ところで群馬の「すき焼き応援県」だが、9月30日に県が行ったアンケートによると、「すき焼き応援県」と群馬が名乗っていることについて県民の認知度が約2割という結果が出た。報道の中にはキャンペーンの効果を疑問視する記事もあったが、先述のブランド推進課は、
「たった1年で2割も認知していただいた、という認識です」
とポジティブ。
もともと群馬でとくにすき焼きが食べられていたわけではない。このアンケートでも家庭ですき焼きを食べる頻度について訊ねたところ、「半年に1回」が28%、「年に1回」が26%に止まった。香川県の「うどん県」、宇都宮の「餃子の町」のようにはいかない。
「ええ、ですから我々も『すき焼き県』とは名乗らないです。発祥の地でもありませんから。あくまですき焼きを『応援する』立場です」
「応援」とやや持って回った言い方には、そういう謙虚さが込められていたのである。取材を終えて電話を切るときに、
「これからもすき焼きをよろしくお願いいたします」
と、さらに念を押されて好印象を持った。
これからは邪道といわれようが、水っぽくなると言われようが、断固としてすき焼きに白菜を要求していこうではないか。それが群馬産であればなおいいと思っている。