ビジネス

三菱グループ 総売上58兆円で世界一のグループ企業

 三菱グループの発祥は約150年前に遡る。土佐藩が1870年に開いた九十九商会の監督に岩崎弥太郎を任命。三菱財閥創業者である彼は近年、NHK大河ドラマ『龍馬伝』で香川照之が演じて話題となった。

 翌1871年、廃藩置県を受けて九十九商会は弥太郎の個人事業となり、1873年に三菱商会と改称した。

 その後、弥太郎の16歳下の弟で二代目総帥の弥之助が、買収した高島炭鉱と三菱重工業の礎となる官営長崎造船所を中核に事業を展開。弥太郎の長男である三代目の久弥は、神戸や下関への造船所の新設のほか、麒麟麦酒の設立など事業を多角化した。

 四代目は弥之助の息子・小弥太。三菱銀行や三菱鉱業、三菱商事、三菱電機などを設立した中興の祖として知られている。その小弥太によって示された経営理念が「三綱領」である。「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」の3つだ。三菱グループの各社で共有されている理念であり、「三菱のDNA」と呼ばれている。

 現在、三菱グループに属する企業は600社以上に上る。中核となるのは29社だ。その会長・社長たちは定期的に懇談昼食会を開いており、それは「三菱金曜会」として知られている。

 昨年は三菱重工業で建造中の大型客船が火災に見舞われ、キリンHDが上場以来初の赤字となるなど、グループ内には暗いニュースもある。それでも三菱グループとしての影響力は健在だ。なぜ三菱は強いのか。経済ジャーナリストの片山修氏の話。

「三菱グループ各社は、三綱領を共有しているので、グループ全体として進む方向がバラバラになることがない。三綱領が強力な接着剤となって、固い結束力を生みグループ各社の連携も取りやすい。何より、この三綱領には、現代の日本企業が軽視しがちな理念が詰まっている」

※週刊ポスト2016年3月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト