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植松晃士氏 「40才過ぎ女性がナチュラルで得することない」

 世の中のオバさま方が健康で美しく生きられるよう、ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、アドバイス。今回は、大人かわいいナチュラル服を愛用する中高年女性への提言です。

 * * *
 皆さま、ご機嫌よう。

 先日、お正月のお休み明けに、銀行の窓口に行ったときのことです。思いのほか混んでいて、長椅子には整理番号札を握りしめ、順番を待つオバさまがたがズラリ。「何ごと?」と思ったら皆さん、私と似たような重みのある箱、または袋を持っているではないですか。

 実は年末に大掃除していたら、忘れかけていた貯金箱というか壺を見つけたんです。結構な量のコインが入っていたので、銀行でお札に換えようとしたら、同じ目的らしきオバさまがたに遭遇したというわけ。

 多分、皆さんも部屋のあちこちから、へそくりだの貯金箱を発掘したんですね。日本のご年配層は小金持ちが多いといわれていますが、文字通り、“小銭持ち”はオバさまばかりでした。

 長椅子で順番待ちをしていた私は、さっそくオバさまがたのお洋服や手にしている雑誌のウオッチングを始めました。お洋服は“ユニフォーム”のかたが圧倒的多数です。つまり、地味色のダウンコートに、同じく地味色のズボン、そして運動靴と、これはもう判で押したよう。

 そして手にしている雑誌は、女性セブンをはじめ週刊誌や情報誌が多いのですが、皆さん、大根の煮物などお料理特集を食い入るように読んでいました。

 内心、「大根の煮物がそこまでお好きなの? たまにはファッションページをご覧になったら?」と思うのですが、そんなことを口に出して言えるはずもありません。

 しばらく観察しているうちに、またひとつ新たな発見をしてしまいました。巷では、『大人かわいいナチュラル服』を特集するファッション誌を愛読する中高年女性を、“ナチュラルオバさん”と呼ぶそうですが、その勢力は確実に増大しています。

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