愛煙家ならではの苦労もあるようだ


小野:ありますよ。イベントなどで呼ばれると、先方がホテルを取ってくれるんです。チェックインすると荷物を置いて、まず煙草を一服したいじゃないですか。でも、灰皿がない。フロントに電話をすると、「禁煙の部屋で承っております」と。ぼくの声のイメージから、喫煙しないだろうと思いこまれているんです。煙草を吸えないと、一晩中悶絶しています(笑い)。

――ロックバンドに加入して、ファン層は変わりしましたか?

小野:変わりました。たとえば、専門学校に歌を教えに行っているのですが、生徒は18才~20才くらいの若者です。彼らはぼくを知らないんです。何か月かすると「母が先生のCDを持ってました」とか「カラオケBOXに小野正利って人の曲が入ってるけど、あれ先生ですか?」というやりとりが常だったんですけど、GALNERYUS入ったら、「GALNERYUSの小野さんですよね!」って、若者にキラキラした目で見られるようになりました(笑い)。

 だから、GALNERYUSでぼくを初めて知って、元々ポップスを歌っているらしい、そっちも見に行くかって若者とか。逆に、ずっとポップスのライブに来てくださっていた常連のマダム達が、ちょっと怖いけどヘヴィメタルを見てみようかと来てくださったり。

――ハイトーンの出し方を教えてください。

小野:よく聞かれますが、7割は気合です(笑い)。高い音になると、どうしてもみんな、高い音を出そうとするんです。でも出そうとすればするほど、喉に力が入って、咽が絞まっちゃう。すると、バカ殿のような声になるんです。だから、「出さず」に「鳴らす」という感覚が大事です。

 急がば回れで、裏声が上手に発声できるといいと思います。そのためには、ハミングをするのがいいです。鼻歌のような、あれですね。声帯が喉ぼとけの軟骨のところについていますけども、その意識をなくして、ハミングだったら上あごの奥とか、鼻骨でもいいですけど、そこに息をぶつける感じです。

――実際に習いたくなりますね。ヴォーカルスクールは生徒募集中?

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