スポーツ

田尾安志氏 プロ野球を目指すならどの球団でもやる覚悟必要

 今年も10月22日に開催されるプロ野球ドラフト会議。過去50年の歴史の中で、歓喜と涙で綴られた運命のドラマが繰り返されてきた。そうした中で、ドラフトでは「選ぶ側」も「選ばれる側」も決意がいるというのは、野球評論家の田尾安志氏だ。田尾氏が自身の体験をもとにドラフト制度について語る。

 * * *
 僕は同志社大時代の1975年、ドラフト1位で中日から指名されました。当時は予備抽選で指名順位が決まる完全ウェーバー制。当日までどの球団に指名されるか全く予想できない。実際、事前に中日からの挨拶はありませんでした。

 個人的には、プロで勝負すると決めた以上どこでも頑張るという覚悟がないとダメだと思います。この球団なら行くけど別の球団なら実業団、という言い草はプロ球団にも実業団にも失礼な話ですよ。

 そんな私が楽天の初代監督として「選ぶ側」に回ったのは2004年オフ。栄養費問題(*注)で明大野球部を退部した一場靖弘を自由枠で指名しました。そういう事情がなければ新規参入チームが獲得できる選手じゃなかった。ドラフトにはそういう運がついて回ります。

【*注:栄養費問題/一場が読売巨人軍から200万円を「栄養費」名目で受け取っていたことが判明し、渡邉恒雄氏がオーナーを辞任する事態にまで発展した】

 監督やフロントがドラフトまでに得られる情報はほんのわずか。最終的には現場を駆けずり回ってるスカウトを信頼することが大事です。そういう意味ではドラフトは選ぶ側にも決意が必要なんです。

※週刊ポスト2015年10月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

快進撃が続く大の里(時事通信フォト)
《史上最速Vへ》大の里、来場所で“特例の大関獲り”の可能性 「三役で3場所33勝」は満たさずも、“3場所前は平幕”で昇進した照ノ富士の前例あり
週刊ポスト
家族で食事を楽しんだ石原良純
石原良純「超高級イタリアン」で華麗なる一族ディナー「叩いてもホコリが出ない」視聴率男が貫く家族愛
女性セブン
グラビア撮影に初挑戦の清本美波
新人美女プロゴルファー清本美波が初グラビアに挑戦! ふだんの「韓国風メイク」よりおとなしめのメイクに困惑
NEWSポストセブン
【あと1敗で八冠陥落】藤井聡太八冠、「不調の原因はチェス」説 息抜きのつもりが没頭しすぎ? 「歯列矯正が影響」説も浮上
【あと1敗で八冠陥落】藤井聡太八冠、「不調の原因はチェス」説 息抜きのつもりが没頭しすぎ? 「歯列矯正が影響」説も浮上
女性セブン
小学校の運動会に変化が
小学校の運動会で「紅組・白組を廃止」の動き “勝ち負けをつけない”方針で、徒競走も「去年の自分に勝つ」 応援は「フレー! フレー! 自分」に
NEWSポストセブン
歌手の一青窈を目撃
【圧巻の美脚】一青窈、路上で映える「ショーパン姿」歌手だけじゃない「演技力もすごい」なマルチスタイル
NEWSポストセブン
一時は食欲不振で食事もままならなかったという(4月、東京・清瀬市。時事通信フォト)
【紀子さまの義妹】下着ブランドオーナーが不妊治療について積極的に発信 センシティブな話題に宮内庁内では賛否も
女性セブン
死亡が確認されたシャニさん(SNSより)
《暴徒に唾を吐きかけられ…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の母親が“残虐動画の拡散”を意義深く感じた「悲しい理由」
NEWSポストセブン
9月の誕生日で成年を迎えられる(4月、東京・町田市。写真/JMPA)
【悠仁さまの大学進学】幼稚園と高校は“別枠”で合格、受験競争を勝ち抜いた経験はゼロ 紀子さまが切望する「東京大学」は推薦枠拡大を検討中
女性セブン
5月場所は客席も活況だという
大相撲5月場所 溜席の着物美人は「本場所のたびに着物を新調」と明かす 注目集めた「アラブの石油王」スタイルの観客との接点は?
NEWSポストセブン
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
アメリカ・ロサンゼルスの裁判所前で、報道陣に囲まれる米大リーグ・大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告(EPA=時事)
《愛犬家の間で命名問題がぼっ発》仲良くしてほしくて「翔平」「一平」とつけたが、飼い主から「一平の名前どうしよう…」「イッちゃんに改名」
NEWSポストセブン