7歳まで子供を育てた家庭には、国からのお祝いとして1000万円を支給するのはどうか。いまだって児童手当で子供一人当たり計200万円程度を渡しているのだし、子供が成長して社会に出たら生涯で1億円ぐらいは納税してくれるのだから不可能ではなかろう。現実的な少子化対策として、政府はこの位のことをしても良いのではないか。
最後に、ラグビー日本代表で活躍した五郎丸歩選手の話をしておこう。彼は20代前半で結婚してすぐに子供が生まれ、いまは2男の父だという。なぜ早くに結婚し子をもうけたのかというと、子供に自分のラグビー選手としての雄姿、また、父として威厳のある姿を見せたかったからだというのだ。日本人が古来持っている、子供を大切にする姿が見て取れる。彼のような若者がいる限り、日本は安泰だ。
だから、私は少子化について少しも心配していない。一事が万事であって、プレストウィッツ氏に指摘してもらわなくとも私たちの課題は私たち自身が承知しているし、それを克服できる国が日本だとも信じている。
※SAPIO2016年5月号