「3万円説」を唱える。

「中国の危機が相当深刻化しないという条件が付きますが、世界屈指の日本企業の収益力を目当てにグローバルマネーが流入すれば、日経平均は年内に2万5000円、来年から再来年にかけて3万円というシナリオも現実味を帯びてくるはずです」

 専門家が口を揃えるように「安い時が絶好の買い場」という投資の鉄則が今こそ生きる好機といえそうだ。

※週刊ポスト2015年9月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン