「『若さの秘訣は仕事だね、死ぬまで続けたほうがいいよ』ってみんな言うんです。でも、自分の意に沿わないものにはもう手を出さない。現状の番組を粛々とこなして、それがダメになれば消える、と腹を決めているんです」
森本は自身の美意識を崩さない人だ。後ろ指をさされる前に自らを戒め、偉ぶる姿を見せない。粋なのだ。
「最古参風になるのが嫌なんです。いつまでたっても、貫禄のない、ふらふらしているオヤジでいるほうが性に合っている。大御所になる気はさらさらないんです」
そして、こうつけ加えた。
「目立たず、騒がず、ゆらゆらと漂う。これがもう最高に心地いいんです」
●撮影/初沢亜利 取材・文/一志治夫
※週刊ポスト2016年7月15日号