芸能

90才夫と87才妻が主役『人生フルーツ』、ジブリの影響も

立ち見も出る人気のドキュメンタリー映画『人生フルーツ』(公式HPより)

 90才の夫は、65年間連れ添った87才の妻をこう評した。

「ぼくの最高のガールフレンド」

 公開中の映画『人生フルーツ』が話題だ。1月2日の公開初日は超満員。その後も多くの人が劇場に足を運んでいる。

 愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一画、300坪の雑木林の中にある一軒の木造平屋に暮らす建築家・津端修一さん(90才)と英子さん(87才、いずれも撮影当時)夫婦の日常を追いかけたドキュメンタリー作品だ。

 雑木林には、野菜70種、果物50種が栽培されている。ほぼ自給自足の生活で、月に1度だけ名古屋の繁華街・栄に英子さんが買い物に出かける。冒頭のせりふからわかるようにふたりの仲はいい。だが、下の名前に「さん」を付けて呼び合う。絶妙な距離感がふたりの間にはある。

 この映画を監督した東海テレビ報道局報道部の伏原健之さんは言う。

「私は普段、東海テレビでニュース番組を担当しています。独居老人、孤独死、貧困老人など、高齢者の暗いニュースばかりを伝えがちです。そんな中で、年を取ることが楽しいと思わせてくれるようなかっこいいおじいさんとおばあさんが、どこかにいないかなと考えていました。そうしたときに新聞記事に出ていた修一さん夫婦を知りました」

 修一さんは東京大学工学部を卒業後、1955年に日本住宅公団に入社。阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの設計全体計画を手掛けた。

 1960年代には高蔵寺ニュータウンの計画に携わった。自然との共生を目指したマスタープランを立てたが、経済・効率が優先されて、その理念とは程遠い無機質な団地が完成した。

 それ以降、修一さんは仕事から距離を置き、英子さんとふたりで、高蔵寺ニュータウンに土地を購入し、家を建てて、雑木林を育て始めた。それから50年経っても、同じ生活を続けている。ゆっくりコツコツ。

 撮影は、2014年4月からスタートした。2年間で撮ったテープは、約400時間にも及んだ。上映時間は91分。膨大な量の編集作業に追われた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン