ライフ

孤島・沖ノ島 ただ一人の常駐神職は毎朝全裸で海で禊を行う

宗像3女神の一柱、田心姫神を祀る沖津宮の社殿

 2017年の世界遺産登録の候補地として注目を集める福岡の玄界灘の孤島・沖ノ島。この島は、切り立った岩肌が沿岸部を覆う周囲約4kmの小さな孤島だ。島の中央部へは、石造りの鳥居をくぐり、狭く急な山道を600mほど登ることになる。標高80m地点の原生林の中に祭祀遺跡である巨岩に取り囲まれた沖津宮の社殿が姿を見せる。

 沖ノ島に常駐するのは宗像大社の神職一人だけ。彼らは10日交代で島に祈りを捧げる。寝泊まりするのは港の近くに建つ社務所。毎朝、全裸で浜辺から海に入り、禊(みそぎ)を行なう。それはたとえ雪の降る日でも、暴風雨の日でも必ず繰り返される日課である。その後、白衣に着替え険しい参道を登り、沖津宮社殿で御米や御酒を神前に供え、祝詞をあげる(「日供祭」)。

「誰もいない孤島で自然を感じ、五感で神と向き合う。祭祀本来の姿を呼び戻す、貴重な時間です」(宗像大社・広報) 荘厳なしきたりを守る「神宿る島」では今日もまた、祈りの声が響き渡る。

撮影■阿部伸治

※週刊ポスト2015年10月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン