また、2017年4月の消費増税を控え、「10%への引き上げを何としても実施させるために、追加緩和や財政出動などあらゆる政策を打ってくるのは間違いない」と平野氏はいう。

 それに伴って「2016年後半からは増税前の駆け込み需要が効いてくる」(戸松氏)ため、まさに「奇跡」のような経済状況が続くというのだ。

 ただし、過去の消費税引き上げ後がそうであったように、駆け込み需要の反動減など消費増税が景気の腰折れにつながり、市場にとっても大きな向かい風となる。だからこそ今年は「ラストチャンス」なのだ。さらに、戸松氏はこんな見方をする。

「米大統領選の前年から当年にかけては株価に優しい政策を打ち出しますが、選挙後の1~2年はその反動に加え、痛みを伴う改革などが実施される傾向が強いため、株価は下げやすくなります」

 藤井氏が指摘するように、株価は半年から1年先の映し鏡といわれる。2017年4月の消費増税から逆算すると、遅くとも2016年秋には日本株が変調をきたす可能性がある。しかし、見方を変えれば、それまでは株価が上昇を続ける可能性が高く、「2016年が稼ぎ場であるのは間違いない」と平野氏は断言する。

※週刊ポスト2016年1月15・22日号

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