今年の国連の対日報告書では、子どもの人身売買やポルノ問題に関し、日本はJKビジネス(女子高生らによる男性の接待行為)の禁止勧告を受けている。これについては昨年10月、同勧告に携わった国連のオランダ人報告者が日本に視察に訪れ、「女子生徒の13%が援助交際をしている」と発言したことをご記憶の方も多いだろう。日本政府が正式に抗議すると、同報告者は「裏付ける公的かつ最近のデータはない」と回答。

 日本視察時、誰が報告者に「13%」という怪情報をもたらしたかは定かではないが、それが国連の禁止勧告に繋がっているとしたら、由々しき事態だ(JKビジネスは当然、禁止すべきだが、それは日本自体が、正確な状況把握に基づき真摯に取り組むべき問題である)。

 今年2月、国連女子差別撤廃委員会を視察するためジュネーブを訪れた前衆議院議員・杉田水脈氏が語る。

「国連はいま、日本のリベラル系団体の溜まり場のようになっています。そこで日本の保守系団体が(国連の)会合に参加できれば彼らの“ロビー活動”を阻止できる。しかし、保守系団体は国連外交にそこまで注目してこなかった。国連の認定がないと議論への全面的な参加が許されませんが、保守系団体はこの資格をあまり持っていません」

 風評は立ちやすく、消えづらい。遠いスイスの地で、日本の信用が不当に貶められているとすれば、事態は深刻である。

※SAPIO2016年5月号

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