「大学陸上界でバラエティー班は私だけでしょう。それを強みと思っています」
「選手は男前しか獲らない」
営業マンの経歴を活かしたメディア受けする発言や、従来の常識にとらわれない行動も注目を集めた。
「バレンタインデーには学内で『バレンタイン駅伝』を開催しました。100人近いファンを集め、選手と触れ合う機会を設けるなど、原監督は話題を提供し続けた」(同前)
他にも、イケメンと評判の選手の握手会を開催したりするなど、バラエティ路線には異論も出ている。そんなムードの中で幕を開けた大学駅伝シーズンの緒戦、出雲駅伝(10月)は青学が優勝。そこでの原監督のコメントが火に油を注ぐ。
「負けたら末代までの恥という覚悟で臨みました」
「(出場選手を)選ぶのが大変だった。2チーム出させてほしい。1、2位を取れた」
この発言には酒井・大八木両監督も我慢ならなかったようだ。陸上専門誌のライターが明かす。
「2人とも“他大学で頑張っている選手たちをバカにしている”と怒り心頭でした。特に酒井監督は“青学大に隙がないわけではない。簡単に勝たせたくはない”と公の場で口にするほど悔しがっていた」
さらに全日本直前には、報道陣の囲み取材に応じた原監督がこんな発言をしていたという。
「原監督は“これは書いちゃダメだよ”と前置きして“素人の僕が三冠取っちゃったら、どうなんだろ。他の監督はどんな指導をしてるんでしょうね?”と、大勢の記者の前で言ったんです。記事にはなりませんでしたが、他の監督たちの耳には入っているはずです」(同前)
こうして迎えた全日本では前述の通り、東洋大が優勝、駒澤大は3位だった。その駒澤大の大八木監督の表情は何とも妙だった。
「5連覇を逃した大八木監督は悔しがっていると思っていたんですが、結構ニコニコしていて“(酒井監督と)どっちかがやってやろうと話していた。良くやった!”と東洋大を称えたんです。それほど青学には優勝させたくなかったんだと感じました。
大八木監督は3大学生駅伝を何度も優勝していますが、まだ三冠だけは達成していない。ポッと出の原監督に簡単に達成させるわけにはいかないと思っていたのでしょう」(同前)
※週刊ポスト2015年11月20日号