そして最近通い始めたという62歳の男性は、興味深い表現で楽しさを語った。
「一昔前の『デパートの屋上遊園地』みたいな感覚で利用していますね。最近のゲームセンターは、自由に弁当を食べられたり幼児を寝かせられたりするスペースがあり空調も効いているので、暑い日でも安心して孫を連れてこられるんです」
大阪の中堅ゲームセンター経営者が頷く。
「最近はお孫さんを連れた年配のお客様が増えました。気軽に出かけられて子供も大人も楽しめるという理由のようです。店のほうも要望にお応えして、シニアの方に人気のあるメダルゲームを増やしました」
孫との憩いの場になっているだけではない。お気に入りのスタッフや店で知り合った顔なじみのシニア常連客と会うのが楽しみで通う、という声も少なくない。
「メダルゲームばかりやっていたので、他のメダルゲーム好きの常連何人かと友達になりました。このお店には2年くらい通っていて、大勝ちしたときに余ったメダルをお店に預けています。行きつけの店に『ボトルキープ』しているような気分。本当はやっちゃいけないことなんですけど、友達が大負けしていたら分けてあげてますよ(笑い)」(71歳男性)
かつて若者の溜まり場だったゲームセンターは、いまやシニア世代の社交場と化している。
※週刊ポスト2015年9月11日号