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アスペルガー症候群告白の医師は患者とどう接するか

 医師の鎌田實氏は、自分がパーソナリティをつとめるラジオ番組に、アスペルガー症候群であると公にしている畠山昌樹医師をゲストに招いた。畠山医師の話と著書から、アスペルガー症候群と、その症候群とのつきあい方について鎌田氏が解説する。

 * * *
 アスペルガー症候群であることをカミングアウトした医師がいる。整形外科医の畠山昌樹さん(42歳)。ラジオ番組「日曜はがんばらない」(文化放送、10時~)にゲスト出演してくれた。頭の回転が速く、さわやかな笑顔が印象的だった。
 
 アスペルガー症候群とは、発達障害の一つ。こだわりが強く、変化が苦手。人の感情や空気は読めないため、その場にふさわしい言動をとれず、浮いてしまうことがある。社会性やコミュニケーション、想像力の障害ともいわれる。

「人と心が通じ合えたという経験はない」とはっきり言う畠山医師。親友もいない。恋愛も、夏目漱石と武者小路実篤などから学んだが、撃沈。結婚も一度したが、失敗に終わった。

 医師になってからは、一日十数人と診察するなかで、患者さんとぶつかった。嫌な思いをさせたこともたびたびあったという。そんな自分に何となく違和感を抱えてきた畠山医師は、自らアスペルガー症候群を疑い、専門医を受診。アスペルガー症候群と診断されたのは数年前のことだ。多くは子どものときにわかるが、大人になってから診断されることもある。これが、畠山医師にとって転機になった。

 そこから彼は、苦手なコミュニケーションを身に着ける努力をする。相手の気持ちに共感することはできないが、共感したように見せる会話はできる。「フリをする」というと身もふたもないが、ちょっとした言葉の使い方で、人間関係がスムーズになった。

 アスペルガー症候群は、思考の仕方が独特だ。慣用句やよくある言い回しを、字義どおり解釈する。母親から「そんなことをする子は、うちの子じゃありません」と叱られた子どもが市役所に戸籍を調べに行ったという、冗談のようなエピソードがある。

 好きなことには、とことんのめり込む。子どものころに「○○博士」などと呼ばれ、その分野の知識データはばっちり記憶している子が多い。

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